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クルーズ船での対応は失敗した ――日本政府は3月9日から、中国と韓国からの入国者に対する入国制限を強化し、2週間の検疫を開始しました。 流行している国からの入国を拒むというのは現段階でも有効だ。ただ、流行していない地域や、流行が終わりつつある地域からの入国も拒むのは有効性としてどうかと思う。現段階では、対象の国や地域に合理的な整合性がとれているのか、それとも政治的な思惑で入国制限が決まっているかが不明確だ。 例えば、感染者数の拡大が著しいイタリアを対象から外した判断は合理的なのか。一方で、検疫を全土に広げた中国での新規感染者は実は非常に減っている。武漢では依然として拡大が続いているが、北京や上海と比べれば日本のほうが感染者の増え方は多い。 中国と韓国からの入国者数にもよるが、2週間の検疫を行う施設があるのか。検疫を行うだけの人的リソースがあるのか、疑問が残る。 ――新型コロナウイルス対策が
センスではなくロジックが必要 ファッションやコーディネート、洋服選びに「正解」なんてない。感性が十人十色である以上、「正解」も人それぞれではないのか? そう思ったことはありませんか? しかしながら、答えはNOです。「正解」はあります。ファッションという文化が芽生えてから途方もない時間が流れるなかで、ファッションは成熟し体系化され、「おしゃれに見せる方法」が確立しています。 そんな方法は「ない」というのであれば、みんなが「あの人おしゃれだよね」という合意は成立しなくなります。感性は十人十色であり、受け取る人もそれぞれになります。 実は、「おしゃれにはセンスが必要」「ファッションは人それぞれ」「正解なんてない」といった「常識」は、少しずつ的外れなのです。私がこれまでの体験や考察から導き出した答えは、「おしゃれにはセンスではなくロジックが必要で、人それぞれでありながらも、みんなに『あの人はおしゃ
甥の山上徹也が安倍晋三元首相を銃撃した2022年7月8日の事件から、まもなく1年が経とうとしている。 事件後、私はマスコミ関係者に事件の背景を説明してきた。徹也の幼い頃に父親(私の弟)が自死したことや、徹也の母親が旧統一教会に多額の献金をしたことが原因で一家が破産したこと、さらには障害者だった徹也の兄が将来を悲観して自死したことをなどである。そうした事件の背景を説明することが伯父としての社会的責任だと考えたからだ。 徹也の捜査は終了し起訴されたことで、私は、自分の任務を終えたと考えている。ところが事件から1年という節目が近づいているからか、最近、再びマスコミ関係者が私のところにやってくるようになった。その一つひとつに対応するつもりはないため、以下、徹也に関することを記しておくことにした。 海水浴場で見せた笑顔 まずは彼の少年・青年時代に触れておきたい。 彼の父親が自死したのは1984年、徹
サンマ、サケ、スルメイカをはじめ、漁獲量の減少に関する報道が後を絶ちません。時折「前年よりも増加」などという報道もされますが、それはすでに、ものすごく減少した漁獲量に対してである場合がほとんどです。10~20年単位でみていくと大した増加ではなく、それどころか、ほぼ全魚種が減少を続ける傾向にあります。 「日本の漁獲量が減少している」という報道はされても、「世界全体では増加している」という報道を耳にした記憶がありません。そこで、日本と世界では漁獲量の傾向がまったく異なることをファクトベースで説明します。そしてどのような対策が必要なのかについてもお話しします。まずは「知る」ことが大切です。 実は世界では漁獲(生産)量が増加している
こちらの最新刊『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』は、そんなさるころさんが妊娠出産後、どんな風に家事育児をシェアしていったか、その試行錯誤を描いたエッセイ漫画です。 まさにタイトル通り!の現在に至ったさるころさん夫妻が、これまでに積み重ねてきた喧嘩と話し合いと工夫と改善のPDCAサイクル、とくとご覧ください。 ※この漫画には男性が理不尽に怒る描写があります。苦手な方はご注意下さい。 「キレ癖」を持つ夫
いくら能力があっても、ひとりの人間には限界があります。よほどのカリスマ性がないかぎり(僕にはない)、人は無条件にはついてきません。僕がやっている監督という仕事は、人の力をどれだけ引き出すかにかかっています。では、どうやってその能力を引き出すのか? そのコツのひとつは、「ウケる」です。 むやみに怒鳴りまくっていた、過去の僕 僕は「サラリーマンNEO」という番組の監督を務め、おかげさまでそこそこ人気番組になったのですが、その番組を始めた32歳の僕は、強烈なプレッシャーに駆られていました。 同期は局の顔的な番組であるNHKスペシャルなどを担当しているし、片や「サラリーマンNEO」は「これがNHKの番組?」と非難されること必至の番組です。だから、とにかく自分がリーダーシップをもって、現場を引っ張りまくることが必要だと、会議では自分の意見を押し通し、現場ではカメラマンを怒鳴りまくっていました。 殺伐
このプログラムは、小・中・高校生に向けた起業家教育を提供している。そして、これこそが仁禮さんが取り組んでいる新しい教育の試みであり、彼女のたどってきた足跡をひもとくカギといっても過言ではない。さらに興味深いことに、その目的は、起業家を育成することにはないのだという。真の目的は、小・中・高校生が「自らの人生を切り拓く力」を育むことにあるそうだ。いったい、どういうことなのだろう。 仁禮さんは、小学1年生で既存の教育に疑問を感じ、中学2年生にして起業。1社目の会社を設立し、教育関連事業、学生・企業向け研修などをスタートさせた。そして、高校1年生の時には自身の母校である湘南インターナショナルスクールを買収。2016年には同じく教育関連事業を主体としたHand-C(現TimeLeap)を設立し、現在に至る。そもそも、なぜ小学1年生にして、既存の教育に疑問を感じ、中学2年生で起業するに至ったのだろうか
