中国の董軍国防相は2日、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で演説した。領有権を巡りフィリピンとの間で緊張が高まる南シナ海情勢について「中国は侵害や挑発に対して自制してきたが、限界がある」とフィリピン側に警告した。 南シナ海では中国海警局の艦船が比側の艦船に放水して負傷者が出るなど対立が激化している。マルコス比大統領は5月31日、同会合の基調講演後の質疑で自国側に死者が出た場合、「ルビコン川を渡ることになる(後戻りできない)」と相互防衛条約を結ぶ米国と共に軍事的対応に出る可能性を示唆していた。 董氏は演説でフィリピンを名指しすることは避けつつも「一部の国が外部勢力にそそのかされて、二国間の約束を破棄して、計画的に問題を引き起こした」と批判。米国が4月中旬、フィリピン北部に演習名目で中距離ミサイル発射装置を展開したことにも触れ「このようなやり方はいずれ自ら火の粉をか