これまで2万本以上の記事を公開してきたデイリーポータルZ。読者はどの記事が好きで、どんな読み方をしているのだろうか? 毎回、あえて著名人に好きな記事を選んでもらう不遜な企画、今回は絵本作家、イラストレーターのヨシタケシンスケさんです。 (インタビュー・構成 林雄司 / 撮影・ 安藤昌教)
大阪生まれの大学院生。工作や漢字が好きです。ほら貝も吹けます。先日、教授から「あなたは何を目指しているのか分からん」と言われました。 前の記事:散歩のときお花を持つと心穏やかでいられる > 個人サイト 唐沢ジャンボリー 天心の 今も轟く 武勇伝 大学で 美術の歴史 学ぶ頃、天心の書 ひもとけば、 かくエピソード ふと見つけたり かくエピソード ふと見つけたり 天心の 頃にパソコン あるべくもなく、 原稿用紙に 手で書き込めり。 細切れの 下書きこそあれ 完全な バックアップは なしとぞ思ふ。 テーマ異なる 論文を 二週間にて 書き下ろす、かく離れ業 クラクラしけり。 あまりにも 胸騒ぎたる 武勇伝、「そらごとならん」と、思いきや 天心の 息子・一雄が 書きとめし 『父天心』(1939年、聖文閣)の 一節に、 「天心が ふた月かけて 書き上げし、卒論、名をば、「国家論」、妻との喧嘩が
変わった生き物や珍妙な風習など、気がついたら絶えてなくなってしまっていそうなものたちを愛す。アルコールより糖分が好き。 前の記事:高知の足摺海底館にはグッズがなかった。だから勝手に作る > 個人サイト 海底クラブ 不知火=デコポン デコポンとよく似た形の柑橘に「不知火(しらぬい)」というのがある。味もとてもよく似ているから「ほぼ同じものなのかな?」と思っていたのだが、調べたところなんと「ほぼ」どころかまったく同じものだそうである。 「デコポン」はJA熊本果実連が所有する商標なので、JA以外から出荷される場合は品種名の「不知火」を名乗るのだという。果物の世界でも大人の事情で名前が変わったりすることがあるのだな。 近所のスーパーで買ってきた。 緑色の保護ネットがよく似合う。今回はこいつの代わりにまわしをつけてやるのだ。 真横から見たところはこんな感じと。 果肉が詰まった本体はまん丸で、へたのと
1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー) 前の記事:ピコピコハンマーの正式名称は「ノックアウトハンマー」 > 個人サイト 右脳TV 「今の見ました!?」 「お冷研究家」を名乗るのは、ライターのつるたちかこさん。 飲食店や喫茶店のお冷を撮りためており、その数は1000杯近くにもなるという。その一部はInstagramにもアップされている。 スクロールしてもスクロールしてもお冷が出てくる、つるたさんのインスタ。 つるたさんとはイベントでご一緒したことがあって、雑談の中で「お冷を研究している」と聞いたのだけど、そのときは「お冷を……研究……?」と、オウム返しをするに留まったのだった。 だってお冷ってお冷でしょう? 水の入ったグラスでしょう? と不思議だった
1980年、東京生まれ。片手袋研究家。町中で見かける片方だけの手袋を研究し続けた結果、この世の中のことがすべて分からなくなってしまった。著書に『片手袋研究入門』(実業之日本社)。 前の記事:今こそみんなで語り合おう。就業中の眠気問題 > 個人サイト 片手袋大全 日本の食文化は持続可能なのだろうか? この記事を書いている石井です。 ビュッフェ。その響きを聞くだけで胸躍るものでございます。色鮮やかな前菜に各国の趣向を凝らした料理、シェフが切り分けてくれるローストビーフ。デザートも豊富に取り揃えられており、桃源郷とはこのことかと思ってしまいます。 しかしながら日本の食料自給率は低下する一方。不漁や不作のニュースも毎年のように聞かれるわけでございます。 私達の食文化は持続可能なものなのでしょうか?今回はSDGs的観点から、近い将来訪れるかもしれないビュッフェの形を具現化してみました。 品数の少ない
