98年11月末からは心機一転、ブラジルに約3カ月間留学した。向かった先は名門・サンパウロFC。ある日、紅白戦でメンバーから外され、同じく控えに回った選手に愚痴をこぼすと、「何を言っているんだ? 俺はここから這い上がるぞ」と言い返された。 「その選手はのちにブラジル代表となるジュリオ・バチスタで。彼はその後、紅白戦で活躍して、トップチームに定着していった。その姿を目の当たりにして、不貞腐れることはダサいって気付いて、モチベーション高く日本に戻ってきたんです」 信頼するコーチから「プロとして無理だよ」 心を入れ替えてチームに合流し、復帰戦となった4月24日の浦和レッズ戦ではスタメン起用され、いきなりゴールをマークする。2トップを組むベンチーニョとフリスト・ストイチコフの壁は高く、レギュラー奪取とまではいかなかったが、出場機会を増やしていった。 ところが、ポジション取りを目論む北嶋のやる気を削ぐ