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「ハチロク」大正から令和まで活躍したSLの記憶
2024年3月、製造から102年を経過した蒸気機関車(SL)が引退した。JR九州の「SL人吉」を牽引していた586... 2024年3月、製造から102年を経過した蒸気機関車(SL)が引退した。JR九州の「SL人吉」を牽引していた58654号機だ。 この機関車の形式は8620形。1914年から1929年にかけて672両が製造された旅客列車用の機関車で、1970年代まで日本各地で列車を牽引して活躍し、その形式から「大正の名機ハチロク」と言われた。 SL時代の末期まで活躍し、動態復元された58654号機に至っては100年以上の歴史を誇った古参のSLハチロク。その足跡を追ってみよう。 越美北線のお召し列車、花輪線の3重連 8620形は旅客用として全国各地の線区で重宝されたが、戦後は貨物列車にも使われることが多かった。筆者は8620形の均整のとれたスタイルに魅せられ、故郷の越美北線で運用されていたこともあり多数の記録を残している。 まずはその越美北線のハチロクの記憶をたどってみよう。特筆されるのは、1968年10月に