持ち堪えるウクライナ軍 例えば開戦の少し前、米CSISのエミリー・ハーディングは、次のような戦争の想定シナリオを発表していた。ウクライナがNATOの支援を得られるかどうかを縦軸に、ロシアの侵攻規模がどのくらいのものとなるかを横軸に取ってマトリックス化したもので、NATOの支援が得られない場合には、ウクライナはロシアの支配を受け入れるしかない、というのがその基本想定である。 また、NATOの支援が得られた場合でも、ウクライナ軍が組織的な抵抗を行うことはほぼ不可能であって、軍隊をゲリラ部隊に改編して、NATO加盟国を後背地としながら反乱作戦(insurgency operation)を行うしかない、というのがハーディングの結論であった。(表1、Harding,2022.2.15.)。 ロシアの侵攻開始前後に米国が行った対ウクライナ軍事援助も、このような見立てに沿って行われたものであるように見え
1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。 上久保誠人のクリティカル・アナリティクス 国際関係、国内政治で起きているさまざまな出来事を、通説に捉われず批判的思考を持ち、人間の合理的行動や、その背景の歴史、文化、構造、慣習などさまざまな枠組を使い分析する。 バックナンバー一覧 先の世界大戦や東西冷戦を経て、人類は世界平和の重要性を学んだはずだった。だが現代では「国家」が再び国際社会の発展を阻害し、人々の生命と財産を奪いかねない存在になっている。いまだにロシアはウクライナへの侵攻を続け、中国は台湾への軍事侵攻を示唆している。ウクライナ紛争における「正義の味方」と思われがちなNATOですら、紛争を利用してロシアを弱体化さ
いまだ光明が見えないウクライナ情勢。この問題に対し、“ロシアの論理” からアプローチしているのが作家の佐藤優さんと副島隆彦さんだ。日本ではあまり報道されないロシア人の考え方とは――。全4回中の1回目。 ※本稿は佐藤優、副島隆彦著『欧米の謀略を打ち破り よみがえるロシア帝国』(ビジネス社)より抜粋、編集しました。 第2回:佐藤優「ロシアが勝っているのは明白だ! 」副島隆彦「プーチンは西側の”ゼレンスキー支援疲れ”を狙っている」 第3回:佐藤優「ロシアTV『悲しむウクライナ人は合成』…なぜ西側は報道しないのか」副島隆彦「私はプーチン頑張れ派」 第4回:佐藤優「情報分析からロシアが勝つと確信している」副島隆彦「プーチンがどんなに優秀で正しいか」 プーチンの目的はネオナチの一掃 佐藤:そもそも、なぜロシアがウクライナに侵攻したのか。その理由は簡単で、NATOの東方拡大への反対と、ウクライナ国内のロ
これ暇空氏は怒るかもしれないけど、イーロンマスク、ドナルド・J・トランプ、ウラジミール・プーチンと同じ側なのでロシアなんだよね。 まずコラボは次々とイラストやポスターを焼いて金を儲けてきた。しかもおときた議員がさんざんサポートして自分は国会議員にのし上がった(やめる気ゼロ) コラボの見方はマスコミ、警察官僚OB、たばこ、パチンコ、赤い羽根共同募金、G7レベルでしょう。 それにさらに税金をだまし取って着服している。寄付を自分で食う。 まさにウクライナのゼレンスキーと同じ。 しかもマスコミも味方。 左翼からは非難ごうごう。 なによりなべてるなんてウクライナ国旗をつけている。 そして何年物間表現規制に加担してきた。ドンバスの住民を虐殺してきたウクライナと同じ。平気でうそをつき、人をだまし、自分は被害者だと泣き喚く。 みちくゆく男性を性犯罪者と喚き散らす。まさにゼレンスキーがロシア系住民にやったこ
ロシア大統領府は、プーチン大統領がロシア正教のクリスマスにあわせて一時、停戦するよう国防相に命じたと発表しました。 ウクライナに対して、この期間は「停戦を宣言するよう求める」としていますが、ウクライナ側はロシアが占領地を去ることが条件だと強く反発しています。 ロシア大統領府は5日、プーチン大統領がロシア正教のクリスマスにあたる今月7日にあわせて、6日正午から8日午前0時まで(日本時間の6日午後6時から8日午前6時まで)の36時間は停戦するようショイグ国防相に命じたと発表しました。 そのうえで「ウクライナ側に停戦を宣言し、信者たちが礼拝に参列できるようにすることを求める」としています。 ゼレンスキー大統領 “一時停戦は態勢立て直しの口実” これに対して、ウクライナのゼレンスキー大統領は5日夜、新たに公開した動画で「ロシアはわれわれのドンバス地域での反転攻勢を少しでも食い止め、装備や兵士を輸送
