太陽表面で大きな爆発現象「太陽フレア」が発生し、国内外で5月、オーロラが観測された。兵庫県北部の香美(かみ)町でも目撃され話題になったが、この地域では室町時代前期の約650年前にも、オーロラが出現していた可能性があることが、専門家の調査で明らかになった。めったにない天文現象の「偶然」に、地元はにわかに沸いている。 【写真】オーロラと見られる記述のある古文書を眺める浜本浩久さん=2024年5月14日午後2時11分、兵庫県香美町香住区、菱山出撮影 調査したのは国立極地研究所(東京)の片岡龍峰(りゅうほう)准教授(宇宙空間物理学)ら。 オーロラを研究している片岡さんのもとに2020年、香美町香住区出身の男性から「香住に古くから伝わる『光の事件』はオーロラでしょうか」との質問が寄せられた。片岡さんは22年、国文学研究資料館(東京)の山本和明教授(近世文学)と現地調査を始めた。 香住区にある八坂神社