橋本幸士 Koji Hashimoto @hashimotostring 特集『シン・ウルトラマンの物理学』掲載号の日経サイエンスが発売になりました。プランクブレーンの物理学解説に加え、映画の裏話も満載です。超重元素スペシウム133研究序説も必読。ぜひお楽しみください。 #シンウルトラマン #日経サイエンス pic.twitter.com/i6CSPLcXR8 2022-08-25 19:40:00
垂直に置かれた細管中の気泡は、上昇することなく留まっているのは何故か、という科学者を100年間も悩ませてきたミステリーを、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の、学部学生が解明した。この成果は2019年12月2日、『Physical Review Fluids』誌に掲載された。 コップの中の水の気泡は、水面まで自由に浮かび上がる。そのメカニズムは基礎的な科学法則で簡単に説明できる。それに対し、細管の中の気泡は動かず、同じ場所に留まっている。物理学者は約1世紀前にこの現象を発見したが、同じ法則では説明できなかった。1960年代のある研究により、気泡と管の壁の間にできる液体の薄膜のために気泡が上昇しないという仮説が登場したが、これを完全に証明する試みはなされていなかった。 研究当時に学部生だったWassim Dhaouadi氏は、夏期の研究助手として研究室に加わり、世界で初めてこの薄膜を測定し、その
この記事についてこの記事は、データから物理法則を「発見」できる”AI Feynman”[1]の解説記事です。この手法の概要以下のようになります。 物理法則をデータから見つけるという研究。ポイントは、次元削減や無次元量へ分解、並進対称性で変数を除去する等によって問題を簡単にすること。Neural Neworkでデータのパターンを学習させ、validationデータで並進対称性等の仮説検証を行う。 問題設定ある物理現象に従うデータから物理法則を導くという問題設定を考えます。 物理法則とは何かというと、万有引力の法則のように質量等のシンボルで表せる等式のことです。データの中にある変数を使って、目的変数をうまく表現できるシンボル形式の数式を見つけます。 万有引力の法則例えば、2つの物体間での万有引力を表す数式を”発見”することを考えてみます。このときに使えるデータとしては、目的変数である万有引力の
選手が回転をかけて放った「ストーン」は、ゆっくりと曲がりながら裏に隠れた相手チームのストーンをはじき出す——。 冬季五輪などで話題になることが多い、「カーリング競技」のひとコマだ。 実はこの9月、カーリング競技において100年近く謎のままとなっていた「ストーンが曲がる理由」が、立教大学の物理学者・村田次郎教授によって明らかにされた。 ただ、村田教授はなにも「カーリング研究の第一人者」というわけではない。いつもは「宇宙には私たちがまだ知らない異次元(余剰次元)があるかもしれない」という一見突拍子もない仮説に挑む物理学者だ。 なぜ、余剰次元の研究をする物理学者が、カーリングの謎に挑むことになったのか。カーリングと宇宙の余剰次元をつなぐ実験について、村田教授に話を聞いた。
フェイスブックがVR内テキスト入力の研究内容を公開、物理キーボードと近い水準に フェイスブックのAR/VR部門Facebook Reality Labs(FRL)は、物理的なキーボードを使わずに、AR/VRでテキスト入力を行うためのハンドトラッキングの研究内容を公開しました。マーカー付き手袋を使用しているものの、入力精度は物理キーボードの水準に近い数値となっています。 マーカー付き手袋とOculus Questのカメラで手指の動きを追跡 今回FRLが公開したのは、AR/VR空間上での操作の中でもっともフラストレーションがたまりやすい「文字入力」に関するもの。新たなハンドトラッキング方式では、マーカーを取り付けた手袋をOculus Questの内蔵カメラで追跡し、机などの平面上で文字入力ができるようになっています。 フェイスブックは研究がまだ初期段階であることを述べつつも、「新方式では高速タ
2020年2月7日23時、AMDは第3世代Threadripperのフラッグシップモデル「Ryzen Threadripper 3990X」の販売を解禁した(本邦では8日11時販売解禁)。7nmプロセスのチップレット(CCD)と12nmプロセスのIOダイ(cIOD)の組み合わせでCPUを構成できるZen2アーキテクチャーの登場により、AMDのCPUはこれまでにないスケーラビリティーを持つに至った。 今回のThreadripper 3990Xはそのスケーラビリティーをフルに活かし、自作PC市場向けのCPUとしては未曾有の64コア(C)/128スレッド(T)という強烈な並列度を武器にしたCPUである。昨年終盤に登場したThreadripper 3970Xの2倍のコア数(8コアのCCDを8基搭載)を備えた、超メニーコアCPUである。ライバルであるインテルが1ソケット28コアの壁を突破できずにいる
