金融庁や日本公認会計士協会などは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の急減を受け、企業がただちに工場や店舗の資産価値の切り下げを迫られないようにする方針だ。日本の会計基準では資産価値が取得時より大きく下がれば減損処理しなければならないが、企業や監査法人が柔軟に判断できるようにする。会計ルールの適用を弾力化することでコロナに伴う業績悪化を和らげる。金融庁は3日にも公認会計士協会や東京証券取引所
日本初の本格的「事業再生支援会社」として2005年、日本政策投資銀行などの出資により鳴り物入りで設立された「マイルストーンターンアラウンドマネジメント」(早瀬恵三社長)の再生事業が破綻の危機に直面している。 政投銀は政府100%出資の国策銀行。マイル社への出資だけでなくマイル社が手がける事業にも資金投入している。事業再生が失敗すれば、国民の財産が毀損されることになる。 舞台はマイル社が昨年3月から着手している山形県山形市の江戸時代から続く老舗百貨店「大沼」。独自入手した「中間期モニタリング報告」という資料によると、資金繰りの状況は、この2月末、約1億7500万円足りないと出ているのだ。大沼関係者が明かす。「『中間期モニタリング報告』は、昨年11月下旬に大沼に融資している銀行などが会議をした際の資料です。その後の努力により若干は改善していますが、大幅な資金ショートであることに変わりはない。関
山形県の老舗百貨店である大沼(山形市、長澤光洋社長)は27日、山形地裁に破産を申請した。東京商工リサーチによると負債総額は約25億円。約200人の従業員は同日付で解雇された。同社は山形県では日本百貨店協会に加盟する唯一の百貨店だった。 大沼は1700年に創業した全国屈指の老舗百貨店。酒田、米沢などにも店舗を構え、地元に根ざした百貨店として支持を集めてピーク時の1993年2月期には売上高196億円を誇っていた。だが、近年は大型のショッピングセンターに客が流出して19年2月期は約74億円にまで縮小していた。赤字が続いたことから2018年に投資ファンドであるマイルストーンターンアラウンドマネジメントが再建に乗り出したものの、内紛によって地元実業家に経営権が移るなど迷走していた。19年10月の消費増税による買い控えが打撃になり、資金繰りに行き詰まって今回の事態になった。
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官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」の北川直樹社長ら新経営陣が7月30日、都内で記者会見した。ファンドの非効率な運営が指摘されるなか、2013年の設立からこれまでの投資案件を再検証していると表明し、「より高い精度の投資を行う」と強調した。ただ、数値目標やめやすなどは明示しなかった。 同機構は計29件に約620億円を投じてきたが、18年3月期決算では39億円の純損失を計上。出資を終えた案件には、赤字を垂れ流して失敗した事業が含まれるなど、非効率な経営が問題視されている。 北川社長は民間では負えないリスクの高い案件に引き続き投資していくと強調。一方で「会社なので、損益バランスは重要だ」とし、今後は投資全体での平均の目標達成度を公表するとした。 官民ファンドを巡っては、会計検査院が今年4月に14ファンドの検査結果を公表。17年3月末時点で6ファンドが投資や融資をした金額に見
官民ファンドの産業革新機構を改組して今秋に立ち上げる新組織「産業革新投資機構」の初代社長に、三菱UFJフィナンシャル・グループ元副社長で金融庁参与を務める田中正明氏が就く。三菱を飛び出した田中氏の豪腕は銀行界で有名。経営不振企業の延命に手を貸してきたとも批判されてきた機構。社名通りに産業の革新へ手腕を発揮できるか。産業革新機構は2034年3月まで期限を延長する代わりに会社分割する。旧革新機構は
大手企業からの事業切り離しが当たり前になってきた。その多くは「非中核」事業。投資次第で成長の余地はある。成否のカギを握る条件は何か。3つのポイントが見えてきた。 (日経ビジネス2018年4月30日号より転載) 新年度が始まったばかりの4月5日。JR南武線の武蔵中原駅前にある福祉施設の大ホールには、数百人のビジネスパーソンが集まっていた。 開かれたのは、3月末に投資ファンド、ポラリス・キャピタル・グループに傘下入りした富士通の携帯電話事業の決起集会だ。登壇したポラリスの木村雄治社長は「永続的に成長するオンリーワン事業体を目指す」と宣言。さらに「魂がない計画では意味がない。成長戦略立案に積極的に参画してほしい」と従業員の奮起を促した。 2010年には東芝の携帯電話事業を買収、国内シェアで首位になったこともある富士通の携帯電話部門。だが、スマートフォン(スマホ)の爆発的な普及で米アップルなど海外
クールジャパン投資事業で44億円の損失 大々的に喧伝されてきたクールジャパン政策が迷走している。 日本の文化を海外に紹介し、マンガ・アニメ、食、ファッションなどの輸出を支援すると官民ファンドの産業革新機構が投資した事業が成果ゼロのまま次々に打ち切られ、その株式が民間企業に極めて廉価で売却されている。 中には20億円以上の「全損」案件もあり、税金の無駄遣いがはなはだしい。特に、2013年11月に鳴り物入りで設立された「海外需要開拓支援機構」(クールジャパン機構、東京都港区)のいくつもの投資事業案件が苦戦続きとなっている。 会計検査院は4月13日、アベノミクスの推進役として相次いでつくられた官民ファンドの投資損益調査結果を発表した。それによると、2017年3月末時点で全14のファンドの4割強にあたる6つのファンドが損失状態になっていることが判明した。 言うまでもなく、官民ファンドの財源の大半が
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