日本の難民認定率はきわめて低い。出入国在留管理庁の難民審査参与員は、認定率の低さが国際的に非難されるなかで2005年に創設された。 入管の難民認定に意見を述べる役割がある。 難民審査参与員は難民の手助けになっているのか。 難民審査参与員を12年から10年間にわたり務めた明治学院大学の阿部浩己教授に聞いた。【聞き手・須藤孝】 ◇ ◇ ◇ 次第に影響を受けた ――参与員を10年務めたあと、みずから辞任されました。 阿部氏 国連の人権保障システムや、難民条約の解釈適用、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の活動などを調査・研究してきました。 入管の一員ではなく独立した立場で審査に当たってきたつもりです。 言葉にはしにくいのですが、次第に入管の制度的な圧力や文化のようなものを感じるようになり、少しずつ自分自身の立ち位置が変わっているのではないかと思うようになりました。 ――いつのまにか入管行政の