「とんでもないものが造られている」 愛媛県西条市で地元の人たちが口にしていた巨大な船が、2023年末、世界に向けて出航しました。25階建てのビルに相当する高さで全長は400メートル、積めるコンテナの数は2万4000個。世界最大級の「メガコンテナ船」です。 ここまで巨大な船を建造した背景には海事産業での世界の潮流、そして日本企業の危機感があります。 (松山放送局今治支局記者 木村京)
レイチェル・キューリンは自らを、信頼性が高く燃費のよいハイブリッド車を支持する何百万人というトヨタのロイヤルユーザーの1人と考えていた。ところが彼女は最近、自身が乗っていたトヨタ「プリウス」をシボレー「ボルト」に買い替えた。トヨタの電気自動車(EV)展開が遅すぎたためだ。 「トヨタファンの選択肢はどこにあるの?」。アリゾナ州メサに住むキューリンは「本当に悲しい」と言った。 一時は環境意識の高い自動車オーナーにとってナンバーワンのブランドだったトヨタは、消費者の嗜好の変化と気候変動の主要因である化石燃料の使用削減を推し進める各国政府の動きについていくことができていない。 巨大市場の米中でシェア低下が進行 トヨタと日本の自動車業界は今、1980年代に世界的な巨人となって以来、最大のビジネス課題に直面している。その対応によっては、トヨタと日本の自動車業界が世界トップの座にとどまれるか、あるいは「
先鋭化する大富豪の白人男性たち、警告する女性たち 2023.09.11 Updated by yomoyomo on September 11, 2023, 21:53 pm JST 「テックブロ(tech bro)」という言葉があります。IT業界で働く男性を指しますが、ケンブリッジ英英辞典によると、社交性に欠けるのに自身の能力を過信する米国の若い男性という含意もあるようです。 最近、この言葉が出てくる文章で気になったものがあるので、それらの紹介から始めたいと思います。 一つはダナ・ボイドの「メタバースは未だシカトさせていただきます」です。これはメタバースがテーマの新刊を送ってきた友人に対し、メタバースには一貫して興味がないと宣言する文章なのですが、彼女の拒否反応には理由があります。彼女は初期のバーチャルリアリティー(VR)の体験者であり、2014年にはVR体験の性差にフォーカスした「Oc
サンマ、サケ、スルメイカをはじめ、漁獲量の減少に関する報道が後を絶ちません。時折「前年よりも増加」などという報道もされますが、それはすでに、ものすごく減少した漁獲量に対してである場合がほとんどです。10~20年単位でみていくと大した増加ではなく、それどころか、ほぼ全魚種が減少を続ける傾向にあります。 「日本の漁獲量が減少している」という報道はされても、「世界全体では増加している」という報道を耳にした記憶がありません。そこで、日本と世界では漁獲量の傾向がまったく異なることをファクトベースで説明します。そしてどのような対策が必要なのかについてもお話しします。まずは「知る」ことが大切です。 実は世界では漁獲(生産)量が増加している
あの「ハーバード・ビジネス・レビュー」にも紹介された 高校時代に当時文部省派遣で米国に留学した同期に、スペイン大使、国連大使などを含めて複数の大使がいる。 数年前の同窓会で、「あれほど大騒ぎしていたソマリア沖の海賊が、いつの間にかいなくなったけど、それには『すしざんまい』の社長が関与していると聞いたが……」と話題になった。 その噂は、ハーバード・ビジネス・レビューが紹介してから、CNNやBBCも放映して、世界ではかなりの話題なのに日本では知られていないのはなぜかとなった。 サウジアラビアやイエメンなどがある砂漠の巨大なアラビア半島と、スーダン、エチオピア、ソマリアなどがあるアフリカ大陸の間にあるのが紅海である。 地中海からスエズ運河を通過して、南へ紅海を通り、ソマリア沖のアデン湾を抜けると広大なインド洋へと開ける。欧州とアジアを結ぶ海路の大動脈で、年間2万隻の商船が往来している。 その海域
現在TBS系列で放送されヒット中のドラマ「ドラゴン桜」。原作漫画『ドラゴン桜』『ドラゴン桜2』を、作者・三田紀房氏との二人三脚で成功に導いてきたのが、編集者で株式会社コルク代表の佐渡島庸平氏だ。三田作品のほかにも『宇宙兄弟』などの人気作を生みだしたあと講談社を退社し、日本のコンテンツビジネスを世界に通用するものとすべく、クリエイターのエージェンシー「コルク」を起業。最前線を走る佐渡島氏が、日本のコンテンツビジネスの現状と、その先に見据えるビジョンについて語った──。 「日本の漫画」は韓国・中国に惨敗した 漫画アプリ「ピッコマ」などを展開する韓国企業カカオエンターテインメントが、ニューヨーク市場での上場を計画しています。その際の企業評価額として、同社は約2兆円を見込んでいるとのこと。 日本で漫画を手がけている大手出版社と比べると、事業規模が文字通りひとケタ違う。この一事を見るだけでも、日本の