大統領府が演説全文を公開した。ウクルインフォルムによる日本語訳は以下のとおり。 親愛なる米国民よ! 全州、全町、全コミュニティーで自由と正義を重んじる全ての人々よ! ウクライナ国民と同じように、全ての町、それぞれの家庭で、強くそれを大切にしている人たちよ。私の尊敬と感謝の言葉がアメリカの人たちの心に響くことを望んでいる。 副大統領、私は、あなたによるウクライナ支援の努力に感謝している。 議長、あなたは全面戦争の際のウクライナを勇敢に訪問された。ありがとう! この場にいられることは大きな光栄、特権である。 両党のキーウも訪れた親愛なる議員たちよ! そして、両党の、私は確信しているが、今後ウクライナを訪れる親愛なる議員たちよ! この場所や国中に居る、親愛なる私たちのディアスポラの代表者たちよ! 親愛なる記者たちよ! 私にとって、米議会を訪れ、あなた方、米国民皆に呼びかけられるのは光栄なことだ。
「解除不可能」ロシア・ハッカー犯罪集団のコンピューターウイルスはなぜ解除できたのか? サイバー攻撃を受けた徳島・半田病院、復旧の裏で起きていたこと【前編】 2021年10月、徳島県つるぎ町の町立半田病院が、ロシアを拠点とするハッカー犯罪集団からサイバー攻撃を受けた。身代金要求型の「ランサムウエア」と呼ばれるコンピューターウイルスによる攻撃で、電子カルテなどのデータが盗まれ暗号化されてしまい、病院機能がダウンした。ウイルスは高度な暗号技術が使われており、身代金を支払わないと「解除は不可能」とされる。病院は「身代金は支払わない」と表明し、東京都内のIT業者に調査とシステムの復旧を依頼、2カ月後には復旧して全診療科が再開した。解除不可能なウイルスは一体どのようにして解除できたのだろうか―。ハッカー犯罪集団、復旧を請け負ったIT業者らに取材を敢行し、その「謎」に迫った。(共同通信=角亮太) 未明に
ドローン攻撃後に残骸を調べる警察当局(14日、キーウ) Photographer : Sergei Supinsky / AFP / Getty Images 米国がウクライナに地対空ミサイルシステム「パトリオット」の提供を検討していることに関し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ウクライナ領内に配備される全てのパトリオットが攻撃対象になるだろうと述べた。 ペスコフ氏はパトリオットが標的になり得るかとの質問を受け、「当然だ」と回答。それ以上のコメントは避けた。ロシアのミサイル攻撃に対するウクライナの防衛強化が期待されるパトリオットの提供は、バイデン米大統領の最終的な承認待ちだ。 ロシアは14日朝、数週間ぶりに首都キーウへのドローン攻撃を仕掛けたと、同市の軍当局が明らかにした。ウクライナの送電事業者によれば、ロシアによるこれまでの攻撃で引き続き深刻な電力不足に悩まされている。 ウクライナ情勢
(CNN) ウクライナ空軍の報道担当者は2日、ロシア軍による首都キーウや州都などへのミサイルやドローン(無人機)攻撃が過去1週間ほぼ途絶えている珍しい状態が続いていると報告した。 大きな被害が生じたミサイル攻撃などは先月23日以降、記録されていないとした。同日には約70発の空中発射の巡航ミサイルがウクライナ全土の標的を襲っていた。 同報道担当者は地元テレビの取材に、ロシア軍がイランから調達した攻撃型ドローン「シャヘド」を使い尽くしたことが一因の可能性があると指摘。 注文して受け取っていた分を既に使い切ったとし、「追加分として1700機かそこらを新たに発注した懸念が出ている」とも述べた。 電力関連インフラへのミサイル攻撃などは激減しているものの、ウクライナの国営電力企業「ウクルエネルゴ」は損傷した施設の再稼働に苦労している。 首都があるキーウ州のクレバ知事は2日、州内での緊急停電は続いたと説
