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世界禁煙デー
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じめじめとした梅雨の時期もやっと終わりにさしかかり、夏休みもすぐそこまで迫っている。だが重大な問題が残っているのを忘れてはいけない。そう、期末試験だ。サークルの合宿や帰省をまだかまだかと心待ちにしていた方には余計なことを思い出させてしまい、申し訳ないことをした。だが、期末試験を無事終わらせないことには平穏なる夏休みはやってこないのだ。留年したいという奇異な輩でもない限り、勉強した方がいいだろう。 さて勉強というとそろそろ、クーラーの効いた涼しい環境で集中しようと図書館に通う者は増え、ペンを走らせる音にも気を遣うほどの緊張感が漂うだろう。しかし座れる人数にも限りがある。この時期、図書館は人で溢れかえり、せっかく勉強しに行ったのに席が無くてすぐに帰るはめになったというのはざらに聞く話だ。中には席が空くのを狩人のように目を光らせ狙っている輩もいるかもしれない。だが大学で勉強できる場所というのは図
「大学生活=4年間」おそらく、センター受験生の皆さんはそんなイメージを抱いているのではないだろうか。だとしたら、それは一面的で誤った概念だと、あえて言わせていただきたい。京都大学では(休学等も含めて)2割以上が学部生として過ごす5年目に突入し、いわゆる5回生となる。学部によってはおよそ2人に1人が5回生となるところもある。そしてその理由の多くはいわゆる留年である。この記事を読んでいるあなたは、それは統計的事実であって、自分には関係のないことと思うかもしれない。その気持ちはわかるが、事実から目を背けるのは、よいことだとは思えない。留年とは何なのか、その存在を見つめ、現状を知り、実態に少しでも触れることは、留年しないための最大の対策にもなるだろうし、もしかしたら、自分の人生における価値観について考える機会になるかもしれない。堅苦しいことを言ったけれど、ちょっと読んで、軽く笑って、またできたら少
最近、学内のいろいろな場所で就活イベントの案内ポスターが目に付く。京大ホームページや学部事務室前にもインターン情報が掲載され、いよいよ13年度卒の就活が始まろうとしている。しかし、インターンとはどういうものか、まだ知らない人も多いことだろう。そこで今回、京都大学在学時代にインターンを経験したGoogleの花岡俊行氏にどのようなことを経験したかを尋ねた。(空) はなおか・としゆき 2009年京都大学情報学研究科卒業。07年、08年Googleでインターンを経験し、09年入社。現在はGoogle日本語入力開発チームに所属。 Ⅰ 現在の仕事―20%プロジェクトの活用 ―花岡さんは今Google 日本語入力のチームにいらっしゃるとのことですが、仕事内容を教えていただけますか。 Google 日本語入力は、特に日本人というか、日本語を使う人が日本語を入力する時に使うソフトウェアです。特徴としては、マ
口コミやネット上での大騒ぎによって普段アニメをあまり見ないという人たちの間でもかなりその名を知られ始めた感のある本作『魔法少女まどか☆マギカ』が、今月21日に最終回を迎えた。先の読めない展開の連続や、キャラクターたちを待ち受ける容赦ない過酷な運命、そしてそれらが視聴者にもたらす圧倒的な緊張感でもって今冬のアニメシーンを席巻した本作はまさに今、あらゆるメディアを超えてもっとも「熱い」作品である。 鉄は熱いうちに打て。最終回の熱気が筆者にも、そして本作を視聴した読者にもまだ残っているうちに本作の批評を行いたい。以下、大きく2章に分けて論じていく。(47) Ⅰ 「まどか☆マギカ」をアイデンティファイする「伝わらない」世界 ストーリーというものを持つすべてのメディアに共通して言えることだが、「めでたしめでたし」のハッピーエンドで終わる話には必ず「想いが伝わる」瞬間がある。ラブストーリーであれば男が