ここ数年、日本のシティ・ポップの海外人気が続いている。竹内まりや「Plastic Love」の再評価に端を発し、山下達郎や大貫妙子などの日本のポップスの名曲が世界各国の若い音楽ファンに受け入れられている。そんな話題を耳にしたことのある人もいるだろう。 が、コロナ禍以降の大きく変動する音楽シーンの中で、シティ・ポップのリバイバル・ブームも以前とは違う様相を呈するようになってきている。 少し前だったら「都内のレコードショップで70年代や80年代のアナログ盤を買い求める外国人観光客」の姿がブームの象徴として取り上げられることも多かった。しかし、今はTikTokで若い世代に発見された楽曲がSpotifyのバイラルチャートを駆け上がり、新たなアンセムとしてストリーミングサービスで人気を呼ぶ現象が生まれているのである。 その代表が、松原みきのデビュー曲「真夜中のドア〜stay with me」だ。19
ネットフリックスで、あるカテゴリーが急成長を遂げている──「アニメ」だ。 過去1年のあいだに、全世界で1億世帯以上がネットフリックスでアニメを視聴。世界100カ国以上の国と地域で、人気作品トップ10にアニメ作品がランクインした。日本でも、500万世帯にのぼる会員のおよそ半数が、1カ月でアニメを約5時間視聴しているという。 また、2020年2月には、「機動戦士ガンダム サンダーボルト」の太田垣康男氏や「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリ氏をはじめとした、人気アニメクリエーター6人との中長期的なパートナーシップを発表。さらに10月には、提携する大手アニメ制作会社を9社に拡大することで、日本発のオリジナル作品にも注力している。 そんな飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大するアニメ戦略を支えてきたのが、ネットフリックスアニメ部門・チーフプロデューサーの櫻井大樹だ。 アニメ制作会社を経て2017年にジョイン。当時
新型コロナウイルスの感染拡大で、世界各地で飲食店の閉鎖が相次ぎ、結婚式などのお祝いごとの機会も大幅に減りました。今、この影響がワイン業界を襲っています。専門の調査会社IWSRは、ことしの世界の酒類の消費量は去年より12%減少し、今後4年間は回復しないとみています。需要の急激な減少に直面する生産者たちの間では、せっかく育てたぶどうを泣く泣く廃棄する動きまで出てきました。(ヨハネスブルク支局長 別府正一郎 ヨーロッパ総局記者 古山彰子) 8月下旬、フランス北東部シャンパーニュ地方でぶどうの収穫が始まりました。 日本でも結婚式などのお祝いの場を中心になじみのあるシャンパンは、ここシャンパーニュ地方で生産された発泡ワインのみが名乗ることができます。 ことしは雨が少なく晴れた日が多かったことで、ぶどうは豊作。しかしよく見ると、収穫したあと、一部の房は地面に捨てられていました。 シャンパンの年間の売り
平成の間に日本の宗教人口大幅減 今、宗教の世界は大変なことになっている。 日本を含め、先進国においては、宗教は捨てられようとしている。信者が激減し、危機的な事態に陥っているのだ。 日本の宗教団体の信者数は、文化庁が公表している『宗教年鑑』に記載されている。これは、それぞれの宗教法人の報告した数をそのまま載せたもので、果たして実態を反映したものであるかどうかが問題にもなるのだが、そうした表向きの数字を見ただけでも、宗教が捨てられようとしている実態は十分に明らかになってくる。 平成の時代が終わり、今は令和の時代になっているが、およそ30年続いた平成のあいだの変化を見てみよう。 まず、『宗教年鑑』の昭和63年版、つまり昭和最後の数字を見てみると、神道系の信者の数は約9618万人だった。 それが、令和元年版では、約8009万人と1600万人以上減っている。総人口の1割以上が減ったことになる。 より
