先日、業界外の人と雑談していて「IT業界も競争が激しいからいろいろ大変でしょう」と言われた。確かに競争が激しくいろいろ大変なので「ええ、まあ、そうですね」と答えたのだが、その後の会話が妙にチグハグになってしまった。 後で考えてみると、「競争」という言葉のイメージが随分違っていたことが、くい違いの原因だったようだ。 私の解釈では、その人の言う「競争」とは「奪いあい」だ。つまり、パイの大きさはもう決まっていて、それにたくさんのアリさんが群がっているイメージ。誰がどれだけ取るかは、地位で決まる。 ここで殴りあいをしないのが文明というもので、その為には、「地位」というものをルールによって割り当てて、誰もがそれに従うことが必要である。 IT業界という若い業界では、「地位」を決めるルールが成熟してないから、その割り当ては文明化されておらず、殴りあいにはならないまでも、それをほうふつとさせるような暴力的