昨年秋より、吉田南キャンパスの新学期の光景に異変があった。それまで見受けられた外国語教科書販売のテントがなくなったのだ。例年、教科書を買いに群れをなす学生の光景はなぜなくなり、そしてあのテントはどこへいったのか。そこには戦前より続いた、ある書店の歴史があった。(鴨) 毎年春秋に語学の教科書をテント販売していたのはナカニシヤ書店という。なぜなくなったのか。生協関係者によれば「廃業した」という。ナカニシヤ書店(左京区吉田中大路町)を訪れたところ、それはごく小さな民家だった。教科書を買いに訪れたことのある学生(経済学部生・4回生)は「最初は本当に書店なのか目を疑った」と語る。建物内に人気はない。近隣住民によれば「昨年秋より空き家状態」であるという。そこでナカニシヤ書店と関係の深い、ナカニシヤ出版を訪ねることにした。 ナカニシヤ出版(左京区一条寺)の中西健夫・代表取締役社長にインタビューしたところ
京都大学時間雇用職員組合ユニオン・エクスタシー(以下、ユニエクと表記)がこのほど雇い止めにあった組合員2人の職場復帰闘争を開始した。 7月6日に約1年ぶりの団交が持たれた大学本部との団体交渉で「人事採用権は本部ではなく部局にある」との回答を受けたため、文学研究科に団交開催を申入れ8月26日に団体交渉を行った。 この場で赤松明彦研究科長ら当局側は、雇い止めを受けたユニエク組合員へ雇用継続に関してパワハラがあった事実を大筋で認め、これについての調査委員会を設置する考えが示された。 そこで組合側は「職の有無は人の生活に関わる重大事なので調査委員会の判断を待たず救済して欲しい」と訴えたが、9月21日の団体交渉では「調査委員会の結果が出てからでないと研究科として対応はとれない」と主張している。 ユニエク組合員の2人は文学研究科で時間雇用職員として勤務していた。2007年度の労働条件通知書が「更新する
6月13日、京都大学人間・環境学研究科棟地下講義室にて「特別シンポジウム パレスチナ問題とユダヤ人の起源~神話の歴史化に抗して~」(主催:京都大学大学院人間・環境学研究科岡真理研究室、共催:同研究科学際教育研究部、京都大学イスラーム地域研究センターが開催された。日本におけるパレスチナ研究の第一人者である板垣雄三・東京大学名誉教授と、実証的な歴史学に基づきユダヤ人という概念がどのように作られてきたのかを解明した「ユダヤ人の起源」がイスラエルをはじめとする各国でベストセラーとなったシュロモー・サンド:テルアビブ大学教授の2人が講演を行った。今回のシンポジウムは同著の日本語版出版に協力した広川隆一事務所がサンド氏を日本に招いたことがきっかけで実現したもの。当日は定員を大きく上回る265名の学生・市民が来場し熱気に満ちたシンポジウムとなった。 「考え方の組み換えを争う場としてのパレスチナ問題」 板
「京大やめたら、森さんと組んで吉本にデビューしような。」と彼は言っていた。ところが、僕が彼より一年早く定年退官。芸能界で吉本の芸人さんとつきあいを拡げていたのに、彼は日文研につかまって所長、はては文化庁長官になってしまった。さすがウソツキクラブ会長。 しかし考えてみれば、文化というものはウソによって成立する。彼は数学科出身だが、ウソの数である虚数によって、数学の文化が姿を現わす。日本文化については、神話や平安文学は材料にしてきたが、室町文化や江戸文化に触れたものはない。文化庁長官になったとき、室町江戸の古典芸能につきあうことが増えて、「これからの課題や」といっていたものだが。その近松によれば、「虚実皮膜の間」に文化は成立する。 そうであれば、文化庁長官というのはウソツキクラブ会長と読める。大学は、真理の府ということになっているが、それを支えているのは文化というウソ。虚と実の二重性というのは