Netflixが25日、都内でアニメコンテンツの拡充に向けた新規施策に関する記者説明会を開催。新たなオリジナル企画・制作における取り組みとして、日本を代表するクリエイター6人(CLAMP、樹林伸氏、太田垣康男氏、乙一氏、冲方丁氏、ヤマザキマリ氏)とパートナーシップを結んだと発表した。ゲストとして人気漫画『魔法騎士レイアース』『カードキャプターさくら』などで知られる女性漫画家集団・CLAMPの大川七瀬氏、『金田一少年の事件簿』原作者の樹林氏が登壇し、今のアニメ業界の現状を伝えた。 【写真】その他の写真を見る 今回の説明会では、日本を拠点とするアニメの“クリエイティブ・ホーム”に迎え入れ、日本発のオリジナルアニメを強化し、世界190ヶ国配信していくことが発表。パートナーシップを発表した6人は、漫画家、小説家、映画監督など多様な分野で、世界的なアニメ人気に大きく貢献しているトップランナーで、Ne
平成30年間の後れを取り戻す。 日本の経営者に本気で頑張ってほしいのはまずそのことです。平成の経営者は大多数が何も手を打たずにきました。令和の新時代を迎えたのですから、もういい加減、何とかしなくてはいけません。 ビジネスの世界では、30年前に地球規模の“ゲームチェンジ”が起こりました。スポーツでいえば、昨日までは野球で戦っていたのに、今日からサッカーになるようなものです。 いきなりサッカーが始まって、日本企業はどうしたか。優秀な野球選手たちにサッカーをやらせました。世界トップクラスの野球選手は、輝かしい業績があるから簡単にクビを切れません。 たとえばジャイアンツの阿部慎之助を呼んできて、「野球では観客が呼べなくなった。世界はこれからサッカーの時代だ。わがチームは仲間を大切にするからクビは切らない。みんな運動神経もいいし、練習熱心だからサッカーで頑張ろう」とサッカーの練習を始めたようなもので
私は大学を休学してスタートアップを立ち上げました。AppleやGoogleやFacebookのような社会を変える会社を作りたいと思っていました。 そこではただ大学で過ごしているだけでは得られないたくさんの経験をすることもでき、会社を経営していって事業を成功させることの難しさを実感することができました。 しかし、ビジネスにどっぷり浸かってみて初めてわかったのは、これからの時代で世界を良くするためにはテクノロジーを理解し、活用し、自分で新しく作っていけることが非常に重要になっているということでした。 創業してからは常に「どうやって他社と差別化するか」を悩み続けていました。これは他の企業もやっているから勝てない、こっちの方に進出していく方がいいのではないか、という調子です。 しかし、ある時思ったのが「これは本当に社会を良くすることにつながっているのか?自分たちでなくても他人でもできるようなことを
世界で台頭 巨大ベンチャー「ユニコーン」勢力図 非上場にもかかわらず、企業価値が10億ドル(約1200億円)を突破する有望ベンチャー。めったに姿をみせないという意味合いを込め、伝説の生き物である「ユニコーン(一角獣)」と米国で呼ばれようになったのはこの1~2年だ。もっとも、既存の枠にとらわれないビジネスが次々と登場し、成長軌道に乗せる勢いも並外れになるなか、ユニコーンは必ずしも特別な存在でなくなりつつある。 グラフで探る ユニコーン141社と予備軍たち 米調査会社CBインサイツによると今年10月時点で、141社のユニコーンがグローバルに散らばる。企業価値の総額は、5000億ドル(約60兆円)に達した。 世界のユニコーンとその予備軍を、国・業種別に探せるようにしたのが次のグラフィックだ。ボタンで国を選んだり、プルダウンで業種を選んだりすると該当するベンチャーが現れる。円形のバブルチャートは企
一週間前に、作家である村上春樹氏のインタビューが「時代と歴史と物語と」と題して共同通信が配信いたします。 4500字を超える長文インタビューであります。 提携新聞各紙は、東京新聞(17日)、西日本新聞(19日)、神戸新聞(21日)など紙面掲載日はまちまちでありますが、大きく取り上げています。 (参考記事) 村上春樹さん、時代と歴史と物語を語る<上> 地下鉄サリン20年 http://www.47news.jp/localnews/hyogo/2015/04/post_20150421075128.html ※神戸新聞会員限定記事です。 さてこのインタビュー、ネットでも賛否両論大きな話題となっておりますが、当該箇所をご紹介。 まず、「村上さんほど、東アジアと日本の関係を考えて書き続ける作家はいない」との問いに「東アジア文化圏」は「すごく大きくて良質なマーケットになるはず」と答えています。 −
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