実家の裏山の山頂に埋め込まれていた標石は日本地図を作るための三角測量用に設置された、もっとも古い「一等三角点」のひとつであった。 「ほほう」となったのでこの三角点が頂点となって織りなす三角形、約30kmほどを歩いてみた。 1975年神奈川県生まれ。毒ライター。 普段は会社勤めをして生計をたてている。 有毒生物や街歩きが好き。つまり商店街とかが有毒生物で埋め尽くされれば一番ユートピア度が高いのではないだろうか。 最近バレンチノ収集を始めました。(動画インタビュー) 前の記事:フグの猛毒が「なんか消える」禁断のグルメ体験 > 個人サイト バレンチノ・エスノグラフィー 裏山の山頂にある四角い石、三角点とは 私の生まれ故郷、神奈川県厚木市西部のニュータウンの裏山としてそびえる鳶尾山(とびおさん)は近隣住民の初日の出鑑賞スポットである。 2010年1月1日の初日の出。みなさんお元気でせうか。 標高は
紅茶の「ティーバッグ」は直訳すると「お茶のかばん」である。 そう、つまり「かばん」なのだ。 大きいティーバッグをつくったら、日常使いできるいいかばんになるのではないか。 探しても売ってなかったので、自分でつくることにした。 お茶かばん ずっと「ティーパック」と思って生きてきたが、正しくは「ティーバッグ」らしい。英語で書くと「Tea Bag」。つまり、 シンプルにお茶のかばんという意味である。めちゃくちゃ分かりやすい。 もしかしたら「お茶かばん」という名で浸透する世界線もあったのかもしれない。絶対にかばんとしてグッズ化されるだろう。 しかし、ティーパックかティーバッグかすらあやふやな感じで日本に広まってしまったので、かばんのグッズは一度も見たことない。あったら絶対かわいいのに……!!ちょっと透けてて、中に入れてるポーチとかも見えるし。 定期的に透け素材が流行る時代の周期があるが、いまだにティ
以前、当サイトで取材した野ばら社が出版していた『児童年鑑』。 子供向けの統計年鑑だが、そこに掲載されている絵地図がめちゃくちゃよいので、紹介したい。 『児童年鑑』の絵地図とは 野ばら社に限らず、戦前から戦後の一時期までは、各出版社が「年鑑」という書籍を毎年発行していた。 なかでも野ばら社の『児童年鑑』はかなりの人気があり、野ばら社の経営を支えたといわれる。 筆者所有の野ばら社の児童向け年鑑 その児童向け年鑑の中に、各地の特産品や名物名所などを書き込んだカラーベージの絵地図があるのだが、ぼくはこの絵地図が大好きで、以前も記事内でいくつか紹介した。 こんな感じの絵地図が地域ごとに掲載されている この、児童年鑑の絵地図だが、野ばら社は現在、絵地図の部分だけを復刻して印刷し、イベントや通販で販売している。 先日行われたイベントで、そのなかのいくつかを購入したのだが、どれもめちゃくちゃおもしろい。
書類の一部だけを照らす光 NHKスペシャルで、書類にこんなふうに光が当たっているのをよく見る。 「NHK 大川原化工機」の Google 画像検索結果のキャプチャ NHKが手に入れた書類にスポットライトを当てて、重要な行や単語だけを分かりやすいようにするのが典型だ。その他、暗闇の中に書類そのものをぼんやりと浮かびあがらせるやり方もある。 これを真似したいなあと思っていた。「盆踊り大会のお知らせ」のようななんでもない文書でも、こうやって照らせばなにか重大な資料みたいに見えないだろうか。 どうやって照らすか しかし問題がひとつある。これそもそもどうやって光を当ててるんだろうか。まずはシンプルに、書類に帯状に光を当てるやり方を試してみたい。 そのためにこんな方法を考えてみた。 照らしたい紙の上に透明の板を浮かべ、そこに光のスキマを作るための紙を置いて、全体を上から照らすのだ。 スマホのライトで照