クビを言い渡された社員がほかの社員をぶっ飛ばして強制解雇していく『Stick It To The Stick Man』が無料で配信中。コンボを作って戦っていく物理演算ベースの格闘アクションゲーム 物理演算がベースとなっているステージでふにゃふにゃの棒人間が戦う格闘アクションゲーム『Stick It To The Stick Man』のプロトタイプ版がPC向けにitch.ioでリリースされた。「Name your own price」形式で、ユーザーが好きな価格をつけて購入あるいは無料で入手することができる。開発はゲームデザイナーのエバン・グリーンウッド氏率いるチームが担当している。 プレイヤーは会社の最下層でクビを言い渡された不真面目な社員。自分の解雇をなかったことにするために、シュリケンやレッドブル、パンチにキックなどのアーツ(必殺技)によって構成されたコンボを駆使して、ほかの社員を“解
立教大学は6月6日、「体重が重い人ほど滑り台を早く滑るのはなぜか」という、一見もっともらしいものの、物理学的には“自由落下の一様性”から見ると不思議な謎を、卒業研究のテーマとして探求し解明したことを発表した。 同成果は、立教大 理学部の村田次郎教授、同・塩田将基学部生(研究当時)らの研究チームによるもの。詳細は、日本物理教育学会の刊行する物理全般を扱う公式学術誌「物理教育」に掲載され、査読前プレプリントが「Jxiv」で公開されている。 もし空気抵抗がなければ、物体を落下させると、羽毛のように軽いものであれ、鉄球のように重いものであれ、「自由落下の一様性」により同じ時間をかけて地面に落下する。この性質は、ガリレオ・ガリレイが行ったピサの斜塔での実験でも知られている。 自由落下の一様性。重いものも軽いものも、同じ加速度で落下する。慣性の大きさも重力も質量に比例するためだ。摩擦のある斜面を滑る時
Steamにて11月9日から無料配信中の『超将棋』。同作は、一発ネタのように見えるかもしれないが、対戦ゲームとしての奥深さも備えており、3D駒台穴熊や超カタパルトなどいくつかの戦術が発見されている。本稿では、盤上で繰り広げられている、駒が縦横無尽に飛び交う様子の一端をお伝えしよう。なお本稿には『超将棋』の具体的なテクニックなどが掲載されている。事前知識なしでプレイしたい場合には、注意してほしい。 『超将棋』は、国内の学生であるT.Okawa氏が開発した、駒を弾いて落とす対戦型のゲームだ。名前のとおり、本作のベースには「将棋」のルールがある。将棋の駒と盤を使用しており、一定条件下で駒の所有権が移ることなど、ある程度将棋のルールに則っている。ただし、本作では物理演算を採用し、駒の動く量はチャージとタイミングによって決定。弾いた駒をぶつけて、相手の王(玉)が盤上から落ちると勝利になる。将棋とは異
セキュリティトークンメーカーのYubicoが開発・製造する「YubiKey」は、セキュアな2段階認証が簡単に導入できる物理デバイスです。そんなYubiKeyのラインナップに、ついに指紋による生体認証が可能なタイプが追加されることが、Microsoft主催のカンファレンスであるMicrosoft Igniteで判明しました。 Yubico Reveals First Biometric YubiKey at Microsoft Ignite | Yubico https://www.yubico.com/2019/11/yubico-reveals-first-biometric-yubikey-at-microsoft-ignite/ Yubico Unveils Security Key With Built-In Fingerprint Reader | News & Opinion
