20世紀ドイツの哲学者ハイデガーの研究で知られる哲学者で中央大名誉教授の木田元(きだ・げん)さんが16日午後5時33分、肺炎のため千葉県内の病院で死去した。85歳だった。通夜は19日午後6時、葬儀は20日午前10時30分から千葉県船橋市習志野台2の12の30の古谷式典北習志野斎苑で。喪主は妻美代子さん。 「闇屋になりそこねた哲学者」という著書があるように、学者としては異色の経歴の持ち主。山形県に生まれ、旧満州(中国東北部)で育った。敗戦後、故郷で代用教員時代に米の闇屋で稼いだ資金を学資に農林専門学校に入学。そこでハイデガーの本と出合い、哲学を専門とすることを志し、東北大に進んだ。 長く中央大学で教壇に立ち、西欧哲学、特にハイデガー研究では、日本の第一人者となった。99年の退職後も、若い研究者を相手に在任中から主宰していた私的なハイデガーの原書講読会を続け、カラオケと酒を愛する洒脱(しゃ