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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (37)

  • nix in desertis:2023年6月に行った美術館・博物館(ブルターニュ展2つ,マティス展)

    SOMPO美術館のブルターニュ展。偶然か作為かはわからないが(事情を知っている人がいればコメント欄でご教示いただけるとありがたい),2023年の6月に西美とSOMPO美術館でブルターニュ展がかぶった。ブルターニュはフランスの辺境で独自の文化を維持した地域であり,近代になって鉄道が通ると観光地として人気を博すことになった。そこには都会化し,過度に洗練化されたパリとは異なる,粗野で素朴で敬虔な人々と,波高く険しい断崖に代表される荒々しい風景が都会に疲れた人々を出迎えてくれるのであった……という説明だけで気づく人は気づくところで,数々の絵画を鑑賞して感じたのは,どう考えてもこれは身近なオリエンタリズムである。しかも距離が近すぎるがゆえに当事者たちが気づきにくいたぐいの。とするとそこを批評するのが展覧会の役目なのではないかと思うのだが,どちらの企画展もその方向性での批評性は高かったとは言いがたい。

    mahal
    mahal 2023/08/12
    「異郷」成立の背景次第で、宗教的な色合いが強いスペインのコンポステラや、逆に昭和産業的スプロール化を経た本朝の軽井沢とか様々な実装は発生するけど、その中で「芸術と習合した」意義は掘り下げられて良いかも
  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大)

    今年も無事に公開に至ることができた。3巻が好評発売中なので,過去の年度,特に早慶・国公立以外を見たい方はぜひお買い求めください(初手宣伝)。 <収録の基準と分類> 基準は例年と同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作問者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用

    mahal
    mahal 2023/03/17
    どうでもいいけど、ワイ中学くらいの時に南海にナイマンって外人選手がいて、世界史でナイマンって見て「なんだよその南海の外人」って即ツッコミしたことはメチャ記憶に残っている
  • nix in desertis:上智大神学部の〔学部独自試験〕入試問題を解いてみた

    受験世界史の企画をお読みの方はご存じの通り,上智大は2020年を最後に一般入試の大部分で地歴公民科目の入試をやめて,共通テストと学部・学科別の独自試験で合否を決める制度となった。とはいえ上智大は学部・学科が非常に多いので気でこれを実施するのかと半信半疑でいたのだが,2021年の赤を見るに,当に実施したので驚いた。しかも1つ1つがけっこう作り込まれていて,なかなか面白かった。たとえば文学部ドイツ文学科であれば,高校世界史の範囲のドイツ史とドイツ文化について論じた現代文の問題が組み合わされたようなもので,これなら確かに意欲と適性をちゃんと測れると思われた。やればできるのになぜ去年までやってなかったのか。 となるとやはり気になるのは神学部である。神学部で学ぶ意欲と適性を測る独自試験ってどうなるのか。募集要項には「キリスト教と聖書の基礎に関する理解力と思考力を問う試験」としか説明が無かった。

    mahal
    mahal 2021/12/04
    「カルトQ・カトリック編」といった趣のある出題やな(世界宗教をカルト呼ばわりするな)
  • nix in desertis:高校世界史における中世・近世の「琉球王国」問題

    久々の高校世界史深堀りシリーズ。先日Twitterでこんなアンケートを取った。回答してくれた方々はありがとうございます。 ちょっと気になるので,アンケートをとってみたい。知っている人は知識で,知らない人は調べずにイメージでお答えください。 琉球王国の最盛期はいつ?(最盛期の定義が曖昧ということであれば,万国津梁の鐘の作られた時期をお答えください) — DG-Law/稲田義智 (@nix_in_desertis) June 3, 2020 正解は万国津梁の鐘の制作年が1458年なので,一番上の「1429年〜16世紀前半」が正しい。実際に琉球王国の最盛期はこの時期であるというのが一般的な認識であろう。後述の理由から正解者は少ないだろうと思っていたのでそこはあまり驚きがなかったのだが,こんなに綺麗に解答が割れたのは予想外だった。琉球王国の盛衰については,Call of Histroryさんの次の

    mahal
    mahal 2020/06/13
    栄光の歴史は「衰亡史」として論じられねばならないって、ギボンさんが言ってた!
  • nix in desertis:2020受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国立大)

