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ブックマーク / shinichiroinaba.hatenablog.com (722)

  • 『宇宙・動物・資本主義──稲葉振一郎対話集』 - shinichiroinaba's blog

    宇宙・動物・資主義──稲葉振一郎対話集 作者:稲葉振一郎 晶文社 Amazon 宇宙・動物・資主義 稲葉振一郎対話集 [ 稲葉振一郎 ] 価格: 4180 円楽天で詳細を見る

  • 『消え去る立法者』合評会(9月9日・慶応義塾大学三田キャンパス)を終えて(続々) - shinichiroinaba's blog

    繰り返しになるが、社会契約論の図式は、神の立法とはことなり人々の合意へと国家の存在理由をおおいに「民主化」しているように見えるが、「あらかじめ先取りされた、予定された結果としての目的が原因となる」という目的論的図式は共有している。モンテスキューもルソーも、近代社会契約論が、自然状態という原因から現在の国家、法秩序という結果が生じるそのメカニズムをこのような目的論的図式にはめ込んだことを、想定された原因の中にあらかじめ結果を読み込む回顧的錯覚として批判し、それに換えて、歴史の中にこうした目的論的図式に収まらない、人間の力も思惑も超えた客観的な因果連関の力を見出す。しかしそれだけでは、そのような客観的な因果連関、言い換えるならば自然法則の力と、人間の自由意志とそれによる自発的行為の力の関係がよくわからなくなる。両者の関係をそれほど突き詰めず、前者と両立する範囲での後者、という形で立法、統治を位

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    shinichiroinaba 2023/09/14
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  • 『消え去る立法者』合評会(9月9日・慶応義塾大学三田キャンパス)を終えて(続) - shinichiroinaba's blog

    もう少し「回顧的倒錯」の話をしよう。 遡るならばニーチェということになるのだろうけれど、フーコーの受容とともに我々は「系譜学」という方法になじんだ。永井均の言い回しを借りればそれは「現在の自己を成り立たせていると現在信じられてはいないが、実はそうである過去」「思い出として現存することを拒否された過去」についての言説であり、とりあえずは「現在の自己を成り立たせていると現在信じられている過去」「「思い出」という形をとって現存しているもの」についての言説としての解釈学と対比される。王寺が読むモンテスキュー、ルソーが批判する社会契約説は、まさにこの解釈学としてはたらきながら、現在を過去に投影してありもしない偽の起源をでっちあげる――そのようにして現在を正統化しようとする――「回顧的倒錯」である。 ただ王寺によればそこでモンテスキュー、ルソーはそうした起源の捏造によるその結果としての現在の正統化、を

    『消え去る立法者』合評会(9月9日・慶応義塾大学三田キャンパス)を終えて(続) - shinichiroinaba's blog
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    shinichiroinaba 2023/09/12
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  • 『消え去る立法者』合評会(9月9日・慶応義塾大学三田キャンパス)を終えて - shinichiroinaba's blog

    王寺賢太『消え去る立法者』はディドロ研究者として世界の最前線を担う著者がディドロについて論じるための前振りとしてモンテスキュー、ルソーに遡ったもので、同じ主題を継承してディドロを論じる続篇が予告はされているものの、その概略は終章に提示されている。 また同時にこのは柄谷行人の薫陶を受けた季節外れのアルチュセール主義者の元左翼青年の初の単著であり、そう考えるとアルチュセールの処女作たるモンテスキュー論と、ルソー、マルクスについての講演を収めた日オリジナルの一冊『政治歴史』の反復ともいえる。すなわち王寺もまたアルチュセール同様にモンテスキューの功績を「科学の対象としての歴史」の発見者、近代自然法学における自然状態とそこでの社会契約というアイディアを「回顧的錯覚」と批判しつつ、そうした正当化の操作を受け付けずまた必要ともしない水準の(のちのデュルケーム的に言えば)社会的事実を見出したことに求