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小谷太郎『物理の4大定数 宇宙を支配するc、G、e、h』 幻冬舎plusで立ち読み・購入 Amazon 楽天ブックス 紀伊國屋書店 セブンネット 光速c、重力定数G、電子の電荷の大きさe、プランク定数h。これらの基礎物理定数は日常から宇宙までを支配する法則が数値となったものだ。我々はふだん物理定数など意識せずに暮らしているが、この値が違えば太陽はブラック・ホールと化し、人類は地球にいられず火星に住むハメになり、宇宙の姿は激変する。本書では人類がいかにして4大物理定数を発見したか、そのことでどんな宇宙の謎が解け、またどんな謎が新たに出現したかを解説。相対性理論、宇宙の構造、素粒子や量子力学までわかる画期的な書! 幻冬舎plusで立ち読み・購入 Amazon 楽天ブックス 紀伊國屋書店 セブンネット 小谷太郎『宇宙はどこまでわかっているのか』 幻冬舎plusで立ち読み・購入 Amazon 楽天
宇宙物理学においてさまざまな功績を修めた権威、ロジャー・ペンローズ氏は「ブラックホールの形成が一般相対性理論の裏付けとなること」を明らかにして2020年のノーベル物理学賞を受賞したほか、ペンローズの三角形・ペンローズの階段のような不可能図形の考案でも知られる人物。ペンローズ氏は「ビッグバン以前にも別の宇宙が存在し、今でも観測することができます」と語っています。 An earlier universe existed before the Big Bang, and can still be observed today, says Nobel winner https://news.yahoo.com/earlier-universe-existed-big-bang-174323840.html ビッグバンは宇宙の始まりのように捉えられていますが、ビッグバンが発生する前にも別の宇宙が存在
大阪大学の藤井啓祐教授は、量子コンピューター研究におけるトップランナーの1人。今回は特別に、量子コンピューターの過去現在未来を私たちにもわかりやすく解説していただいた 〈後編はこちら〉 あのGoogle論文を査読した日本人教授に聞く 2019年10月、「量子超越性を達成した」というGoogleの発表は世界に大センセーションを巻き起こした。量子超越性とは、現在のスーパーコンピューターでは長時間かかる計算を、量子コンピューターを使えば遙かに速く実行できることを意味する。Googleは、同社製の53量子ビットの量子コンピューターを使い、現時点で最速のスーパーコンピューターを使っても解くのに1万年かかる問題を、10億倍速い200秒で解くことに成功した。 この発表は、大きな話題となり、比較対象のスーパーコンピューターを開発したIBMから2次記憶も利用するなどで2.5日でシミュレーションできるといった
世界中の物理学者が追い求める「万物の理論」に、幾何学の力で迫る。| UTOKYO VOICES 076 大栗が科学監修を務めた映画『9次元からきた男』には、トーエ(ToE)という名の謎めいた人物が登場する。ふらりと姿を現したかと思えば、つかまえようとする科学者たちの手をすり抜け、人間が知覚できない別の次元に移動してしまう。その度にわずかな手がかりを残しながら。 ToEは、Theory of Everything(万物の理論)の頭文字でもある。自然界のすべての現象を説明できる法則のことだ。映画の中だけでなく、現実世界の物理学者たちにとってもToEは憧れてやまない聖杯。大栗自身も、ToEを探し求める一人である。 探し方にはいくつか方法がある。万物を極限まで分解し、ミクロの視点で素粒子の実体を探る量子論からのアプローチ。あるいは対照的に、マクロな視点で、宇宙のはじまりやブラックホールといった重力
その人が書く本は、世界中の言語に翻訳され、物理学関連の書籍としては「異例の」売り上げを記録している。新著『ホワイトホール』(未邦訳)もそんな異例の一冊になるのだろうか。仏誌「ロプス」に掲載された、その人、理論物理学者カルロ・ロヴェッリへのインタビューを読めば、邦訳版の発売が待ち遠しくなってくる。 才気あふれる物理学者とは、カルロ・ロヴェッリのような人のことを言うのだろう。この人の本を読んだり、講義を聴いたりすると、まるで天才がこちらにも感染したかのように、一瞬にしてすべてが明快になるのである。それはロヴェッリによる科学の解説が「俗受け」を狙ったものだからではない。むしろ、彼は思考の道筋を示し、対立する見解も紹介する。ときにはそういったことが人生においてどんな意味を持つのかについても語る。 ロヴェッリは、もともと理論家だった。「ループ量子重力理論」の提唱者の一人として知られる。ループ量子重力
