前回のエントリーで書いた平川克美『「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ』は、とても説得力がある強力な本だった。著者の主張は、ほぼ納得できたのだが「消費をやめる生活」のサンプルとして、提示された著者自身の生活(住居、喫茶店、仕事場、銭湯を結んだ半径3km以内の生活)は、都会の下町にのみで可能なものに思えた。地方都市や過疎化が進む地方での「消費をやめる生活」のお手本も提示してほしかったが、そこまで「消費をやめる」に期待するのは無理だろうと、他のお手本になりそうな本を探していたが、なかなか見つからない。しかたなく、「里山資本主義」でも読み直そうかと思っていたところ、本書に偶然めぐりあった。長年、読書を続けていると、とてもラッキーな本との出会いを何度か経験しているが、本書もそのひとつ。書店ではなく、ふと時間つぶしに入った雑貨店で発見。目次をぱらぱらめくっただけで「これだっ!」という閃きが走った。さっ