この文章を、 小田原のTipy records innと、 あの日 あの場所で 助けてくれたみなさんに、贈ります。 202X年の春。私は、何もかも消沈していた。 食欲消沈。仕事消沈。ぜーんぶ消沈。自分だけの話じゃないので詳細は書けないんだけど、とにかく意気消沈祭。もういっそ、私ごと全部消沈してしまえ。そんぐらいのテンションだった。 ある日、仕事仲間のYさんが、心配して連絡をくれた。 「まずは息抜きに、小田原へ行きませんか? 友達がやってるいい宿があるんですよ」 「行きます」とすぐに返事し、夜行バスを予約。Yさんと会って喋りたかったし、行ったことのない、私のことを誰も知らないまちに行きたかった。 朝、小田原に着いた。 駅前の「ケルン」という喫茶店で待ち合わせ。おばあさんが作り、おじいさんが運んでくれるミルクセーキが絶品らしい。もちろん頼む。Yさんはコーヒー。「これも絶品なんだよ」と、朝からナ
![鳥が飛んでるのは空じゃない、と言った友達|しまだあや(島田彩)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c52da1ae7b119ea139e47cc9b281198d3502f295/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F142994803%2Frectangle_large_type_2_e54e45badcd73a9bee5b5e3d15ac3bd9.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)