本稿においては、地方卸売市場の青果物卸売業者である倉敷青果株式会社(以下「倉敷青果」という)および同社を中心に構成されたクラカグループを事例として、卸売業者によるカット野菜への事業への取り組みと、グループ企業を通じた原料野菜の生産について調査を行った。 倉敷青果(倉敷青果荷受組合)では、従来からスーパーを中心に青果物の卸売業務を行ってきたが、1998年からは自社内に洗浄野菜プロジェクトチームを設置してカット野菜の製造を行っている。その後、同社は施設に関してもカット工場やプロセスセンター(集出荷貯蔵施設)などを順次設置しているが、青果物の卸売業務とカット野菜の相乗効果もあって、経年的に取扱額を拡大させながら現在に至っている。その一方で、卸売業者としての倉敷青果には将来的な集荷量の確保や端境期対策、県内産品の県内消費拡大などの課題があるだけでなく、カット野菜事業においても従業員の確保や収益性の