「その研究は何の役に立つのか」「我々はなぜ心を持つのか」──。 こうした問いに、現在ベストセラー街道を激走中の好著『ディープラーニングと物理学』著者が真摯に向き合う特別エッセイをお届けします。 不思議だと思う心 化学物質の生態系への悪影響を『沈黙の春』という著作で発表し有名になった生物学者に、レイチェル・カーソンという女性がいますが、彼女の執筆した別の著作に『センス・オブ・ワンダー』という短いエッセイがあります。 この著作では自然界に見られるさまざまな物や現象──花や苔、夜空の星々や唸る荒波など──を見たり触ったり聞いたりした時に感じる、ある種の安らぎや驚き、さらにはそこから生じる「不思議だと思う心」を総称し、センス・オブ・ワンダーと名付けています。 物理学や数学を勉強していると、しばしば「何のためにそんなことをするのか」という素朴な疑問を投げかけられることがあります。 この手の質問にうま
2016年のアメリカ大統領選挙では、民主党候補だったヒラリー・クリントン氏の選挙対策責任者を担当したジョン・ポデスタ氏のメールが流出するなどのサイバー攻撃が起きましたが、2020年のアメリカ大統領選ではこれまでのところ大規模なサイバー攻撃の被害は報告されていません。この理由についてアメリカのニュース専門放送局・CNBCは、「物理的なセキュリティキー」の採用が大きかったのではないかと述べています。 Physical security keys protected 2020 election campaigns against leaks https://www.cnbc.com/2020/12/23/physical-security-keys-protected-2016-election-campaigns-against-leaks.html 2016年、ロシアと関連があると推測される
株式会社グリッドは、エネルギー分野における「不確実な環境における深層強化学習による最適化」の開発に成功した。これは現在のAIにとって最大の課題のひとつとされている「フレーム問題」を解決する糸口になる、と言う。そして、その成果を、米国物理学協会が発刊する「Journal of Renewable and Sustainable Energy」に評価され、論文が掲載されたことを発表した。 この発見・開発をもとに、このAI技術を将来の電力需要や天候を予測しながら、365日分の効率的な電力の需給計画を算出することへの実用化を進める。同社はそれに合わせて、報道関係者向け説明会を開催した。 「不確実な環境」でも機能するAIの開発に成功 AIは過去のデータやパターンを学習し、画像を識別したり、将来を予測したりと、識別や認識技術を進化させた。今では将来の状況を踏まえて最善な選択をおこなう人間の意識決定に寄
by IQRemix Nintendo SwitchやPlayStation向けに登場するゲームの多くがパッケージ版とダウンロード版を同時発売しており、中にはダウンロード版のみを展開するゲームもあります。また、2020年に登場したPlayStation 5にはディスクドライブを搭載しないデジタル・エディションが用意されるなど、ゲーム市場全体で物理メディアに依存しないゲーム環境が整いつつあります。そんなゲーム市場における物理メディアのシェア状況について、海外メディアのArs Technicaがまとめています。 Physical console games are quickly becoming a relatively niche market | Ars Technica https://arstechnica.com/gaming/2022/02/fewer-and-fewer-con
埼玉大学は9月29日、脳のような高度かつ柔軟な情報処理を光の物理現象に担わせることで、ニューラルネットワークのような機械学習が可能となることを実証したと発表した。 同成果は、金沢大学 理工研究域機械工学系の砂田哲 准教授、埼玉大大学院 理工学研究科数理電子情報部門の内田淳史 教授、同・菅野円隆 助教らの共同研究チームによるもの。詳細は、米光学会誌「Optics Express」に掲載された。 近年、脳のように高度で柔軟で知的な情報処理が可能な高効率コンピュータの実現に向けた、革新的なコンピューティング技術の研究開発が世界各地で進められている。これまで、100万個の人工ニューロンを実装したニューラルネットワークなどが開発されて注目されているが、電子型デバイスとしての実装であることから、その処理速度やエネルギー効率の点で限界が指摘されている。 それに対し、最近になって期待が寄せられているのが、