    日はセンター試験と国立大(全部名古屋大)。おまけは間に合わなかったので、別日に更新します。みどころはやはりセンター試験で,かなり真面目に論じているので是非とも読んで意見が欲しい。 1.センター試験・試験 世界史B <種別>出題ミスということになってしまった <問題>1 問5 下線部⑤に関連して(編註:支配体制),制度や政策について述べた文として正しいものを,次の①〜④のうちから一つ選べ。〔 5 〕 ① 魏で,屯田制が実施された。 ② ムガル帝国が,貴族に軍役と引き替えに土地を与えるプロノイア制が導入された。 ③ ベルンシュタインが,プロイセンで農奴解放を行った。 ④ ポルトガルで,アトリー政権が社会福祉制度を充実させた。 <解答解説> ②〜④はわかりやすく誤文。なお③はベルンシュタインがシュタインの誤りなのでダジャレである。①が正文=正解という普通の問題であったのだが,魏が三国時代の魏

    mahal
    mahal 2020/03/15
    んー、項1を批判するなら項4の批判が妥当しないようにも読める。例えば魏志倭人伝の引き写し的な記述は三国志以降の正史蛮夷伝に普通に出て来るけど、基本「古い方を尊重する」もんではあるでしょ、と思うと…
  • nix in desertis:2020受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

    日は早稲田大。見どころは22番の教育学部の問題と,30番の政経学部の問題。どちらも受験世界史に残る問題となったと思う,それぞれ違う意味で。 14.早稲田大 文化構想学部 <種別>難問 <問題>設問2 下線部B に関連し(編註:原人が現れ,アフリカ大陸の外へと拡散した),19世紀にジャワ島トリニールで化石人骨を発見した人物は誰か。次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙の所定欄にマークしなさい。 ア デュボワ   イ シーボルト   ウ ヘッケル   エ シュレーゲル <解答解説> 早稲田の文学部と文化構想学部は伝統的に古代オリエントと先史の出題が多く,ここ十年ほどは古代オリエントが続いていたが,2020年は先史が舞い戻った。シーボルトを削って3択からは絞れまい。正解はアのデュボワ。ヘッケルはドイツの生物学者で,海産の無脊椎動物の研究で有名らしい。シュレーゲルは有名人が多いのだが,シーボ

    mahal
    mahal 2020/03/14
    現代だと割と「ノーフォークノウホウ」って大真面目に書く子が多そうw。イギリスの件は、ボリスがあんなうまくやるってことを素で読み損ねたのかなぁ、みたいな思いも
  • nix in desertis:2020受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(上智大・慶應大)

    今年も無事に公開に至ることができた。協力してくれる方々に感謝を申し上げたい。今年は通常の校正者以外の手も借りないといけなくなるような問題もなく,比較的スムーズに進行した。 <収録の基準と分類> 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「

    mahal
    mahal 2020/03/13
    そもそも、大陸単位の地図出すなら、せめて土地のある程度の位置関係の記述のために主要河川描けばいいのに、それを嫌がるから「ガバガバな地点」とか「どっちとも取れる曖昧な2地点」が出るのでは定期
  • nix in desertis:豪栄道引退に寄せて

    豪栄道は大阪の寝屋川市出身だが,巨人ファンだそうで,どうしてそうなったのかはちょっと気になる。稀勢の里と同い年だが,稀勢の里が中卒で入門してはやばやと出世していったのに対し,豪栄道は埼玉栄高校に進学,高校横綱になるなど,アマチュア時代から名を馳せていた。全日相撲選手権大会が3位であったから,あと少しで史上初の「高卒幕下付出」であったし,現在の制度であれば余裕の三段目付出であった。そのため名の「澤井」も早くから注目していた人たちの間では通りが良く,四股名を得てからもしばらくは澤井と呼んでいた人も多かった。 2005年初場所で前相撲,2006年九州で新十両,2007年九月に新入幕でその場所11勝の敢闘賞,2008年九州で新小結であるから,出世はかなり早い。だが,そこから先が長かったのは稀勢の里と同じだった。エレベーターの状態を脱したのは2012年頃。その間に野球賭博問題により2010年の名