先日の新聞で、伊藤園が社内での動物実験を廃止し、資生堂も近い将来に廃止する予定だという記事を見かけた(2010年5月29日、読売新聞)。EUでは化粧品や健康製品について動物実験をした製品の販売を禁止する法律がすでに2009年に施行されており、アメリカでも企業による取り組みが進む中で、日本の企業も欧米の市場を維持するために対応せざるをえなくなったということらしい。 このニュースは、多くの日本の消費者にとっては奇異に映ったのではないだろうか。製品の安全性がうるさく言われる傾向にある現代において、製品の安全検査の重要な手段となってきた動物実験が(化粧品などに限定してとはいえ)禁止されるというのは時代に逆行しているような印象を受ける人も多かったかもしれない。 しかし、欧米諸国では動物実験の廃止は非常に大きな社会的な流れとなっている。これは、19世紀以来の動物愛護運動とは一線を画した「動物の権利運動
時間雇用職員の雇用年限を最大5年までとする、いわゆる5年条項の適用が今年度からついに始まった。そうしたなか本紙編集部の聞き取りによって、4月1日時点で44名に適用されていることが明らかになった。 5年条項の運用実態について広報課に問い合わせたところ「そのような集計は取っていないので答えられないと人事からは聞いている」との返答が返ってきた。しかし各部局の総務掛に聞くと「5年条項およびその例外規定の適用については本部に報告をしている」(地球環境学舎・学堂事務)といった声が聞かれた。そこで直接関係部署に問い合わせたところ、4月1日に5年条項の適用を受けた時間雇用職員は44名であることが分かった。 昨秋の時点で10年4月1日に5年条項の適用を受けると見られた時間雇用職員は50数名だったので、この間に何名かが自主退職したことになる。このうち21名は当該部局の実施した公募に応募し事実上の再雇用が認めら
5月22日0時きっかりに吉田寮生の高らかな歓声と共に今年も吉田寮祭がスタートした。寮祭は5月22日から30日の9日間開かれ、吉田寮らしい特色あるイベントが行われた。本紙編集員もヒッチハイクでレースをするヒッチレースに参加した。吉田寮祭ではこのほかにも鴨川の中を仮装をして三条大橋から鴨川デルタまで走るという鴨川レースなど吉田寮らしい個性溢れるイベントが数多く行われた。 ヒッチレース 編集員参加体験記 私は今回、吉田寮祭の中で最も過酷を極めるヒッチレースに参加した。参加者は吉田寮生、熊野寮生そして唯一の下宿生である私の計15名。例年より多めの参加者だった。参加者は3台の車に分かれて乗車。吉田寮を出発して約4時間のところでばらばらに降ろされた。降ろされた場所は大阪、和歌山、鳥取,福井などと様々であった。このイベントが吉田寮祭のなかで随一の過酷さを誇るゆえんは、参加者がペンと紙しか持てないことにあ
2009年8月28日の朝、私は、27年来の知己であったマーホの埋葬の場にいた。再定住村コエンシャケネの端にある広大な墓地の一画に掘られた穴に棺は降ろされた。四人の男女がスコップを持ち、砂を穴に放りこんだ。めかしこんだ女たちの一団が賛美歌を歌い続けた。私はビデオカメラを回しながら、そのメロディを美しいと感じ、同時に、そう感じたことが悔しかった。 1982年8月に、南部アフリカのボツワナに住む狩猟採集民グイ/ガナの調査を始めて間もなく、私はマーホを調査助手として雇った。彼にまつわる幾つかの大切な記憶はあるが、この小文はそれを語る場ではない。あの葬儀の朝、賛美歌が歌われるのを聞き、地球上の数えきれない場所で、これに類した歌によって人の死が弔われていることを思い、私は暗澹とした気分になった。以下の論述は、この気分を出発点としている。 人類学者が母国の民衆に対して帯びているもっとも重い責任は、「人間
