転移者たちはマクィン軍の追撃を凌ぎきった。中王国軍にとっての主目標はゴッズバラ軍の本隊――司令官の王孫ジョージ・ウェイヴェルであり、別働隊は戦場から追い払えれば良しとした敵の判断も有利に働いた。 代わりにゴッズバラ軍の本隊は猛烈な追撃を受け、渡されたエレベーター神輿での時間稼ぎも空しく、半数がオシナ城内に閉じ込められていた。その中にはジョージ司令官も含まれる。 もしも、彼が捕虜になり身代金を支払う事態に追い詰められたら、ゴッズバラ王国の勢威は更に衰えるだろう。力及ばずながらマクィン軍に対抗する戦争の指揮を取ってきたのは彼なのだから一挙にパワーバランスが崩れて戦線が崩壊する可能性もあった。 夜になって状況を把握した転移者たちは貴重な知人でもある司令官を助け出す手段を求めて意見を戦わせた。困難な後衛戦をこなして全員へとへとだったが、時間が経つほど包囲網は堅牢になる。特に北側は利用するために陣地
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