「すみません。最後に1つだけいいですか」。死刑判決を受けた被告は証言台の前で手を上げましたが、発言は認められず、裁判は終わりました。最後に何を語ろうとしたのか。 その被告に姉を殺された男性は、2年半ほど前に1度は用意しながらも、その時は出せなかった手記を判決の日に寄せてくれました。そこに記されていたことばとは。 19人の命が奪われた障害者殺傷事件の裁判、最後の傍聴記です。(障害者殺傷事件取材班) この2か月、横浜地方裁判所にほど近い、横浜港の公園で何度も見られた傍聴に並ぶ人々の列。判決の日となった3月16日は1603人が傍聴しようと訪れました。 ただ、ここにも新型コロナウイルスの影響が。列に並ぶ人々がマスク姿というのはもちろん、法廷でも感染拡大防止のため席をあけて座る対応が取られました。その結果、傍聴席はこれまでの半分以下の10席に減り抽せんの倍率は160倍に上りました。 川崎市から訪れた