現場を軽視したみずほグループの本部 新しい基幹系システム「MINORI」を2019年に本格稼働させたみずほグループの本部にあったプランは、それまでの懸案事項を2020年度中に解決し終え、2021年度以降、店舗統合やデジタル口座化によるコスト削減効果を発現させ、利益増強を一挙に実現するというものだったにちがいない。 しかし、それは現実感が欠落した「焦りのそろばん勘定」といってもおかしくなかった。 しかも、このプランは今年2月から3月にかけて4回発生したシステム障害によって、あえなく崩壊したはずだった。データ移行作業は凍結となり、(2021年4月に予定されていた)頭取交代人事は取り消された。そのあおりで本部レベルの異動にとどまらず、店舗統合したにもかかわらず、支店長たちの異動まで一時的に凍結状態に陥った。 内部管理が主業である本部の銀行員とは異なり、支店長など営業現場の銀行員は日々、顧客との接