住友ファーマが10月31日発表した2023年9月中間決算(国際会計基準)は、営業損益が864億円の赤字だった。289億円の赤字だった前年同期から一段と悪化した。収益の柱だった精神疾患の治療薬「ラツーダ」の北米での独占販売が今年2月で終わった影響が大きい。 売上高は前年同期比52・2%減の1526億円、純損益は677億円の赤字(前年同期は72億円の赤字)だった。中間期の最終赤字は2年連続となる。 北米でのラツーダの販売額は、前年同期の1276億円から今期は40億円に激減した。国内では、他社と提携して販売していた糖尿病治療薬の契約が切れるなどして、売上高が4割減となった。一方、前立腺がんや子宮筋腫などの新薬の営業を強化するための費用がかさみ、経費がそれほど減らなかったことも赤字を増やす要因となった。(諏訪和仁)