    『消え去る立法者』合評会(9月9日・慶応義塾大学三田キャンパス)を終えて - shinichiroinaba's blog
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    shinichiroinaba 2023/09/11
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  • 木庭顕「10兆円ファンド」(法律時報95巻6号)へのコメントとリプライ - shinichiroinaba's blog

    2023年5月30日(火) 21:56 稲葉振一郎 木庭先生 ざっと拝読しましたが、やや気になるところがございます。 資主義の義は資産の商品化、市場化というところにあり、なおかつそれが過度の投機化によって消耗されることなく守られ、資産のゴーイング・コンサーン・バリューが守られるというところにあると思われます。そのため資産は丸ごと売買されるのではなくlocatio conductioを経由する必要があり、占有が保護されねばならない。 ただ近代資主義においては同時に、たえざる技術革新が求められるため、守られるべきゴーイング・コンサーン・バリューがその内実においては柔軟に変転する――にもかかわらず占有自体のアイデンティティが保証される――という離れ業が必要になるかと思います。占有の安定と市場における競争のバランスを保つことの困難が資主義の困難であり、ここに失敗すると市民社会が荒廃します。

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    shinichiroinaba 2023/09/07
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  • 紀要論文二点 - shinichiroinaba's blog

    「巨大事故、グローバル災害と人類の未来」『明治学院大学社会学・社会福祉学研究』160号 meigaku.repo.nii.ac.jp 高校での模擬授業です。 「「コンタクト・パラドックス」とその同類たち」『明治学院大学社会学・社会福祉学研究』161号 meigaku.repo.nii.ac.jp 査読のない紀要論文ですが、これをもとにした国際学会(SPT 2023 : Technology and Mobility)での報告(査読付き)を行い、更にSETIをテーマとした論文集(英語)に寄稿します。

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    shinichiroinaba 2023/03/14
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  • 高知工科大学講義(2023年2月14日) - shinichiroinaba's blog

    参考: shinichiroinaba.hatenablog.com チェーザレ(1) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス) 作者:惣領冬実 講談社 Amazon 乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ : 1 乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ (アクションコミックス) 作者:大西巷一 双葉社 Amazon チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3― 作者:塩野 七生 新潮社 Amazon 日出処の天子(完全版)1 作者:山岸 凉子 KADOKAWA Amazon イタリア・ルネサンスの文化 作者:ヤーコプ・ブルクハルト 筑摩書房 Amazon ディスコルシ ローマ史論 (ちくま学芸文庫) 作者:ニッコロ・マキァヴェッリ 筑摩書房 Amazon 方法叙説 (講談社学術文庫) 作者:ルネ・デカルト 講談社 Amazon 普遍論争 近代の源

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    shinichiroinaba 2023/03/13
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  • 朝日新聞社編『危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』』(徳間書店)取材原稿完全版 - shinichiroinaba's blog

    朝日新聞の連載企画を基に先般刊行された朝日新聞社編『危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』』(徳間書店)に寄稿した拙文(インタビューのフォーマットに合わせて編集者に合いの手を入れてもらった以外は当方の書下ろしである)は、紙面でもまた単行でも大幅に縮減されたものである。徳間書店のご厚意によってここに原型を復元し公開する。 =================== ――研究者としての著書も多数あるなかで、稲葉さんの最初の著書は『ナウシカ解読 ユートピアの臨界』(1996年刊、2019年に増補版を刊行)です。稲葉さんは、今この作品をどう評価しますか。 宮崎駿のまんが『風の谷のナウシカ』はすでに古典になっています。古典になっている、ということの意味は色々ありますが、ひとつには後進にとっての模範、ベンチマークを提供している、というところです。これについては後に詳しく述べましょう。もうひとつは、もう

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    shinichiroinaba 2023/02/05
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  • Normal AccidentsとGlobal Catastrophic Risks (覚書) - shinichiroinaba's blog