3月24日付で京都上労働基準監督署は京都大学に三六協定の特別条項の適用について改善を求める指導をした。京都大学は4月15日付で指導を受け入れ改善するという趣旨の報告を同労基署に提出した。 京都大学では昨年12月16日付で三六協定が改定され、特別条項が10ヶ月まで適用された。その結果4月までで、19名の従業員が特別条項6ヶ月以上の適用を受けていた。うち14名が医師から「健康を害する恐れがある」との警告を受けた。 今年の1月1日付で宇仁宏幸・経済学研究科教授が過半数代表者に就任し、同月7日付で松本総長宛に特別条項の10ヶ月までの適用は法令違反であると、三六協定の再改定を求める申し入れ書を提出した。しかし反応が無かったため19日付で労基署に告発をした。 この告発の後、2月の上旬に監督官が来学し、大学当局側に資料の提出要請をし、結果24日付けで労基署から①三六協定の特別条項において、1年の半分を超
今年度の「センター試験」の問題にも出たとかいう噂もあるそうだから、もうだれでも知っている話だが、今年は「大逆事件」が「発覚」したとされるときから数えても、またそれと時を同じくして日本が韓国を「併合」したときから計算しても、ちょうど100年目に当たる。 この「大逆事件」では、1910年5月下旬から逮捕が始まって、最終的に26人が起訴され、そのうち24人に死刑の判決が下された。翌日、明治天皇の「思し召し」で半分の12人は無期懲役に「減刑」されたが、あとの半分の12人は、判決から6日後と7日後の1911年1月24日と25日に、東京監獄で絞首刑を執行された。 これまでに明らかにされているところでは、明治天皇の馬車に爆弾を投げることを合議したのは、女性1人、男性3人の計4人だった。その話を持ちかけられたもう1人の男性は、それに同意しなかった。ほんとうに投げるつもりだったかどうかは別にして、少なくとも
4月16日、京大時計台ホールにて「新入生キャンペーン2010第1回講演会」が開かれた。主催は新入生キャンペーン実行委員会。 講演者は、金融機関に勤務すると共に人材育成、政策提言を軸に活動するNPO法人MPI(Management and Policy Institute)の理事長を務める山崎貴弘氏(法学部卒業)、サイエンスグラフィックス株式会社代表取締役の辻野貴志氏(大学院工学研究科卒業)、28歳で会社を辞め、日本一のニートを目指すpha氏(総合人間学部卒業)の3名。それぞれ留学、起業、ニートという全く違うキャリアを持つ彼らに共通するのは「自分の好きなことをやる」こと。自らのやりたいこと、やってきたことについて20分ずつ講演した。 実行委員会は、それぞれの学生が自分の目標を発見するきっかけを作ることを目標とし、新入生向けに京大卒業生による講演会や、学生が主体となる勉強会を開いている。(編集
法経本館でこの4月から夜間施錠が開始され、法・経以外の学生は夜間入館が出来なくなった。この措置によって影響を受ける地下の学生スペースの利用者へ事前の説明のないままの決定であった。夜間施錠の計画が発覚してから実施されるまでの学生の動きを追った。(魚・鴨) 法経本館とは 法経本館は本部構内の時計台裏手にある建物。法学部と経済学部の共同利用施設で両学部・研究科の授業が開講される教室や研究室がある。特徴的なのは地下が学生の課外活動スペースとなっている点だ。更に施錠されない入口があり事実上全学の学生が利用できる環境であった。建物の東ウイング地下は「E地下」、西ウイング地下は「J地下」と呼ばれている。 突然の発覚 今回の事態が明らかになったのは3月30日に法経本館の入口数カ所で工事をしているのを不審に思った法学部自治会関係者が法学部事務に事情を問い合わせたのがきっかけ。 その際に4月16日から法経本館
