性的少数者について語られる機会が増えてきている。そんな中、モデルで俳優の中山咲月さんは、トランスジェンダーと、他者に性的にひかれないアセクシュアルであることを公表し、10月出版のフォトエッセーで心情をつづった。悩んだ日々や社会に対する思いを聞いた。(編集委員・後藤洋平) 「同世代の俳優陣と共演している時にかけられた『今回は、紅一点ですね』という言葉。また心の瘡蓋(かさぶた)が剝(は)がれた」 フォトエッセー「無性愛」で、ジェンダーレスな雰囲気の写真とともに、女性の体で生まれた自身の性に悩んできたこと、周囲の何げない言葉に傷ついたことを赤裸々に記した。 元々目立つことが好きではなく、授業で発言するのも苦手だった。コンビニで買い物をする時にも、店員の目を見て話せなかった。10年前、ティーン誌のオーディションに応募したのは、親戚に勧められてのことだった。少女向けの雑誌とわかってはいたが、フリルの