ババヘラ伝説 作者:杉山 彰 無明舎出版 Amazon 春先になると、秋田では公道沿いにビーチパラソルが立ち並ぶ。カラフルな傘の下では、売り子が金属のヘラでコーンにアイスを盛り付ける。秋田の夏の風物詩として知られるこの路上アイスは、おもに中高年女性が販売していることから、いつのまにか「ババヘラ」の愛称がついた。この独特の語感、とぼけているのに妙なキレのある絶妙なネーミングは、一度耳にすると不思議と忘れられない。 しかしこれは高齢者に失礼な呼び名でもあるため、あまり大っぴらに言っていいものでもなく、NHKでは「ヘラアイス」の名で紹介された時期もある。2002年には「ババヘラ・アイス」が商標登録されたこともあり、ようやくこの独特な呼称は市民権を得ることになった。このころ、ロッテから「ババヘラ味のガム」が発売される可能性があり、急遽商標登録する必要に迫られたためだ。 ところで、なぜババヘラアイス