先号、先々号と続いたクロード・レヴィ=ストロース追悼企画。最終回の今回は、文学研究科の出口康夫・准教授(下写真)から、科学哲学の見地から見たレヴィ=ストロースのあり方を示していただくことにした。ポスト構造主義の流行を経て「哲学の低迷」が言及される現代において、レヴィ=ストロースをどのように見直すべきか。自然科学の発展が著しい現代にあっては、人文・社会科学にも自然科学との適切な距離のとり方が必要とされるだろう。その端緒をレヴィ=ストロースに見出せないか。そのような見地より、お話を伺った。(編集部) レヴィ=ストロースの「構造主義」とはなんだったのか。数理科学の哲学から、それをどのように位置づけ、評価することができるのか。これらの問題を考える手がかりとして、そもそも「構造主義」という場合の「構造」とは何か、そこで語られる「主義」とは何についての「主義」なのかを考えてみたいと思います。その上で、
2月27日、大阪市内の大阪府立労働センタ―(エル・おおさか)にて「なんで有期雇用なん!? 2・27大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」が開催され、関西圏の大学有期雇用労働者ら約100名が参加した。主催は2・27緊急集会実行委員会。 この集会の背景には私立大学では90年代から、国立大学では04年の法人化を機に、期限付きの非正規という雇用形態で採用される大学職員が増加している現状がある。こうした有期雇用のあり方に問題を感じた職員らの中には、労働組合を結成するなど、雇用期限の撤廃や非正規の地位向上を求める行動に出るものもいる。各大学でバラバラになるのではなく、横のネットワークが必要ではないかと、今回の集会が開かれた。 集会はまず関西学院大学で障碍学生のチューターを勤める大椿裕子さん(35)が「去年の3月に、京大で非正規職員が座り込みを始めたのを報道で知り、闘う人達が居るんだと勇気づ
1月19日、京都大学吉田事業場過半数代表者の宇仁宏幸・経済学研究科教授と京都大学教職員組合中央執行委員長の松波孝治・防災研究所准教授は、両氏の連名で、京都上労働基準監督署へ「京大で厚生労働省告示に違反している超過勤務命令がなされている」と告発し、京大に対する監督指導を要請した。(魚) 国立大学の教職員は、2005年の法人化以後非公務員化されたことで労務に国家公務員法の適用が外れ、労働基準法が適用されるようになった。労働基準法で使用者は、法令で定められた時間を超えて従業員に労働をさせてはならない。ただし、労使でいわゆる三六協定(※)を結べば、その協定に明記してある限りにおいて、労働時間の延長が可能になる。事業場において、雇用者の過半数を組織する労働組合が存在する場合は、当該組合が従業員を代表する立場から協定を結ぶ。さらに京大のように労組が過半数従業員を組織していない場合は、雇用者の中から過半
京都大学が非常勤職員に対する5年条項の見直し案をまとめたことが分かった。継続雇用する場合は部局の責任で行う、などの内容が明らかになった。 従来京大で時間雇用職員や有期雇用職員など、いわゆる非常勤として働く職員は、年単位で雇用契約が更新されてきた。しかし法人化後の05年3月、京大は規程を改正し、以降契約した非常勤職員に関しては「雇用される期間が通算5年を 超えないものとする」(時間雇用教職員就業規則第4条第2項抜粋)とした。このいわゆる5年雇い止め条項によって、2010年度内に約100名の非常勤職員が雇い止めされうる事態が生じている。 大学当局側は「非常勤職員は一時的・補助的な業務につくものであり、その趣旨通りに運用をするため5年条項がある」と説明していた。しかし運営交付金や人件費の削減等大学運営をめぐる環境が年々厳しくなる中、恒常的な業務にも非常勤職員を充てる例が多くあり、当局の認識と実態