    災害には人為的なものもあれば非人為的なものもある。 人為的な災害について、そのリスクをコントロールするにあたっては、発生を防ぐ・確率を減らす予防・防災があり、起こってしまった場合に損害を補償し原状復帰を目指す回復・復興があり、また起こってしまった際の被害そのものを低減する減災がある。 非人為的な災害については予防・防災は考えられないように思われる。もちろん災害の根原因となる自然的な事象についてはそうであるが、それが実際に自然災害として人間社会にどの程度のダメージを与えるかは、人為によって左右され、その限りで予防・防災を論じる余地はあるが、近年ではこの不可避性を考慮に入れた「減災」という概念も登場してきている。 非人為的な災害の代表は事故であり、それ以外には他の共同体から仕掛けられる戦争、共同体内の反社会的分子が引き起こす犯罪、テロが考えられる。犯罪・テロについては、あるいは戦争についても

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  • 関東社会学会第69回大会テーマ部会B「ワークショップ時代の統治と社会記述――「新自由主義」の社会学的再構成」(2021年6月12日)へのコメント - shinichiroinaba's blog

    関東社会学会:年次大会---第67回大会(報告要旨・報告概要:テーマ部会B) *当日コメント ・拙著『「新自由主義」の妖怪』(稲葉[2018])を踏まえていただいて大変光栄であるが『政治の理論』(稲葉[2017])を踏まえていただかないと実はコンテクストが十分にはわからないはず。 ・古いマルクス主義の発展段階論の構図を前提にすれば「新自由主義」概念は一見わかりやすい。すなわち、後期資主義=国家独占資主義が行き詰まり、支配階級たる資家は体制維持のために小さな政府、規制緩和に逆行しようとする。つまりはファシズム同様の反動、資主義の断末摩である、と。 この理解の欠点――いつまでも「断末摩」が続く万年危機論。しかも社会主義の崩壊後もまだやっている。国家独占資主義がそもそも資主義の断末摩で、その後社会主義に移行するはずではなかったか。「新自由主義=ポスト国家独占資主義」とかお前ら真面目

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  • 高知工科大学特別講義「理工系学生のための現代倫理学入門のこころみ」 - shinichiroinaba's blog

    理工系学生のための現代倫理学入門のこころみ (2021年2月12日 高知工科大学講義「日人の教養」用原稿) 稲葉振一郎(明治学院大学) 1.長めの導入 文系科目――人文科学とは? 高校科目の「倫理」は大体道徳を中心とした日思想史、東洋思想史、西洋思想史をざっと眺めたうえで、現代哲学を道徳哲学=倫理学中心に瞥見し、それにプラスして青年心理学をちょこっと、という変な構成になっている。こんな風になったのにはそれなりに理由があるのだが、それには触れない。 高校時代の地歴公民――昔の社会科というのは変な構成になっている。高校数学は大学以降の数学の準備であり、高校理科の物理・化学・生物もおおむね大学以降の物理学・化学・生物学の準備段階である。しかし高校地歴公民は? 地歴から行こう。世界史・日史は一応大学以降の歴史学の準備になっていなくもない。しかし地理は大学の学問としての地理学への準備というわけ

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  • お買いもの - shinichiroinaba's blog

    現代戦争論―超「超限戦」- これが21世紀の戦いだ - (ワニブックスPLUS新書) 作者:渡部 悦和,佐々木 孝博 発売日: 2020/09/10 メディア: Kindle中国の行動原理 国内潮流が決める国際関係 (中公新書) 作者:益尾知佐子 発売日: 2020/05/15 メディア: Kindle版 戦後「社会科学」の思想 NHKブックス 作者:森 政稔 発売日: 2020/03/25 メディア: Kindle版 高校数学からはじめるディープラーニング 初歩からわかる人工知能が働くしくみ (ブルーバックス) 作者:金丸隆志 発売日: 2020/04/15 メディア: Kindle

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  • 橳島次郎氏の新著を眺めて - shinichiroinaba's blog

