「ミセス・ワタナベ」を探している。 ミセス・ワタナベとは外国為替証拠金取引(FX)を行う日本の個人投資家について語る際、ジャーナリストなら誰もが使ったことのある典型的な金融用語だ。最近、円相場が注目され、個人投資家への関心が再び高まっていることから、日本の金融界ではすでに最も一般的な専門用語の一つであるこの言葉がまた使われるようになっている。 この言葉の由来は何だろう。誰がつくったのか。なぜ鈴木や佐藤のようにもっと一般的な名字ではなく、渡辺なのか。そして、ブルームバーグの同僚コラムリスト、シュリ・レン氏が指摘しているように、FXの個人トレーダーは大半が男性であるというデータがあるのに、なぜ渡辺夫人なのだろうか。 これらの質問の幾つかには簡単に答えられる。だが、この言葉の起源をたどるのは予想以上に厄介なことが分かった。まずは多忙なコラムニストなら誰もが訪れるだろうウィキペディアを見てみた。し