旧制松本高校(長野県松本市)で学び、当時の様子を「どくとるマンボウ青春記」に記した作家の北杜夫さん(1927~2011年)の蔵書のうち一千冊近くが、同校を前身とする信州大(本部・松本市)に寄贈されることになった。北さんの長女でエッセイストの斎藤由佳さん=東京=が信大側に申し出た。信大は松本キャンパスにリニューアルする付属中央図書館に「北杜夫文庫」と名付けたコーナーを設け、学外の一般の人でも閲覧できるようにする方針だ。 斎藤さんによると、寄贈する蔵書は、東京都世田谷区の北さんの自宅で保管していた。北さんの小説「岩尾根にて」で45冊しか出版されなかった限定本や、旧制松高の先輩で親交が深かった作家の辻邦生さん(1925~99年)らが、自著の刊行時にサインして北さんに贈った本などがある。北さんが県内の山岳風景を描いたとみられる水彩画1点も含まれる。 近く発行される信大広報誌の対談企画が4月に行