ごみ埋立地において発生するガスは「埋立地ガス」と呼ばれます。途上国のごみ投棄地でも、現在の日本のように高度な技術が投入された埋立地でも、埋立地ガスに含まれる成分に大きな違いはありませんが、その含まれる割合(濃度)は大きく異なります。たとえば、埋立地に覆土がなされると、埋立地ガス中に含まれる硫化水素濃度は増加します。硫化水素は、濃度が低くても悪臭成分として問題になりますが、濃度が高くなると健康や生命に影響を与える中毒成分として、より厳重な管理が必要になります。 ごみの埋立地に覆土を施工する理由としては、ごみが腐ることで生じる悪臭の防止、害虫(ハエ・ゴキブリ)や害獣(ネズミ)の発生防止、埋立後の土地活用、などが挙げられます。覆土によって衛生状態は改善されますが、ごみが大気と遮断されることでごみの腐るスピードが遅くなるほか、生物化学反応の経路が変化します。環境安全性を確保するための覆土や遮水構造