デイリーポータルZのライター、関係者が愛読している本を語ります。 今回はライターのスズキナオさん。レコメンドは「幻の麺料理: 再現100品」(青弓社) 聞き手はパリッコ、石川です。 ではスズキナオさん、お願いします。 スズキナオ: 魚柄仁之助さんっていう、食文化を研究してる方の本です。日本食の歴史みたいな、先前戦後の食文化の変遷とかに特に詳しい方です。 まず表紙のこれがおいしそうでしょ。 「幻の麺料理: 再現100品」魚柄 仁之助 (著)、青弓社 表紙(以下、引用は全て同書) パリッコ: 「食べられることの喜び」みたいな写真。 石川: ははは。この写真はなんなんですか。 スズキナオ: この本は戦前戦後の婦人雑誌とかに、掲載されていた麺料理のレシピをひもといていって、その中で、ちょっと変わったものを再現したりしてる本なんです。 なので、そういう当時の写真の1つなんですかね。 そもそも、いまの
1987年兵庫生まれ。会社員のかたわら、むだなものを作る活動をしています。難しい名字のせいで、家族が偽名で飲食店の予約をするのが悩みです。(動画インタビュー) 前の記事:子どもの三つ編みを1ヶ月練習してわかったこと > 個人サイト むだな ものを つくる イケアの商品名が難しい 安く、おしゃれで、組み立ての最後の方はねじを頑張って打ち込む必要のある家具といえばイケアである。 僕が最も訪れている船橋のイケア。ところで最寄りの南船橋駅はあと300メートルくらいイケアとららぽーと側に移動しないかな。 家具やインテリア雑貨など、様々な商品が売られている。 イケアに馴染みのない読者もいると思うので、商品名がどのようなものか紹介したい。 ラーネスンドという商品は本棚。 トルクニングはハンギングバスケットの商品。 ……商品名が難しすぎやしないか。今もラースネンドと間違えてタイプして、修正したところだ。
変わった生き物や珍妙な風習など、気がついたら絶えてなくなってしまっていそうなものたちを愛す。アルコールより糖分が好き。 前の記事:千里ニュータウン・桃山台3丁目の公園のモチーフ選択が謎 > 個人サイト 海底クラブ 足摺海底館には交通の不便をおして見に行くだけの価値がある 漫画家のpanpanya氏の本に「足摺り水族館」というのがあるのだが、私はこれを読んで足摺海底館なるものの存在を知った。知って、どうしても行ってみたくなった。panpanya氏の漫画は現実と夢のあわいのような部分を丁寧に描き込んだ作風が魅力なのだが、登場する建物が実在するなら、そこは現実にぽっかり口を開けた夢の入り口であるような気がした。 調べてみると足摺海底館は高知県・足摺岬の付け根のあたりにあって、関西からアクセスするには丸一日くらいかかるということが分かった。でもそんなことは関係なかった。高速バスで四万十まで行き、一
一般人が生み出せる国境 立ち入り禁止の場所を見かけるたび、「入ってみたいな……」と思っていた。 確実に入れるガバガバのセキュリティ 特に何の変哲もない場所でも、立ち入り禁止にされるとちょっとミステリアスな雰囲気をまとう。あそこに入ったら背徳感があるだろうな。見つかったら怒られるので、もちろん入らないけど。 確実に入れるのに、紐と張り紙だけでこれだけ人の侵入を防げるのはすごいことだ。もはや独立した国のようにも思える。立ち入り禁止の紐は、一般人が生み出せる国境ではないか。 でも必要なのは立ち入り禁止の紐だけ。私にも作れるはずだ。自分で作って自分で入れば、誰にも怒られないのではないか。 立ち入り禁止の場所をつくる まずAmazonで「KEEP OUT」と書かれたテープを買った。 粘着力はなく、スズランテープのような感じ このテープを使って立ち入り禁止にしていこう!! まずは一切立ち入り禁止ではな
