東京都港区が南青山に建設を予定する児童相談所(児相)の計画が揺れている。一帯は高級ブランド店が軒を連ねる都内の一等地。後を絶たない児童虐待などに対応する児相の必要性は高まっているが、一部住民が「おしゃれな街に似合わない」などと反発しているのだ。専門家は「児相の役割をしっかり住民に説明するべきだ」と指摘する。 (山田祐一郎) 「世界的に有名なファッションの情報発信地の青山に児相は違和感がある」「非行の少年を預かる施設とは聞いていなかった。不安だ」。今月十四日、南青山にある区立青南(せいなん)小学校で区が開催した説明会では、批判的な意見が相次いだ。 児童虐待が急増する中、二〇一六年に児童福祉法が改正され、東京二十三区が新たに児相を設置できるようになった。これを受けて港区は昨年二月、「子ども家庭総合支援センター(仮称)」の建設を発表。児相とともに、虐待を受けた児童や非行少年を緊急的に保護する一時