松本紘総長は11月28日、記者クラブとの懇談会にて非常勤職員の5年雇い止め問題に関して、今年9月に人事担当理事を座長とする「人事制度検討委員会」を設け、全学の人事制度を見直す審議を重ねていたことを明らかにした。すでに素案がまとまりつつあり、近いうちに部局長会議に提出する予定だという。松本総長は「より良い大学にしていくためにベストなシステムにしていきたい」と話した。 「5年条項」とは、京大非常勤教職員の契約期間を定めた就業規程の条項。京大には時間雇用職員や有期雇用職員など、いわゆる非常勤として働く職員が約2600名ほどおり、雇用契約は年単位で更新されてきた。しかし法人化後の05年3月、京大は規程を改正し、これ以降に契約した非常勤職員に対しては「雇用される期間が通算5年を超えないものとする」(時間雇用教職員就業規則第4条第2項抜粋)とした。改正後に就業した非常勤職員は約1300人で、この条項に
広大な面積のキャンパスを持つ京都大学だが、公認、非公認をも含めた様々なサークルが自由に使える多目的スペースは驚くほどに少ない。さらに西部講堂と並び立つ多目的スペースとして有名な吉田寮食堂は今年の春から続く吉田寮新棟建設計画の中で、その存廃をも含んだ大きな岐路に立っている。そこで連載~学生自主空間のいま~第2回の今回は、京都大学内で最も有名な多目的スペースの一つ、吉田寮食堂について取り上げようと思う。(全5回の予定です) (47・魚) 現在の使用形態が作られるまで 1980年代の「在寮期限」闘争をご存じだろうか。1982年の12月に、大学側が吉田寮の廃寮化を一方的に決定し、撤回を求める吉田寮生や学部自治会と大学側の激しい争いが、最終的に廃寮化が撤回される1989年までの長期間にわたって繰り広げられた一連の動きのことである。 1980年代の半ばまで吉田寮食堂は寮生に食事を提供するための機能を備
12月11日文学部新館第2講義室にて講演会「女性が野宿者でいるってどんなこと?」(主催:路上と大学を考える会―むすぶ)が開かれた。文学研究科社会学教室で女性野宿者について研究し、自らも野宿者支援の活動に携わったことがある丸山里美さんが、日本の女性野宿者について語った。 まず丸山さんはホームレスの定義について①屋根無し(野宿者)、②家無し(シェルター等)、③不安定居住(居候、スクウォッター)といった区分があり、このうちどこまでをホームレスに含めるのかは国によってまちまちであり、日本では①のみがホームレスとされているとした。 次に日本ではホームレスで女性の占める割合が3パーセントと、3割程度を女性が占める欧米に比べきわめて低い事実に触れ、その原因として女性の社会的地位が低いためにそもそも世帯主が形成されにくいといった社会的条件により「貧困の女性化」が顕在化しにくい土壌があることを挙げた。 また
2010年1月、百周年時計台記念会地階北側のピロティーにタリーズコーヒージャパン(株)によるカフェがオープンする。具体的な開店時期は1月15日を予定し、営業時間は午前8時から午後8時。12月29日から1月3日までの年末年始以外は毎日営業する。 今回のカフェ設置は、学生部学生課が一般から運営事業者を公募、選考した後に決定した。タリーズコーヒージャパンは全国的にチェーン店を展開しており、慶應義塾大学や各地の大学病院でもカフェ業務を運営しており、その実績が買われた形だ。 担当者によると、図書館の24時間開館などを考慮に入れつつ、ゆっくりとくつろぐことのできる休憩場を提供し学生・職員のキャンパスアメニティーを向上させるため、学内カフェの設置について検討してきたとのこと。しかし、現在時計台ではすでに京大サロンが喫茶業務を行っている。そのことに関して学生課の担当者は「時計台地階のピロティーでのドリンク
