サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
WWDC24
note.com/cncrt
コンクリートが現代社会でどのような立ち位置にあるかは前回の記事で述べました。 今日はそこに至るまでのコンクリートの変遷を振り返ってみたいと思います。 先にまとめてしまうと、コンクリートの起源は非常に古く、確認されている範囲で最も古いものはなんと9000年前につくられたと言われています。 とはいえ、このコンクリートが先史時代に主要な材料とならなかったことは皆さんが世界史で習った通りです。 コンクリートが工業材料として最初に普及したのは今からおよそ2000年前のイタリア・ローマと考えられてみます。 そこから作り方や原料や人間との関わり方を変えながら、現在の姿になっています。 ここではその移り変わりについて見ていきましょう。 目次は以下 コンクリートの発明はいつか?コンクリートがいつ最初に作られたか、という話です。 ”作られた”、とさらりと書きましたが、コンクリートは自然界に存在するものでもなけ
先日、ツナガルドボク中国というNPOにお呼ばれして、大学生達を前にざっくりとセメントについて話す機会がありました。 招いてもらったきっかけは、僕が代表理事の宮内さん(大学院一年生)のファンだったから。 宮内さんは僕よりもいくつか年下だけど、その活動にはいつも刺激をもらっています。詳しくは下の記事など読んでください。 依頼された内容としては、「ざっくりとセメントとコンクリートの説明をしてください」という内容だけど、これがすごく困った。 というのも、僕はセメントやコンクリートをざっくりと考えたことがなかったからです。 僕が大学でコンクリートに出会ってからだいたい7年くらい経ち、そのままコンクリートを専攻してコンクリートの仕事をするようになったけれど、ずーっと専門家としてコンクリートに関わってきました。 コンクリートを知っている人と、小難しいコンクリートの話をするのは、プロだからできて当然です。
「いちばんやさしいコンクリートの教科書」という連載を始めるにあたって、一般的な書籍における「はじめに」や「序論」に相当する部分です。 ただ、そういった形式ばった言葉をつけるには、あまりにも他愛ない文章です。 散文ですが、目次は以下です。 はじめに、のはじめに以降の節ではきっと、コンクリートという材料をあらゆる側面から分解して捉えていきます。 それは通常のコンクリート工学の教科書がそうであるように、いわゆる理系的な学問領域の中で多岐にわたると思います。例えば化学(ex.セメントの水和反応)だったり粉体工学(ex.セメント・骨材の粒度分布)だったり流体力学(ex.フレッシュコンクリートの流動性)だったり構造力学(ex.鉄筋コンクリート梁の曲げ挙動)だったり統計学(ex.生コンクリートの品質管理)だったりすると思います。 また特にこの連載ではそれよりも前に、既存のコンクリート書籍ではほとんど触れ
「ローマン・コンクリート」という言葉を聞いたことがありますか? その名の通り、古代ローマ時代につくられたコンクリートです。 これらの多くは2000年ほど前の古代につくられたものですが、さまざまな遺跡や神殿、道路や水道橋などのインフラに「ローマン・コンクリート」という建設材料が使われました。 一言でいうと、ローマ人が発明したコンクリート技術です。 2000年も前につくられたものが、今でも形を残している。これはどう考えてもスゴイ! その代表的なものが、パンテオンというローマの神殿です。 記事のトップ画像になっている写真は、この天井のドーム部分です。 このような複雑な形状の見事な建築物をつくり、それが今も残っているなんて、コンクリート技術者じゃなくてもオドロキじゃないですか? パンテオンのドームを内側から見上げた写真。スゴすぎる! ローマン・コンクリートがどんなものか、現代のコンクリートとは何が
平成が終わろうとしています。 この、1989年から2019年にかけての30年ほどの間に、コンクリートには何が起きたのでしょうか。 平成が始まる100年前の1889(明治22)年、日本初の近代港湾として横浜港の築港工事が開始されます。 その防波堤用の材料として、セメントという粉に石と砂と水を混ぜて作製するコンクリートという近代材料が使用され、日本におけるコンクリートの歴史が幕を開けました。 (当時の言葉では摂綿篤・混凝土と書きました。) それからの殖産興業の時代、コンクリートという材料は土木・建築向けの建設材料として徐々に普及するようになります。 鉄筋との組み合わせによる鉄筋コンクリート構造は木材・石・煉瓦といった既存の材料による構造よりも強度に優れ、自由度の高い設計を可能にしました。 現存する国内最古の鉄筋コンクリート構造物は1903(明治36)年につくられた琵琶湖第一疎水路上の橋といわれ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『E.Yasuda|note』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く