約6億年前の「エディアカラ紀(エディアカラン)」は、目に見える大きさの多細胞生物が発見されている最も古い時代として注目されています。しかし、なぜエディアカラ紀に生物の身体が複雑化・大型化したのか、その理由はよく分かっていません。 ロチェスター大学のWentao Huang氏などの研究チームは、エディアカラ紀の「地磁気」の強さを調査しました。その結果、エディアカラ紀の約2600万年の間、地磁気の強さは現在の10分の1以下、最小で約30分の1というかなり低い水準だったことが判明しました。詳しくは後述しますが、この出来事は最終的に海水中の酸素濃度を増加させ、生物の進化を促した可能性があります。 【▲ 図1: 今回の研究により、エディアカラ紀の地球は地磁気が極端に弱かった可能性が示されました。当時の生物にとって、オーロラは極地以外でも見られる、日常的な現象であったかもしれません。(Credit:U