見る影もない「名門」企業 伝統的な名前のある日本企業の凋落振りは目も当てられない限りである。東芝は大がかりな組織ぐるみの不正会計問題を露呈し、シャープは台湾企業の傘下となり、不正燃費問題を四半世紀にわたって隠蔽してきた三菱自動車は、すでにルノーという外資メーカーの傘下にある日産のそのまた傘下となった。三菱自動車の6月期の国内シェアは1%となり、三菱自動車の下請けでは倒産する企業も出ている。 このように結果だけ見ると情けない限りである。書店には、「名門の凋落」「シャープ崩壊」「東芝不正会計」などという帯のついた本が平積みされている。テレビでは、無能な顔つきの経営者が、自分の力では事態を収拾できず、右往左往しながら狼狽している様子が晒されることになってしまった。日産のカルロス・ゴーン氏のつり上がった眉毛に対し、三菱自動車の益子会長の困り果てた「への字」の眉毛が並べて写真に収められ、SNSでは、