工学研究科で11月13日、元京都大学総長の長尾眞・国立国会図書館長が招かれ講演した。『知識はわれらを豊かにする―多様な世界をつなぐ電子図書館―』と題して桂ホール(桂キャンパスBクラスター)で講演し、学生・市民ら約200人が耳を傾けた。 長尾氏は、長年の夢であった電子図書館構想が実を結びつつあることや、東洋的な全体把握・美的センスの重要性を話した。 創造力の基礎には連想能力があり、連想の基礎となるのは知識である、知識を活用するために図書館が必要、と語った。資料のタイトル検索ができても内容を見ることができない現状について「世界中どこでも同じ悩みを抱えている」。解決するために料金制の閲覧システムを提案した。 電子図書館の発展は、長尾氏らが約20年前に京都大学で発足した「電子図書館研究会」に始まる。1996年ごろから国内外で電子図書館が構築されるようになり、京都大学では97年に電子図書館システムが
講師: 佐々木俊尚(ITジャーナリスト) 岡留安則(『噂の眞相』元編集長) 佐藤卓己(京都大学教育学研究科准教授) 日時:11月22日 場所:法経本館第六教室 主催:京都大学新聞社 インターネットの登場がメディアを大きく揺るがしてきた。既存メディアは広告不振に喘ぎ、読者もネットで読めるニュースをわざわざ新聞を取ってまで読もうとしない。既存メディアは衰退の一途をたどるのか。そのとき既存メディアが担ってきたジャーナリズムはどうなるのか。インターネットに担えるのか。既存メディアが生き延びて担い続けるのか。 『2011年 新聞・テレビ消滅』を著したITジャーナリスト佐々木俊尚氏、『噂の真相』編集長としてジャーナリズムの実践者であった岡留安則氏、そしてメディア研究者である佐藤卓己准教授(教育学研究科)に三者三様の視点からインターネット時代にどうジャーナリズムを行っていくか、語ってもらった。(11月2
10月2日の昼休み、小雨がぱらつく中、京大のシンボルとも言えるクスノキ前にテントが出現。吉田寮生ら学生有志がアピール活動を行なった。目的はこの日行われる予定の西村副学長との吉田寮新A棟をめぐる折衝にひとりでも多くの学生を呼ぶためだ。「西村副学長はいい加減なこと言うな!」などシュプレヒコールを飛ばした。 この春から既に半年が経過した吉田寮をめぐる話し合いだが、今何が起こっているのだろうか。(魚) ● 吉田寮新A棟とは 話しの発端は4月20日、京大当局が「吉田南構内最南部再整備方針(案)」を吉田寮自治会に提示したことから始まる。計画はメディアセンター南館に隣接する現テニスコートに国際交流拠点施設を建設する他、「焼け跡」と現吉田寮食堂の場所に吉田寮新A棟、現在の吉田寮の位置には吉田寮新B棟を建設する、といった現吉田寮の将来に大きく関わるもの。その後24日に大学当局は説明会を開き、その場で整備案は
昨年末は派遣切りが世間の注目を集めた。必死で労働者を守ろうと努力している中小企業もあったが、多くの大企業は派遣社員にたいして解雇するか再契約の中止をした。そこには、不景気で仕事が無いという現実もあったが、企業の身勝手さが非難された。しかし、京大の雇い止めは、仕事と金があっても、5年で切られるのである。単に、長期間雇用を続けると、解雇できなくなる可能性があるので、早めに解雇しようという論理である。どちらが、より悪質か。 そもそも、だれでも安定した生活を送りたいものである。日本では、最大の安定が正社員である.労働法は弱い立場の労働者を守るためにできたものであり,派遣労働が制限されるのは、より多くの人を正社員化するためではないか。京大では、これまで多くの雇い止めの問題点が指摘されてきた。ここで、ある有期非常勤職員から別の視点が出された。すなわち、彼女は『離婚後の子供の親権争いになりそうである。し
大澤真幸人間・環境学研究科教授が9月1日付けで京都大学を辞職した。 突然の辞職に伴い、後期に大澤氏が担当を予定していた全学共通科目は9日付で不開講が発表された。公式ホームページも閉鎖されている。 同研究科は8月18日付で、大澤研究室が2010年度入学の院生募集をしないことを発表していた。 大澤教授は理論社会学が専門で、著作活動等を通して現代社会を盛んに論じていた。
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