「目の前にいる、生まれたばかりの赤ちゃんである我が息子。この子が、男であることがなんか、嫌」 ある日、自分のそんな奇怪な感情に気づいた、漫画家・田房永子。上の娘が赤ちゃんの時にはこんなこと思わなかったのに。 思えば中学、高校と6年間女子校に通い、生身の男子との交流に飢えながら、少女漫画でファンタジックな男性観を培い、しかし実際に出会い接触するのは「痴漢」という性的な恐怖を与えてくる男たちのみだった──。 もしかして自分は、強烈な男性嫌悪者かもしれない。このまま、男の子を育てるなんてしてはいけない。己の歪んだ男性観の矯正に挑む、ド直球日常報告エッセイ! 私は、自分が発する「痴漢する男って、こういう心理なんじゃないかと思うんですよ」という意見は、男性にも有益なものだと思ってた。加害者の心理を分かっていたほうが、冤罪を闇雲に怖がらず対策を取りやすいのではないかと思うからだ。 そういったことを前提