日経クロステックが指摘した業務用エアコンの省エネ不正のうち、三菱電機が調査報告書(以下、報告書)に最も長い反論文を載せたのが、定格冷房COP(エネルギー消費効率、以下、定格COP)値とAPF(通年エネルギー消費効率)値に関する技術的な矛盾に対してである(図1)。同社にとって最も突かれたくない不正だったのだろう。 左の2011年モデルは従来の銅製円管を採用し、かつ熱交換器の前面面積が小さい低コストモデル。右の2013年グランマルチは新開発の扁平(へんぺい)管熱交換器を搭載した最上位機種。高性能なこの熱交換器を使ってAPF値を高めたのに、定格COP値が2011年モデルよりも下がっている。だが、これは物理式からあり得ない変化である。本来は両方とも2013年グランマルチの方が上回らないとおかしい。(出所:日経クロステック) 結論から言って、この点に関する反論も技術的に成立していない。三菱電機の主張