米首都ワシントンのホワイトハウスで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の写真の前で演説するジョー・バイデン大統領(2022年6月22日撮影)。(c)Drew Angerer / GETTY IMAGES NORTH AMERICA / Getty Images via AFP 【12月2日 AFP】ロシア大統領府は2日、ウクライナ侵攻をめぐり、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が本気で戦争終結を望むなら対話の用意があるとしたジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領の提案を拒否する意向を示した。 大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は記者会見で、「バイデン大統領は実際、何と言ったのか。同大統領は、プーチン氏がウクライナから撤退すれば交渉が可能になると発言した」と述べた上で、ロシアにこの条件を受け入れる用意など「あるはずがない」と
“タイパ”って聞いたことありますか? タイム・パフォーマンスの略で“タイパ” 限られた時間をできる限り効率的に使おうとする動きです。 コロナ禍に大学時代を過ごしたディレクター2年目の私(三宅)も授業は倍速、動画も数十秒に短くまとめた切り抜き動画ばかり見ていました。 気付けば無意識に“タイパ”を追い求めていたんです... (タイパ取材班 三宅響 鈴木有 金澤志江) 若い人たちは“タイパ”をどれくらい意識しているのか。 渋谷の街で尋ねてみました。 “タイパ”という言葉自体はあまり浸透していなかったものの、さまざまな方法で時間を短縮しているという声が... 「曲はサビしか聞きたくないので飛ばします。サビだけ覚えて知っておこう」《10代・男性》 「ドラマで好きな俳優が映っていない時は飛ばしちゃいます。重要じゃない所は10秒スキップを使います」《20代・女性》 「授業を2倍速にして見ます。空いた時間
ミサイルが着弾し2人が死亡したポーランド・プシェボドフで捜査に当たる警察(2022年11月16日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News 【AFP=時事】ロシア大統領府は16日、ポーランドでのミサイル着弾で、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領がロシアからのものである可能性は低いとの見解を示したことについて、「抑制された」対応だと称賛した。 【図解・写真】ミサイルが着弾したポーランド・プシェボドゥフの位置を示した地図、現場の写真 大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は記者会見で、「今回の件では、米国側の抑制された、よりプロフェッショナルな対応に注目すべきだ」と述べた。 ペスコフ氏は「ポーランドの出来事に関して、ロシアは無関係だ」と強調した。 ロシア国防省も、ポーランドでのミサイル着弾に関してロシアによる関与を否定。「残骸の写真は、ロシアの軍事専門家
ロシアがウクライナへのミサイル攻撃を続ける中、15日、NATO=北大西洋条約機構の加盟国であるポーランドはロシア製のミサイルが国内に落下し、2人が死亡したことを明らかにしました。ロシアによる軍事侵攻後、NATOの加盟国内で初めて犠牲者が出たことになり、緊張が高まっています。 ポーランドの外務省は日本時間の16日午前8時ごろ、声明を発表し「ロシア製のミサイルがポーランド領内に落下し2人が死亡した」と明らかにしました。 それによりますとミサイルは現地時間の15日午後3時40分ごろ、日本時間の15日夜11時40分ごろ、ウクライナとの国境に近いプシェボドフという村に落下したということです。 ロシア製のミサイルが落下した村はウクライナとのもっとも近い国境からおよそ6キロ離れています。 ポーランドはアメリカが主導するNATOの加盟国で、ことし2月のロシアによる軍事侵攻以降、NATOの加盟国内で初めて犠
