7年8ヶ月にわたる安倍政権が終幕した。この週末、新聞各紙は安倍政権総括と、ポスト安倍に多くの紙面を割いていた。各紙が様々な角度から検証しており興味深かったが、全国紙5紙と東京新聞を読む限りでは、全面的に肯定し総括したメディアはない。読売、産経、日経も全面的に肯定したわけではもちろんない。安倍政権の得意分野と言われた外交や経済を含めて道半ばであったことをそれぞれ指摘している。 安倍晋三は記者会見で「断腸の思い」という言葉を使った。「北方領土」「拉致被害者」「憲法改正」に対してだが、それだけだろうか。2020年8月24日付の朝日新聞での、安倍政権について分析を重ねてきた東大名誉教授御厨貴氏の「やってる感」という言葉が腑に落ちた。「やった感」ではなく「やってる感」だ。実際は、「看板政策」は「看板倒れ」に終わったと言わざるを得ない。すべての道は「道半ば」だった。そもそも「アベノミクス」はどうなった