厚生労働省が毎月勤労統計を不正な手法で調査していた問題は、日本の統計が置かれた厳しい状況を浮き彫りにした。各省に任せる体制が無責任の土壌となり、政府が重要とうたう統計の4割に問題が見つかった。予算も職員も大きく増やせない中で、現場では調査への拒絶すら広がる。統計の見直しを後回しにしてきたツケが出ている。毎月勤労統計の調査を巡る不正を指摘した総務省の統計委員会。西村清彦委員長は徹底した再発防止を
厚生労働省が毎月勤労統計を不正な手法で調査していた問題は、日本の統計が置かれた厳しい状況を浮き彫りにした。各省に任せる体制が無責任の土壌となり、政府が重要とうたう統計の4割に問題が見つかった。予算も職員も大きく増やせない中で、現場では調査への拒絶すら広がる。統計の見直しを後回しにしてきたツケが出ている。毎月勤労統計の調査を巡る不正を指摘した総務省の統計委員会。西村清彦委員長は徹底した再発防止を
毎月勤労統計の問題が発覚するきっかけは、厚生労働省の担当職員が総務省の統計委員会の打ち合わせで「東京以外の地域でも従業員500人以上の事業所について抽出調査を実施したい」と発言したことだった。複数の関係者が明かした。 厚労省と総務省の担当職員、統計委員会の西村清彦委員長らが昨年12月13日、次回の統計委員会開催について協議した。西村氏が毎月勤労統計の調査結果について、かねて正確性を疑問視する声が出ていることを踏まえ、詳細に分析する必要があるとし、次回委員会のテーマにする考えを示したという。 その時に厚労省職員から、従業員500人以上の事業所について東京都では抽出調査をしており、東京以外への拡大を計画しているとの発言があった。西村委員長は「抽出調査は重大なルール違反」と指摘し、統計の信頼性確保の観点からも危機的状況だとの認識を示した。厚労、総務両省に早急に事実関係を確認するよう求めた。 今回
厚生労働省が労働時間や賃金を不適切な手法で調査していたことの影響で、雇用保険や労災保険が本来の額より少なく支給されたケースがあり、その総額は現時点で少なくとも数億円規模に上る可能性があることが分かりました。総額はさらに増えるとみられ、厚生労働省はさかのぼって差額を支給する方向で検討しています。 「毎月勤労統計調査」と呼ばれるこの調査は、賃金や労働時間について厚生労働省が毎月、全国の事業所を対象に行っていますが、従業員が500人以上の大規模な事業所についてはすべて調査することになっていたにもかかわらず、都内ではおよそ3分の1の事業所を抽出して行っていました。 政府関係者によりますと、これによって、調査結果をもとに算出される雇用保険の失業給付や労災保険が本来の額より少なく支給されていたケースがあり、その総額は現時点で少なくとも数億円規模に上る可能性があるということです。 また、同様の手法は15
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