秋田大大学院医学系研究科の植木重治教授(49)らの研究チームは、鼻づまりや嗅覚障害などを引き起こす「慢性副鼻腔(びくう)炎」で、副鼻腔を詰まらせる原因となる「固い粘液」が作られる仕組みを解明したと発表した。粘液を溶かす方法も示し、新たな治療法につながる可能性があるとしている。研究成果が1月、米国科学誌のオンライン速報版に掲載された。 慢性副鼻腔炎は蓄膿(ちくのう)症とも呼ばれる。風邪のウイルスや細菌、アレルギーにより副鼻腔に炎症が起こり、そこに白血球が集まることで粘液が作られ、たまる病気。炎症部分に集まっている白血球の種類によって、大きく「好酸球性」と「好中球性」の2種類に分けられる。 研究では、世界で初めて材料工学で用いられる手法を応用。粘液の弾力性や含水率などを数値化し、固い粘液が作られる仕組みを解明した。