メニューの写真はきれいな円になっているが、実際はかなり多種多様で一期一会なラインを観察することができる。作り手のクセやポリシー、その時のキッチンの状況などが表れるのだと思う。 いつ誰が作ってもおいしい料理ができるシステマチックな環境の中「コーンスープの上にかかってるやつ」にだけは『人間』を感じた。 この血の通ったランダム性に僕の一日を委ねたい。占ってもらおうじゃないか。行く先を。 何をするか説明します。まずお店でコーンスープを頼む。クリームのラインを読み取って、向いている方向に進む 向かった先の「コーンスープの上に生クリームがぐるっとかかっていそうな店」でまたコーンスープを頼み、次に進む方向を占う 3回移動して着いたお店が今日のラッキースポットです。くす玉とクラッカーで迎えられるでしょう
『ドラえもん』に出てくるのび太が通う「学校のうら山」のモデルはどこの山なのか。 漫画に出てきた学校のうら山の景色にすごく近いところがあるという話なので行ってみた。 『ドラえもん』に出てくるのび太の町はどこか? てんとう虫コミックス『ドラえもん』を、ボロボロになるまで繰り返し読んだぼくにとっては、『ドラえもん』の作中にたびたび登場する「学校のうら山」は、実家の裏にあった山よりもよく知っている。 実際に『ドラえもん』を読んでいて、のび太の町はどこにあるのか、モデルとなった町はどこにあるのか、というのは気になるところだろう。かくいう子供のころのぼくもそうだった。 のび太の町がどこにあるのかに関しては、てんとう虫コミックス(以下てんコミ)15巻『不幸の手紙同好会』で、スネ夫の住所が「東京都練馬区月見台すすきヶ原3-10-5」と出てくるので、のび太やスネ夫が住む町は練馬区だ。とよく言われている。 藤
ネズミのチュウ子さんから、一緒に子の権現、天龍寺に行きませんかというお誘いがきた。そのお寺には巨大わらじや、わらじの絵馬、わらじ守りなどがあり、化けわらじが行ったら妖力が高まるのではと思い誘ってくれたのだ。 お寺は山の上にあるので、行くなら登山をしなければならない。 化けわらじ、初の山登りに挑戦してみた。 チュウ子さんからのお誘い 私の日々のルーティンに「妖怪活動」があり、相棒化けわらじと共にいろんなところに出没している。 中野の夕暮れ。かなり妖怪フレンドリーな街だよ! チュウ子さんと化けわらじは、妖怪盆踊りというイベントで友達になった。そこからずっと妖怪とネズミの垣根を超えて仲良くしているのだ。 以前記事にもしたが、ネズミのチュウ子さんは普段小料理屋さんをしている。小動物サイズの小さくて美味しいごはんをつくってくれる素敵なお店なので是非行ってみてほしい ある日、チュウ子さんから子(ね)の
1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー 前の記事:寄せ書きを拡張する ブラックレターとは ブラックレター、こういうやつである。 オールドイングリッシュとかゴシックなどとも呼ばれる書体で、新聞やワインのラベルで使われている。ニューヨーク・タイムズのロゴとか。 この書体で書かれると黒い部分が多くなるのでブラックレターというらしい。 起源が12世紀にまで遡る歴史のある書体で、何も知らなくてもこれを見ると雰囲気がピリッとする。世界の秘密が書いてありそうだ。 個人的にはマンガ『DEATH NOTE』で、ブラックレターの「L」っていう文字をよく見ていた。スリリングな雰囲気を引き立てていたと思う。
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