    もしも宇宙に行くのなら――人間の未来のための思考実験 作者: 〓島(ぬでしま)次郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/10/05 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 先にツイートもしたが、正直このでの議論には当惑している。 稲葉振一郎は、地上で多くの人が人体改造を普通に行う文明社会が実現すれば、宇宙に出ていくハードルが下がって宇宙植民も実現に向かうだろうが、そういう社会にならなければ、人びとが体を改造してまで宇宙植民に応じることはないだろうと結論している。私は、この結論に二つの点で異論がある。 橳島次郎『もしも宇宙に行くのなら』56頁 あれ? 俺こんなこと言ったっけ? こうして見ると、書のここまでの議論全体が、ある種の循環論法のようなものになっていることがわかる。すなわち「宇宙植民は、改造人聞や自律型ロボットを普通の「人間」として受け入れた社

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    shinichiroinaba 2020/05/21
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  • 上野千鶴子の「マルクス主義フェミニズム」について(未定稿) - shinichiroinaba's blog

    2年前に某企画から依頼があって書いたっきり放っておかれて塩漬けになっている原稿をこの際だからお蔵出しします。もしが出る予定が具体的になったらひっこめるでしょう。 ================================ 上野千鶴子さんの「マルクス主義フェミニズム」に対して読者はいろいろな疑問を持つでしょうが、上野さんのお仕事全体を見通したとき特に重大な疑問となるのは「上野フェミニズムにとってマルクス主義は当に必要か?」「上野フェミニズムの全体系の中でマルクス主義は整合的に位置づいているのか?」「そもそも上野フェミニズムにとってマルクス主義とは何か?」でしょう。 上野さんは『家父長制と資制』において「なぜマルクス主義フェミニズムであってリベラルフェミニズムではないのか?」と自問し、「リベラルフェミニズムは解放の思想ではあってもそこには解放の理論はない」と答えます。つまるところリ

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    shinichiroinaba 2020/05/03
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  • 手紙 - shinichiroinaba's blog

    ××先生 ○の父親でございます。いつも娘がお世話になっております。 さて私、仕事柄いろいろ雑多な調べ物をすることが多く、公衆衛生や感染症についても素人ながら少しは気にかけて勉強してまいりましたが、最近、大変興味深いを発見しましたので、一部お贈りいたします。 岡田晴恵編『強毒性新型インフルエンザの脅威』(藤原書店) http://www.bk1.co.jp/product/2697716?partnerid=p-inaba3302385 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894345277/interactivedn-22 現在話題となっているいわゆる「鳥インフルエンザ」につきまして、第一次世界大戦期のいわゆる「スペイン風邪」との比較において簡単に解説し、その危険性に注意を喚起するです。「鳥インフルエンザ」は今までのところ封じ込めに成功し

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    shinichiroinaba 2020/03/25
    サルベージしてセルクマ
  • 9月18日日本社会学会シンポジウム・コメント原稿 - shinichiroinaba's blog

    お約束通りこちらにアップします。当日読み上げられたのは2の冒頭までです。 しかしあのシンポ会場は実にいい意味で不穏であったのに不完全燃焼感著しい。壇上に市野川容孝と安藤馨がそろうというだけで十分アレなのにフロア最後列では小泉義之がいつもながらの怖い顔で壇上をまっすぐ睨みつけていたし、その他かなりやばめの面子がそろっていたというに。 なおわたくしごとになりますが、終了後は市野川、更にフロアにいたid:contractio、id:yeuxquiと連れだって梅田に繰り出し、うちで寝ていた岸政彦を呼んでお酒をいただきました。 いっちーは終始上機嫌。「安藤馨スゲー!」を多分百回は言った。かつての東浩紀「ソルジェニーツィン試論」以上の衝撃であったという。 ===================== 1. 著書『社会』前後から市野川容孝が追究してきた「社会的なるものの社会的構築」という問題系、すなわち、

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    shinichiroinaba 2019/11/22
    あげ
  • アシモフとネタバレ - shinichiroinaba's blog

