「ウルトラマン」などの脚本家で、1976年に37歳で亡くなった金城哲夫さんが最後に手がけた映画「かりゆしの島沖縄」の脚本が、実家のある沖縄県南風原(はえばる)町で今秋初公開される。75年に沖縄国際海洋博の沖縄館で上映された記録映画で、フィルムも脚本も所在不明とされてきたが、脚本の生原稿(400字詰め用紙13枚)を妻裕子さん(80)が保管していた。 中学卒業後に上京した金城さんは大学時代から現在の円谷プロで脚本を学び、「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」で企画・脚本を担当し、シリーズの礎を築いた。 69年には「復帰を沖縄で迎えたい」と帰郷し、沖縄芝居の脚本やラジオ番組で活躍。海洋博で開閉会式の演出を手がけたが、「本土の回し者」などとなじられ、反発する地元との摩擦に悩んだ。酒量が増え、閉会式から約1カ月後、自宅離れの2階の書斎に窓から入ろうとして転落死した。 最後に情熱を注いだ海洋