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    mahal 2020/02/01
    相撲って基本的にアメフトの1ダウンを勝負にしたような競技で、事前のプレイコールの重要度はそれと同様に高いと思うけど、そうした中で「出たとこ勝負」身上であそこまでやれた天才性は、顕彰さるべきものかも。
  • nix in desertis:『宇崎ちゃん』バッシング騒動についての雑感

    件についての議論の要点は,『宇崎ちゃんは遊びたい!』という作品を初見時にどう読解するか,という点にあると思っている。ある人が「ある程度この種の作品を見慣れている人たち(主にオタクと呼ばれるような)なら,仮に『宇崎ちゃん』という作品を全く知らなくても,この3巻の表紙を見たら,まあ大体『高木さん』とか『長瀞さん』とかの,あの系統の作品なんだなという想像がつく」と書いていて,それに完全に同意する。そう,文脈がわかる人には,乳袋表現はあくまでヒロインをかわいく見せる一つのテクニックでしかなく,そこが作品全体の主要ではないことに容易に察しがつくのである。(※) しかし,そうした文脈を読む力が一切ない人がこの絵を見たとして,これだけの解釈ができるかどうか考えてみると,まあ無理かろうなと思う。どう見ても絵の中央にやけに強調した胸が鎮座し,注射針が怖い男性を見下して煽っているかのようなセリフまで付いてい

    mahal
    mahal 2019/12/01
    本件、実は小藪のアレの類題で「まずは反射的な不快感の根源は表情に対してのもので、そこに付ける理屈としてアレコレひり出した」だけな気もする。その意味では表紙から選ぶなら1巻にすべきだったのかも
  • nix in desertis:『天気の子』感想・批評

    〈セカイ系としての『天気の子』〉 自分としては作がセカイ系であるかどうかとか,セカイ系の定義にはあまり興味がない。むしろ作の場合,人類が滅びるような障害を乗り越えられる程度の障害に縮小したところを評価したい。人類を滅ぼさんでもセカイ系はできるし,やってよいのだという意味合いでなら作をセカイ系の文脈で語るのは面白いと思う。もう,ヒロインとセカイのどちらかしか選べないという結末しかないのに我慢する必要はないのである。東京は部分的に水没したし,陽菜は晴れ女の能力を失った。それでも都民はたくましく生きている。 そもそも須賀の言う通り,陽菜が帰ってきたから雨が降り続いているなんて因果関係がはっきり証明されているわけではない。2人は降り続く雨を気に病まなくていい。まさに「大丈夫」なのだ。実は選択でさえないかもしれないという読み方を残している。読み方の選択の余地があり,選択を迫られているのはむしろ

    mahal
    mahal 2019/07/28
    新海さん散々「議論のあるもの」にしたいと言ってたらオタクに「ルート選択」呼ばわりされたお話の総括。/あと、「大丈夫」に関しては小説末尾を読むと「成長のしかたを見つけた」っぽさ的な滋味はあったかな
  • nix in desertis:世界史上の諸君主の出題頻度グレーディング:番外編・アメリカ大統領