現代社会において本が危険物と見なされることはめったにありませんが、実は一部の古書には危険な「毒」が含まれています。一体どのような古書に危険な毒が含まれているのかについて、イギリスのハル大学でサイエンスコミュニケーション教授を務めるマーク・ローチ氏が解説しています。 Many old books contain toxic chemicals – here’s how to spot them https://theconversation.com/many-old-books-contain-toxic-chemicals-heres-how-to-spot-them-228834 アメリカのヴィンタートゥール博物館・庭園・図書館やデラウェア大学は、「Poisonous Book Project(有毒本プロジェクト)」という共同研究プロジェクトに取り組んでいます。Poisonous Boo
現在、大ヒットを続けているクリストファー・ノーランの新作映画『TENET』。ノーランといえば、短期記憶を失う男が主人公のサスペンス『メメント』において、その卓越した構成力と演出で一躍映画界のスターとなった人物だ。その後の大型作品『インセプション』でも、ノーランは「映画と時間」の関係に挑み続けてきたことがわかる。そしていま、“時間逆行映画”を標榜する『TENET』が全国公開中だ。多くの人が「一度観ただけではわからない」と口々に語るこの映画、一体 スクリーン上では何が起きているのか? 本作に魅了された物理学者・橋本幸士が独自の視点で解説する。 世界興行収入が300億円を突破した(日本公開2020年9月の一ヶ月後)ことからも分かる、全世界の映画ファンを魅了している映画『TENET テネット(以下、TENET)』。一人の物理学者である僕も観て来た。一言でいえば、タイムリバーサル(時間逆行)を肉体で
大竹淑恵さん=理化学研究所(埼玉県和光市)の自室のデスクの前で 理化学研究所(理研)に勤める物理学者の大竹淑恵さんは、中性子(ニュートロン)という粒子を使って、橋や道路などのインフラの内部を「透視」する技術の開発をリードする研究者だ。自ら「遅咲き」という。30代後半から心身の不調に悩まされ、研究が軌道に乗ったのは50代に入ってから。60歳になって2度目の結婚に終止符を打ち、食生活を一新し、トレーニングにも励むようになった。これからも大好きな物理の研究を元気に続けたいからだ。今は仕事に、趣味に、充実した日々を送る。(聞き手・構成/科学ジャーナリスト・高橋真理子) 【写真】さすがリーダーの顔。勢ぞろいした理研中性子チーム >>【前編:「遅咲き」の女性物理学者62歳 「心身がガタガタだった」30代後半からの十数年を越えて挑んだ新しい分野】から続く * * * ――小型の中性子線装置をつくるプロ
錯視とは、現実とは違ったものとして知覚される目の錯覚だ。もし上のイラスト中央の穴が膨張するように見えたら、錯視である。米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、脳と現実世界とのミスマッチが起きるメカニズムのみならず、大胆な仮説を披露している。 慌てなくても大丈夫。 あなたが見ている穴は実際には動いていないし、膨張も拡大もしていない。この闇があなたを飲み込むことはない。 これは実際には静止画であり、私たちの脳と眼が世界をどんなふうに見ているかについて、多くのことを教えてくれる。5月30日に「フロンティアズ・イン・ヒューマン・ニューロサイエンス」誌に発表された研究では、心理学者が正常な視力を持つ男女50人を対象にこの錯視の実験を行い、赤外線アイ・トラッカーを使用して、錯視に対する反応が大きいほど、瞳孔拡張反応も強くなることを発見した。 さらに、人によっては──もしかしたらあなたも──この錯視を感じられ
「宇宙の果て」には一体何があるのか 「マルチバース」とは、単純に言えば、「我々が宇宙だと思っていたものが、宇宙のすべてではなかった」という話です。 ただ、その話をするには、そもそも我々が何を「宇宙だと思っていた」のかをはっきりさせなくてはいけません。このように言葉の意味をはっきりと定義するというのは、科学の話をするときにはとても大切なことです。 例えば宇宙をどんどん進んで行って、最後に「果て」みたいなものがあったとしましょう。そしてその先にはなにか緑色のゼリーみたいなものが広がっていたとします。これをもって、宇宙の果ての外側は「緑色のゼリーだった」と言うことはできるかもしれません。しかし、もしもその緑色のゼリーも含めて「宇宙」と呼ぶことにすれば、言葉の定義からして宇宙の「果て」も「外」もなくなってしまいます。 地球は広大な宇宙の中のちっぽけな存在 また、宇宙が複数、例えば2つ、3つあります
