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10.過去の中で人は生きていけない(中島みゆき「永遠の嘘をついてくれ」について)
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10.過去の中で人は生きていけない(中島みゆき「永遠の嘘をついてくれ」について)
10.過去の中で人は生きていけない(中島みゆき「永遠の嘘をついてくれ」について) 過去の出会いや当時... 10.過去の中で人は生きていけない(中島みゆき「永遠の嘘をついてくれ」について) 過去の出会いや当時の夢と距離をおいてしまった後も、それらを本当の意味では手放すことができず、いつまでもあれらを「今の話」にすることができない。いつまでも「過去」に封じ込めて、今の立場で語り直すことを避け、当時との断絶をむしろ求めてしまう感覚。たとえば、昔の友達と再会する恐ろしさ。「あのころ」の話を当時の人とすることへの不安。過去を忘れない、大切に記憶する、ということが、時に「過去」を遠ざけてしまう。今、それらをどう思うのか、今、私たちはどんな関係になっているのか。そんなふうに「今の話」にしてしまえば、あっという間に過去はあのころの姿を失って、私は当時を忘れてしまう。過去に見た光こそが頼りの人生でも、過去の言葉がいまだ希望でも、それでもそれらを掴んで「今」の希望にすることが人は恐ろしくてできない。そのとき、もし