最近無性に蕎麦屋のかき揚げが食べたい。温かいのか、冷たいのかと問われると即答に困る。温かいかき揚げそばには、煮汁がひたひたになった旨さがある。冷たいかき揚げは、ざくっとしたかき揚げの食感を楽しむ嬉しさがある。その両者のうち、どちらかを選択しろと問われても正直回答できない。その時の気分によって、究極の選択を常に問われることになる。 一方で、丼物である。蕎麦屋といえばやはり出汁のとり方に定評があるわけで、それは丼物の完成度にも影響する。蕎麦屋といえばカツ丼である。カツのからりとした旨さに出汁と玉子、玉ねぎの共演は最高。これを選ぶのが当然といえば当然なのであるが、侮りがたいツワモノ達がいるのが常である。 天丼、カレーがカツ丼の天下を妨げるいわゆる織田信長に対する武田信玄や上杉謙信のような存在がいる。侮りがたいのカレーだ。蕎麦屋のカレーは出汁が効いた他では食べられない味わいなのである。この内どれを