クイーンのギタリスト、ブライアン・メイさんが宇宙物理学者として小惑星「ベンヌ」の試料回収に尽力していたことがわかった/JMEnternational/Getty Images (CNN) 英ロックバンド、クイーンのギタリストとして知られるブライアン・メイさん(76)が、米航空宇宙局(NASA)による小惑星「ベンヌ」の試料回収に尽力していたことを明らかにした。 宇宙物理学者でもあるメイさんは、ベンヌの試料を採集したチームの一員だったことを誇りに思うと話している。 メイさんはNASAテレビで24日に放送された番組の中で、「こんにちは、NASAの皆さん、宇宙ファン、小惑星ファンの皆さん。クイーンのブライアン・メイです。と思われているでしょうが、同時に『オシリス・レックス』の一員であることを大変誇りに思います」と語った。 7年前に打ち上げられたNASAの探査機オシリス・レックスは、24日に地球に接
米カリフォルニア州ロサンゼルスの店舗に展示されたブラックベリーの4G対応スマートフォン(2012年6月28日撮影、資料写真)。(c)KEVORK DJANSEZIAN / GETTY IMAGES NORTH AMERICA / AFP 【8月20日 AFP】タッチスクリーンの登場でスマートフォン市場の王座から引きずり降ろされた物理キーボード採用端末「ブラックベリー(BlackBerry)」が、来年発売される第5世代(5G)移動通信網対応機種で復活を目指す。関係各社が18日、共同で発表した。 【関連記事】2014年発表時の最新スマホ端末 記者発表によると、米テキサス州拠点のオンワード・モビリティー(OnwardMobility)が、台湾の富士康科技集団(フォックスコン、Foxconn)の子会社と協力し、米グーグル(Google)のOS(基本ソフト)「アンドロイド(Android)」を搭載し
『アベンジャーズ』の核爆発シーンを物理学の専門家が見たら「10点中1点」の評価に © Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ 2012年のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画『アベンジャーズ』で、アイアンマン/トニー・スタークが核ミサイルを宇宙空間に持ち出して爆発させたのは、科学的に可能な描写なのか?映画のあらゆるシーンに対して専門家が“どれだけ現実的か”を語る米Insiderの企画に、『アベンジャーズ』が登場した。 解説を行うのは、ローレンス・リバモア国立研究所の核兵器物理学者グレッグ・スプリッグス。映画の核爆発シーン全7作を、専門家として評価した。 映画『アベンジャーズ』クライマックスとなるニューヨーク決戦では、アイアンマンが発射された核ミサイルを抱え、ワームホールを通じて宇宙空間に飛び出すと、チタウリ軍の母艦めがけ
たこ焼きはどこまで大きく作ることができるのか――。物理学者たちの研究成果を伝える論文がSNSで話題になっている。京都大学大学院理学研究科の橋本幸士教授と、理工系YouTubeチャンネル「ラムダ技術部」が共同で手掛けた。 J-CASTニュースは2023年8月16日、たこ焼き半径の上限に関する理論を提唱した橋本教授に、論文を公開した背景を取材した。 「たこ焼き関数という新しい概念」 あるX(旧ツイッター)ユーザーが8月8日、「こういう賢さの無駄遣いたまらない」などと紹介したことで話題になった。投稿は4500件のリポスト、1万1000件の「いいね」が寄せられるなど大きな反響があった。 「たこやき関数とかいうわけわからんもの作っちゃう天才好き」 「著者、京大理論物理というガチ中のガチの人だった」 「こういう論文好き ちゃんと理論と実験を交えて検証を行なってるところや、たこ焼き関数という新しい概念が
とある高専卒業生 @subarusatosi [1]須藤 靖『一般相対論入門』 nippyo.co.jp/shop/book/2551… 一般相対論のやさしい、けどちゃんとした教科書。 1冊目に良いかも知れない。 相対論の気持ちや意義についての解説が良い。「そもそも重力場を記述する微分方程式が具体的に書き下せること自体驚くべき」など。 9月に改訂版が出るらしい。 2019-08-11 18:21:57 とある高専卒業生 @subarusatosi [2]内山 龍雄『相対性理論』 iwanami.co.jp/book/b260769.h… 序文の、この本を読んで分からないなら、もはや相対論を諦めるべき、というので有名な本。 諦める必要はない。 この本は、相対論の1, 2冊目の教科書として良いと思う。 難易度は[1]と同程度で、次の[3]より低い。 2019-08-11 18:27:09 とあ
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