「結婚式のデモクラシー」、それは2019年2月に筆者が実際に執り行った結婚式のテーマであり、挙式披露宴当日に来賓に配布したステートメントのタイトルである。一般的な慣習からすれば、それは少し奇妙な結婚式だったかもしれない。 結婚式にこのようなテーマがあったり何らかの声明文が配られたりすることは、たしかにほとんど他に例を見ないことだが、筆者としては何も奇を衒(てら)ったつもりはなく、むしろ「私たちにとって普通の結婚式をしたかった」という一言に尽きるものであった。 それはまた、筆者が(そして筆者の夫も)専門とするフランス現代思想における「脱構築」の実践でもあったのである。ここでは、筆者らの結婚式の舞台裏についてお話しするとともに、この場合の「脱構築」の実践が何を意味しているのかについても明らかにしておきたい。 結婚式の準備で唖然… 2018年秋、筆者は博士論文を執筆しながら同時に結婚式の準備にも
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