    米帝の君主なので番外編ではないと言えなくもない(ぐるぐる目) 基準はこれまでと同様に以下の通り。 A:基礎知識。センター試験世界史B以上の入試を受けるなら知ってないとダメ。 B:国立二次・MARCH以上の私大を受けるなら必要。 B-:教科書に載っていて用語集頻度もそれなりに高いが,便宜上掲載されているという色彩が強く,実際には入試にはほとんど出ない。ネルウァが好例。 C:高校世界史範囲内・外のグレーゾーン。用語集頻度が低いか掲載されていないもの,または旧課程では範囲内だったもの等,早慶上智対策としてなら見るもの。 D:高校世界史範囲外だが,早慶上智でなら見たことがある。満点が欲しいなら覚えてもいい(が当然推奨しない)。 E:完全な高校世界史範囲外で,早慶上智ですら10年に1回未満のレベルでしか見たことがない。 視認性を高めるために,グレーディングのアルファベットに沿って☆を付した。Aなら6

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    mahal 2019/02/27
    大正義ジェラルド・フォード、史上唯一の「大統領選勝てなかったアメリカ大統領」の地味さは伊達ではない。
  • nix in desertis:世界史上の諸君主の出題頻度グレーディング:中国王朝編(五代〜清)

    五代から清まで。おまけとして中華民国以降。 基準はこれまでと同様に以下の通り。 A:基礎知識。センター試験世界史B以上の入試を受けるなら知ってないとダメ。 B:国立二次・MARCH以上の私大を受けるなら必要。 B-:教科書に載っていて用語集頻度もそれなりに高いが,便宜上掲載されているという色彩が強く,実際には入試にはほとんど出ない。ネルウァが好例。 C:高校世界史範囲内・外のグレーゾーン。用語集頻度が低いか掲載されていないもの,または旧課程では範囲内だったもの等,早慶上智対策としてなら見るもの。 D:高校世界史範囲外だが,早慶上智でなら見たことがある。満点が欲しいなら覚えてもいい(が当然推奨しない)。 E:完全な高校世界史範囲外で,早慶上智ですら10年に1回未満のレベルでしか見たことがない。 視認性を高めるために,グレーディングのアルファベットに沿って☆を付した。Aなら6個,Eなら1個であ

    mahal
    mahal 2019/02/11
    嘉慶帝のこの貧乏籤キャラ感…。ローマの五賢帝の後のヤツよりは余程有能なのにw>「人に一人会わなかったせいで世界史に名を残すことになるとは,本人も全く考えていなかっただろう」
  • nix in desertis:レジティミストとかカルリスタとか(以下略

    ・世間がもし30人の基地だったら → 南極地域観測隊に参加していた人による,よりもいの視聴記。実感がこもっているのがすばらしい。氷上ソフトボールは実在する! ・「宇宙よりも遠い場所」感想(めぐりあいクロニクル) → 私はよりもいを後追いで8月頃に見たのだけど,感想はこの記事と全く同じで(めぐっちゃんのあのエピソードが何となく苦手なところも含めて),自分で書く機会も逸しているのでこれを貼ってお茶を濁しておく。ほんと名作でしたね。12話のラストを筆頭に名シーン揃いで。これと『ゆるキャン△』と『りゅうおうのおしごと』が同時にやっていた2018年の冬アニメ,何かがおかしいのでは。 ・現代に生きるジャコバイト、対立教皇(Togetter) → 世界史オタク,ジャコバイトとかボナパルティストとかに弱すぎる説(実証するまでもない)。こんなのテンション上がらないほうが嘘でしょ。まさか薔薇戦争までさかのぼっ

    mahal
    mahal 2018/12/25
    徳川家達への総理拝命、現代だと似たパターンとしてブルガリアのサクスコブルクゴツキ氏の首相就任とかが近い事案?
  • nix in desertis:世界史上の諸君主の出題頻度グレーディング:ハプスブルク家編

