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<経済効果でもイデオロギーでもない、コロナ後の日本に必要な「遺産」を考える。本誌「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集より> 東京オリンピックは2021年7月23日開幕となった。15カ月も先なだけに、実感が全く湧かない。新国立競技場を設計した建築家の隈研吾さんは、3月下旬、私にこう語った。「ポストコロナの1つの象徴として、(競技場が)持続可能な現代社会を示唆する建物になればうれしい」 五輪の「レガシー」という言葉が度々話題になってきた。何のための五輪なのか。何をもたらす大会なのか。1964年の東京五輪のように、五輪が街の形を変え、都市計画に拍車を掛ける時代は終わった。そのモデルに基づいた最後の五輪はおそらく1992年のバルセロナだ。以降はずっと、大企業や政府などごく少数にしか利益をもたらしていない。 経済効果がなくても、国全体に自信が付くからいい! という説もあるが、これも未知の部分
イタリアは世界5位の観光大国ですが、その地位にあぐらをかいていると思ったら大間違いです。数年前、観光政策を180度転換しました。 そのよい例が、在日イタリア政府観光局がヤマザキマリの人気コミック『テルマエ・ロマエ』をフィーチャーして作った観光プロモーション動画8本。海や山、芸術、音楽、食など、伝統的な観光名所よりもイタリア各地の自然や文化に焦点を当てたショート・ムービーは、記者会見でも大好評でした。ソフト・パワーとマクロ経済を上手く組み合わせたビジョンが見事です。 Accompagna Lucius nel suo straordinario viaggio alla scoperta dell'Italia! @ItalyMFA ルシウスとともに、素晴らしいイタリアの旅に出よう!#イタリア旅行記 #テルマエ・ロマエ pic.twitter.com/RiZLtj0seq — Italy i
ラグビーW杯2019日本大会で優勝を果たした南ア代表とキャプテン、コリシ(中央)と多様な人種のチームメイト Matthew Childs-REUTERS <南ア代表のW杯優勝を牽引した黒人初のキャプテン、シヤ・コリシの不屈の物語は、南アにとっても日本にとってもお手本になる> ラグビー南アフリカ代表初の黒人キャプテン、6番のシヤ・コリシは国民的ヒーローになりました。 That special moment pic.twitter.com/lzlVyBjaKE — Springboks (@Springboks) 2019年11月5日 スプリングボック(南アを象徴するカモシカの一種)の6番はそもそも伝説的な背番号です。 アパルトヘイト(人種隔離政策)廃止後の1995年、南アで初めてに開催された国際的スポーツ・イベントがラグビーワールドカップ(W杯)で、決勝の大舞台で地元チームの優勝を祝った時に
2018年の暮れはゴーン逮捕で日仏関係が一気に怪しくなった(写真は2018年11月21日) Toru Hanai-REUTERS <カルロス・ゴーンの逮捕は、日仏関係を大きく揺さぶった。仏メディアはゴーン容疑者の扱いに疑問を投げかけ、日本側は「余計なお世話だ」と開き直った。そして日仏は今、新たな爆弾を抱え込んだ。フランス文学界の鬼才、ウェルベックの新しい小説に、日本人をバカにしたような登場人物が描かれているのだ。今の日本人は、こんな「侮辱」を受け流せるのだろうか......> このコラムを書くことによって、私の友人である在日フランス大使館ピック大使を怒らせるのかもしれませんが、ずばり申し上げて 、最近の日仏関係はよくありません。昨年は、日本政府がフランスで半年間にわたって後援した輝かしい文化イベント「ジャポニスム2018:響き合う魂」のおかげで、日仏両国民の魂がスローガンの通りに響き合い、
<毎週のように激しいデモを行ってきた「黄色いベスト」たちは、エリート階級の特権に飽き「体制転換」を求めている> フランスの「黄色いベスト」運動の激しさはバラク・オバマ米前大統領の再選を妨げたアメリカのレッドネック(保守的な田舎白人層)たちの怒りに似ています。 レッドネックたちはとても貧しいわけではなく、必ずしも労働者でもありません。今、トランプ支持者になった彼らは田舎で慎ましく生きる地方庶民なのです。 ブレグジットを支持したイギリスの中流階級も黄色いベストたちに似ています。自分は飢えているわけでもないのですが、他人(他のEU諸国)のために自分の生活を犠牲にしたくない人たちなのです。 <関連記事>村上春樹が今度こそノーベル賞を取るために エマニュエル・マクロン仏大統領も、オバマも、イギリスのデービッド・キャメロン前首相も、彼らのことを理解しませんでした。環境保護 やグローバル社会という地球全
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