日本的経営「三種の神器」と呼ばれる終身雇用、年功序列、企業別労働組合が「時代遅れ」と批判されるようになり、年功序列を中心に、その脱却が叫ばれるようになった。 この3要素は米国の経営学者ジェームス・C・アベグレン氏が1958年に著書「日本の経営」(The Japanese factory)で戦後の日本企業の発展の源泉として、表現したものだが、現在、日本経済の低迷が続く中で、かつての強みが弱みであるかのように批判されている。 今後、待遇差の拡大や、多様な働き方の実現、人材の流動化など、組織のあり方を大きく変えるような流れに向かう可能性があるが、かつて強さを発揮した日本の企業組織には、もはや顧みる点は残っていないのだろうか。 「日本的経営」を再定義して、新たなコンセプトを打ち出した「日本”式”経営の逆襲」(日本経済新聞出版)を上梓した岩尾俊兵・慶應義塾大学商学部専任講師に聞いた。(編集部:新志有