憲法改正や全世代型社会保障の議論の中で、高等教育の無償化もテーマの一つとなされている。ただ、話題となるのは、その財源をどうすべきかという話であり、「無償化するなら、そのために、大学や社会をどう変えるか」については突っ込んだ議論がされていない。 法律も経済も文学も民間企業では生かせないという現実的問題 そこで、欧州を範として、無償化する前に何をやるべきか、を2回にわたってお送りしている(※今回が2回目。1回目の前回記事はこちらから)。 前回記事では、今でも「金さえあれば誰でも行ける」という状態の大学を、「相応しい人しかいけない」ように初等教育から変えていかねばならないという話を書いた。 今回は、「大学とは何のためにあるのか」を考え、現実的な解を出すことをテーマにする。 日本の大学、それも文系の場合、学部名称こそ工夫はされているが、基本は法律・政治・経済・経営(商)・文学からなる。それは100