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の建物に集まる迷彩服姿の人々=露西部サンクトペテルブルクで2022年11月4日、ロイター ウクライナ侵攻への参加が指摘されるロシアの民間軍事会社「ワグネル」の傭兵(ようへい)だったロシア人男性が「裏切り者」として殺害される様子という動画がインターネット上で出回っている。ロシアの在外・独立系メディア「メドゥーザ」などが13日、報じた。ウクライナ軍の反転攻勢でロシア側が守勢に回る中、私刑による組織内部や世論の引き締めといった狙いがあるとみられる。 この動画は、ワグネルと関係が深いとされるニュースサイト「グレーゾーン」が12日、通信アプリ「テレグラム」で「報復のハンマー」と題して公開した。頭部をハンマーで殴打されて殺されたとみられるこの男性は「エブゲニー・ヌージン」と自ら名乗っている。55歳というヌージン氏は、殺人罪で24年の禁錮刑判決を受けて露西部リャザン州の刑
結論から言うと、岡藤さんの言ってることは正しいです。 なぜかJSFさんが引用したロシア側プロパガンダ報道機関スプートニクを持ってきて批判してましたが、元はフィナンシャルタイムズのインタビュー記事です。 日本がロシア産燃料抜きに生き残ることは不可能=伊藤忠会長:スプートニク https://t.co/GJ6Y37NACH 日本のエネルギーのロシア依存度は高くなかった筈だが。伊藤忠が欧米から制裁を受ける可能性が出て来ましたね。 — JSF (@rockfish31) November 1, 2022 日本のロシア産エネルギーの依存度はパーセントとしてみると高くはないのは事実ですが、現況の円安下での貿易収支を考えるとこれ以上割高な資源調達に国富を浪費したくないのも間違いありませんので、岡藤さんの言ってることは資源貿易をやってる側からすれば共通認識です。というか、仮に4%のシェアしかないから要らん
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南部の陸上作戦は、地形(地表面の特性)の影響を大きく受ける。この地域には、大河川、半島の付け根には湖沼があって、それらが攻勢作戦を阻害する。 一方、その間に挟まれた平野部は、戦車などの機動が容易な平坦な地形だ。今後、ウクライナ軍がへルソンを奪還してドニエプル川を渡河すれば、その後、両軍は、半島に至る戦闘と半島内の戦闘になる。 この地域の戦いは、両国にとって戦争目的を達成するかどうかの戦いであり、軍事戦略的にも重大な価値があるものだ。 陸海空軍、ミサイル攻撃、大量破壊兵器まで投入して戦うほどの決戦の場になろう。 それゆえ、これまで見たことがないような戦闘が生起することになる可能性がある。 この戦いを予測するにあたって、 ①南部地域の地形的特性から軍部隊の攻防の流れを読む ②3つの地域の戦いの予想 ③南部で戦うロシア軍の実情 ④ウクライナ軍の戦い方 ⑤南部の戦いはこれまで見たことがない戦いにな
モスクワ赤の広場でウクライナ4州の併合を宣言して世界を敵に回したプーチン(9月30日、テレビ中継)REUTERS/REUTERS PHOTOGRAPHER <ウクライナを「非ナチ化」するための特別軍事作戦は、いつの間にか世界の「悪魔主義」との戦いへとロジックが変化、ロシア正教会もプーチンを「首席エクソシスト」に任命するなど危険な兆候が露わになってきた> ロシア正教会はこのほど、同国のウラジーミル・プーチン大統領を、悪魔祓いをする「首席エクソシスト」に任命した。 ロシア政府は、ウクライナへの軍事侵攻の目標を「再定義」しようとしているようだ。2月24日に「特別軍事作戦」としてウクライナへの侵攻を開始した時、プーチンはその目標をウクライナの「非ナチ化」だと述べていた。だがロシア政府の最高意思決定機関である安全保障会議は今、それを「脱サタン化」という言葉にすり変えつつある。 安全保障会議のアレクセ
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