    前回の続き。マクシミリアン以降のハプスブルク家を扱う。 基準はこれまでと同様に以下の通り。 A:基礎知識。センター試験世界史B以上の入試を受けるなら知ってないとダメ。 B:国立二次・MARCH以上の私大を受けるなら必要。 B-:教科書に載っていて用語集頻度もそれなりに高いが,便宜上掲載されているという色彩が強く,実際には入試にはほとんど出ない。ネルウァが好例。 C:高校世界史範囲内・外のグレーゾーン。用語集頻度が低いか掲載されていないもの,または旧課程では範囲内だったもの等,早慶上智対策としてなら見るもの。 D:高校世界史範囲外だが,早慶上智でなら見たことがある。満点が欲しいなら覚えてもいい(が当然推奨しない)。 E:完全な高校世界史範囲外で,早慶上智ですら10年に1回未満のレベルでしか見たことがない。 視認性を高めるために,グレーディングのアルファベットに沿って☆を付した。Aなら6個,E

    mahal
    mahal 2018/11/17
    詰まるとこ、学校歴史がいまだ「英雄史観」に近い「戦争と外交の強者を顕彰する」的な風潮から抜け出ないカルチャーが、「君主の歴史」においては根強いというお話なのかな
  • nix in desertis:「イタリアっぽい絵画」という概念

    ・足りない数百票、勝手に白票扱い 甲賀市、衆院選で不正(朝日新聞) → 結果が変わらんとしてもこれは民主主義のルールから言えば最悪な事件で,これが技術的な事情(あえてこう言う)で邦で起きたというのは衝撃的である。 → こんなのまともな教育を受けてきていたら民主主義の制度破壊になるというのはわかるはずで,よほど隠蔽しきれる自信が無いとやらないはずである。それが,おそらく実行者の一人か近い人が情報提供して発覚したというのは,さすがに良心が痛んだか。何から何までひどすぎる一件だが,最後の最後で救われた。 ・サイゼリヤ店内の絵画と、日人が感じる「イタリアっぽさ」の関係(Buzzfeed) → イタリア・ルネサンスの二大潮流というとフィレンツェとヴェネツィアだが,なぜだか日の美術教育ではフィレンツェだけが扱われる。その理由は記事中で書かれている通り。それがこうして「イタリアっぽい絵画」のチョイ

    mahal
    mahal 2018/07/17
    そもそもイタリア語がダンテ以降トスカーナ方言を標準にした辺り含めて、サイゼリヤや本朝の教育問題ってよりは、イタリアのある種の建国神話的な国家構造におけるルネサンス中部イタリアの基底性みたいなお話。
  • nix in desertis:白・青・金に輝くセーヴル

    サントリー美術館のセーヴル焼展に行ってきた。セーヴル焼はフランスが誇る高級磁器の製造所・ブランドであり,創立は1740年代になる。当時はまだマイセンが唯一磁器の焼成に成功していた時代で,ヨーロッパ文化の中心地フランスとしては,威信をかけてこれに対抗することになった。当時のフランスはマイセンのあるザクセン王国からの輸入が膨大になり,重商主義の観点から言えば非常に不都合な状況となっていた。マニュファクチュアで生産できる高級材の輸入代替化を図りつつ,やがては輸出産業に転換させるべく国内産業を保護するのは,重商主義の典型例である。このことは美術史だけを見ていると忘れがちであるが,当時の磁器は紛れもなく重商主義の急先鋒をなす重要な“産業”であった。展覧会,この辺りにも触れていたのは良いことであった。 こうして開業したセーヴル焼は,当初は軟質磁器(ボーンチャイナのような不完全な磁器)を作りつつ,マイ

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    mahal 2017/12/25
    そういや、ウィキペで拾ったこの画像だと( https://en.wikipedia.org/wiki/File%3AArth_tapestry2.jpg )、アルトリアさんの紋章スウェーデンと同じっぽいけど、この辺りはうっかり残存してしまった北欧の影響みたいなとこはあんだろか?
  • nix in desertis:中国麻雀を打ってみた感想

    友達中国麻雀(麻将,国際麻将)を打ってみたので,その感想。 中国麻雀のルールはWikipediaなりニコニコ大百科なりを参照にしてほしいが,日麻雀との違いを端的に言えば ・リーチがない。 ・ドラがない,というか王牌がない。(ただしドラに相当する物はある。日麻雀に比べて効力は弱いけど) ・フリテンがない。 ・い下がりという概念がなく,門前役も少ない(平和でさえ門前役ではない)。当然喰い替えも禁止にならないし,むしろ非常に重要な戦術になる。 ・ツモ上がりが非常に強い。簡単に言えばロン上がりの3倍近い点数がもらえる。 ・符がない代わりに,符も役扱いになる。カンチャンやペンチャンも役(一番安い1点役だけど)。なんと絶一門も1点役である。 ・符が役扱いになるように役の数が多い(日が約30種に対して約80種)。逆に言って,役が80種もあるからいって怯むことはない。 ・1翻縛りに代わって,