「やる気を出しなさい!」は無意味 仕事がなかなかはかどらないとき、その理由は「いくつ」も見つけることができます。「暑くてやる気が出ない」「あの人があんなことを言った」「取引先が無理を要求する」……。そういった問題が解決すれば、確かに仕事はどんどん進むかもしれません。 しかし、現実問題としては、高温多湿の日本の夏の気温を27度以下に押さえ込むことはできませんし、他人の口に戸は立てられません。取引先の心を自分の都合のいいように変えることも不可能です。 これらの問題を解決し、軽やかにさくさくと仕事を進めるには、「自分が変わる」しかありません。 では、「自分」の何を最初に変えるべきかといえば、それは「体」です。というより、最初に変えることが可能なのは、「体」だけです。暑くても、誰が何と言おうと、気にせずやり過ごせるだけの体力を身につけるのが最初の一歩です。 よく「やる気を出せ」とハッパをかける先輩
前回記事では、9割の新人コンサルタントがやらかすダメ資料ランキングをご紹介しました。本来であれば資料作成や図解のノウハウをしっかりと体系的に学ぶことで、最初からダメ資料を作らないのがいちばんですが、そうはいってもなかなか時間がとれない方も多いでしょう。 また、自身は合格点の資料が作成できるけれども、部下が作った資料に対して「何かわかりにくいな……」と思いつつ具体的な改善アドバイスができないという方もいるのではないでしょうか? 実はダメな資料を改善するのは、最初からきちんと作るよりも難しいことです。作った本人はそれがいいと思って作っているので対策が思いつきませんし、レビューする人の多くも「自分だったらこう作るかな?」という自分の経験から、思いつきでアドバイスしていることが多いのではないでしょうか。 私も部下ができ、資料をレビューする立場になった当初はうまく指導できずに、引き取って自分で作り直
自分に正直になる習慣 フランスの哲学者アランは名言を遺している。 「幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ」 そのとおりだと思う。アクションから本質が生まれる。本質はあくまでも事後的に発生するものであって、本質という抽象はそれ単独で先行的に存在するものではない。 ぼくは中学生時代、プログラミングに夢中になった。よくわからないまま手さぐりでパソコンを使っているうちに、多彩な処理システムを構築できるプログラミングの魅力にどんどんのめり込んでいった。それがやがてビジネスにつながり、ぼくはそのビジネスでさらに成功を収めるべく野心をたぎらせていった。 要するに今日にいたるぼくのキャリアは、プログラミングとの出合いがすべてだ。プログラミングに出合わなければ、それはそれでまたまったく別のキャリアを描いていただろう。 あらかじめ目指すキャリアがあって、プログラミングに足を踏み入れたわけではないのだ。
私は30年間救急医療に携わっている。1994年には、挿管法を指導する画像システムを考案した。呼吸を助けるための管を挿入するプロセスを指導するものだ。これを契機に私は挿管法のリサーチを行うようになり、その後、過去20年は世界各地の医師たちに向けて気管処置の講座を行っている。 3月末、新型コロナウイルス感染患者がニューヨークの病院にあふれ返るようになり、ベルビュー病院で10日間、ボランティアで支援にあたった。この間私は、このウイルスによって致命的となる肺炎の早期発見ができていないこと、そして患者を、人工呼吸器を使わずに回復させるための方法がもっとあるはずだと考えるようになった。 肺炎症状が出ているのに、息切れ感じない ニューハンプシャー州の自宅からニューヨークまでの長距離運転中、友人のニック・カプトに連絡をした。彼はブロンクスに勤務する救急医で、すでに新型コロナ騒ぎの渦中で奮闘していた。私は今
4月14日夜に発生した熊本県の地震(震度7)は、今もまだ余震が続いている。寒い夜を屋外で過ごす被災者の映像を見ながら、親戚や知人の身を案じている方もいることだろう。一時的に生じた音声通話がつながりにくい状況も一段落、通信環境は落ち着きを見せ始めているようだ。 そうした中で、無料通話とチャット機能で多くの利用者を獲得し、今や通信インフラのひとつと数えてもよい「LINE」が「通信の常識」を無視した、"社会貢献"を行っている。これは、きわめて大きな問題であり、ここで指摘をしておく。 震度7にすぐ対応し無料化したLINE 今回の地震を受け、LINEの公式アカウントが次のようなアナウンスを行い、テレビや新聞社のウェブサイトで次々に報道された。 "LINEから固定電話・携帯電話にかけられる「LINE Out」機能で、日本国内の番号への発信を1通話最大10分まで無料化しました。家の電話やLINEでつなが
――新型コロナウイルスの流行状況を理解するために、現在、多くの国民が報道などを通じて実効再生産数について学んでいますね。 2009年に新型インフルエンザの流行があったとき、初めて日本の全国紙の一面記事に再生産数という言葉が登場した。それから10年ちょっと経って、今回の新型コロナでここまで広く詳しく論じられるようになったのは、画期的なことだと思っている。 重大な責任負う実効再生産数という指標 ――改めて話せば、基本再生産数は、すべての人が免疫を持たず感受性を持つときの、1人の感染者が生み出す2次(新規)感染者の平均値。いわば、病原体の素の感染力を示すものです。これに対して実効再生産数は、実際に1人の感染者が生み出している2次感染者の平均値で、さまざまな現実の対策の影響を受けているものと位置づけられます(詳細は4月22日付「科学が示す『コロナ長期化』という確実な将来」を参照)。 現在、実効再生
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