    おかげさまで拙著『銀河帝国は必要か?』と『AI時代の労働の哲学』はご好評をいただいているが、前者に対して時々「えっそこ?」と言いたくなるご不満をたまに見かける。すなわち「これってネタバレじゃない?」という。これには正直意表を突かれた。 そもそも文芸批評、作品批評に対してネタバレもくそもないだろう、とまずは思ったのだが、それも批評のタイプによる。格的な学術的論考や評論の場合ならともかく、新聞など一般媒体での書評は基的には紹介のためにあるのだから、未来の読者の興を殺ぐようなことをしてはならない。というわけで「ネタバレダメ、絶対」というのはわかる。また格的な評論においても、たとえば大著『北米探偵小説論』で野崎六助氏は、少なくともいわゆるパズラー、格推理小説については厳格にネタバレ、具体的には真犯人やその動機、犯行方法と言った謎の核心に触れることを避けていた――それでも、メタミステリ、推理

  • 「何故しぶとく生き延びるのか ゴキブリとマルクス」『諸君!』2005年8月号 - shinichiroinaba's blog

    松尾さんの新著をめぐって変に盛り上がっているのでお蔵出し。 何らかのネタの提供になるだろうか。 これと『教養』第7章を読んでいただければ、ぼくが疎外論的マルクス主義それ自体には割と批判的――正統派レーニン主義にもそれなりの事情があったし、その問題点が疎外論で克服できたわけでもない――と考えていることはお分かりになるでしょう。ただそれと今回の松尾さんのの評価とは、関係はあるが別の問題なわけだけど。(ていうかまだ読んでないし。) しかしこれを山形は全く知らないだろう70年代頃までの新左翼系の疎外論だの物象化論だのといったややこしい論争まで引っ張り起こしていじりまわすといったいどうなるのやら……(松尾さんには廣松渉批判の論文もあったな。廣松の「マルクス主義」がすでにマルクスから離れた別物であったというのは間違いじゃないだろうけど)。 ==============================

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  • 『社会学入門・中級編』より「はじめに」 - shinichiroinaba's blog

    社会学入門・中級編 作者: 稲葉振一郎 出版社/メーカー: 有斐閣 発売日: 2019/04/24 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 社会学入門・中級編 [ 稲葉 振一郎 ] ジャンル: ・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 2,052円 社会学入門・中級編 / 稲葉振一郎 【】 ジャンル: ・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 社会 > その他ショップ: HMV&BOOKS online 1号店価格: 2,052円 ===================== 書は『社会学入門・中級編』という微妙なタイトルをつけておりますが、これには理由があります。 私は十年ほど前に『社会学入門』(NHK出版)(稲葉[2009])というを出しました。これは基的には理論に焦点を当てたですが、その冒頭に「

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    shinichiroinaba 2019/04/18
    “本書に続いて、特定の方法論的立場を踏まえて、より積極的なリサーチ・ストラテジーを提示した北田暁大の『実況中継・社会学』(有斐閣)(北田[2019])が出る”
  • 本日の講義(社会学史)をもとに - shinichiroinaba's blog

    岸政彦・北田暁大・筒井淳也・稲葉振一郎『社会学はどこから来てどこへ行くのか』というは日の社会学の現状についてのよもやま話であり、「社会学は地味な学問なんだから地味にやろうよ」というメッセージを派手にやっているという変なですが、その背景について少し考えてみましょう。 ひとつにはこれが著者たちをデフォルメしたファンシーなイラストを表紙にしたうえに、缶バッジなどのノベルティまで展開する下品な販促を仕掛けている、という事実の含意です。書の版元である有斐閣は元来、法律書を中心に人文社会科学の学術書を手広く展開する老舗出版社であり、ひどくお堅いイメージがありますが、近年では重心が法律書、学術書からより広い分野の教科書、入門書へとシフトし、合わせて全体としてライト化、ポップ化の印象があります。よく知られているところでは西洋貴族の紋章風の、獅子と鷲をあしらった社章を「シッシーとワッシー」とゆるキャ

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