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    mahal 2016/06/04
    このルールだと咲さんが実質ラスボスで、玄さんが「そんなオカルトありえません」みたいな感じで挑む世界線の作品になりそう。
  • nix in desertis:最強横綱のプライドとラフプレー

    主役が頻繁に変わる場所であった。序盤は琴奨菊が綱取りの話題を引っ張り,彼の負けが込んだ中盤は稀勢の里が夢をもたせ,終盤は上位初挑戦で暴れまわった琴勇輝と地元の声援を一身に浴びた豪栄道と変遷した。しかし,終わってみると台風の目は白鵬であった。あまり良い意味ではないが。 まず,白鵬はやはり間違いなく衰えている。全盛期と比べてどうこうというより,昨年と比べても目に見えて,である。しかし,全盛期の頂点が極めて高かったのと,衰え方は緩やかであるので,まだ勝てている。そしてまだ勝てているからこそ,諦めきれずにいろいろやって,今場所のような振り切れたラフプレーに走ったところはあろう。ラフプレーなら勝率が上がるなら,やる。それが優勝に極めて貪欲な横綱,白鵬である。その現れが繰り返されるダメ押し,ほとんどエルボーな右のかち上げ(大砂嵐のがダメならあれもダメだ),極めつけが千秋楽の変化であろう。その試行錯誤の

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    mahal 2016/03/28
    来場所の勢と琴勇輝の関脇での戦いぶりは、今後の試金石になるのかも知れないし、そこ次第では今場所はそこへの伏線として振り返られるものになる…なんてことも考えたりはするかな。
  • nix in desertis:受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2016 その2(早稲田大)

    18.早稲田大 文化構想学部 <種別>難問 <問題>2 設問3 下線部Cの街道(編註:アッピア街道)は,ローマ市とどこを結んでいたか。次のア〜エのなかから該当するものを一つ選び,マーク解答用紙の所定欄にマークしなさい。 ア マッシリア  イ メディオラヌム  ウ ブルンディシウム  エ ビザンティウム <解答解説> アとエはすぐに誤りとわかるが,イとウは難しい。用語集の表記は「南イタリア」なのでヒントにならない。資料集などにはアッピア街道の図が載っていて,それを見るとタレントゥムは載っていることが多いが,終着点は載っていない。正解はウのブルンディシウム(現ブリンディシ)である。イのメディオラヌムがミラノの旧名と知っていれば消去法でたどり着くが,いずれにせよ範囲外。ただ,ブルンディシウムもメディオラヌムも予備校の早慶専願向けの授業では触れられることがあるので,普通に解答できた受験生もそこそこ

    mahal
    mahal 2016/03/13
    また合衆国史に関するチャチャだけど、36は、独立時のアメリカは常備軍を倫理的に是としてなかったってこと知ってれば(修正2条問題の根源の一つ)易問だけど、高校世界史ではそういうアプローチってないのかしらん。
  • nix in desertis:受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2016 その1(上智大・慶應大)

    今年の分もなんとか書き上がったので,お届けする。 ・収録の基準と分類 基準は例年とほぼ同じであるが,新課程になったので用語集の収録語・頻度が大きく変わった。その点は変更がある。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用語集』に頻度

    mahal
    mahal 2016/03/12
    米各州の編入年度は、それはそれで合衆国史の問題として成立するから「地理」と言い切れるかは微妙かなぁ。ネタニヤフはニクード付きでנְתָנְיָהוּで、ア行を現すTが付くから、「エフ」は無理筋か。