タグ

ブックマーク / jp.ign.com (26)

  • 「意味不明」とすら言われるRPG『サガ エメラルド ビヨンド』は何を描こうとしたのか? それは「自分だけの特別な冒険」ではないか

    『サガ エメラルド ビヨンド』(以下、サガエメ)は間違いなくバトルはおもしろいが、それ以外は気になるところが多いと言わざるを得ない。Metacriticでこそ79点を獲得しているが、Steamのユーザーレビューは賛否両論(記事執筆時点)であり、これだけでもなんとなく雰囲気が伝わってくるだろう。 前作から続く斜め見下ろし視点のグラフィックは予算不足を感じさせるし、ボスすら使いまわしが平然と行われ、ストーリーも断片的で、UIはいいところがない。説明不足、わからないと言われるのも理解できる(もっとも、これでも前作に比べると親切なほうなのだが)。 とはいえ、それでも私はむさぼるように作を楽しんでいるし、数は多くないながらも同志がいるのは事実だ。「サガエメ」の何が魅力なのかといえば、作が描こうとしているものはビデオゲームならではであり、その構想が素晴らしいことではないか。 『グノーシア』やデッキ

    「意味不明」とすら言われるRPG『サガ エメラルド ビヨンド』は何を描こうとしたのか? それは「自分だけの特別な冒険」ではないか
  • なぜ『F-ZERO 99』はレースゲームとバトロワを「次の高み」に乗せたと言えるのか?

    ならば、書かねばならない。『F-ZERO 99』がレースゲームとバトロワを「次の高み」に乗せたと言える理由を。 「リスクとリターン」を中心に据えた見事なルール 『F-ZERO 99』は、1990年に発売されたスーパーファミコン用ソフト『F-ZERO』にバトロワ要素をかけあわせた新作である。 ルールはシンプル。99人のプレイヤーが同時にレースを行い、1位を目指すというものだ。しかし、互いのプレイヤーは当然ながら邪魔をし合うわけで、トップになるのは容易ではない。 基システムで特に秀逸なのが画面右上にある「パワーゲージ」だ。これはプレイヤーの体力であると同時に、ブーストゲージでもある。なくなればブーストができなくなるだけでなく、ほかのマシンにやられてしまう可能性が出てくるわけだ。 虹色のものがパワーゲージ。その下にあるのが「スカイウェイ」を使用するためのゲージだ(詳しくは後述)。 パワーゲージ

    なぜ『F-ZERO 99』はレースゲームとバトロワを「次の高み」に乗せたと言えるのか?
  • 宮本茂が語る、スーパー・ニンテンドー・ワールドと任天堂の未来

    最近の宮茂氏は、とにかく多忙な日々を送っている。数カ月前に70歳の誕生日を迎えた宮氏だが、彼自身が任天堂の陽気なマスコットとして動いており、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』といったプロジェクトの宣伝役である。2023年2月17日には任天堂テーマパーク第2弾となる、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドのスーパー・ニンテンドー・ワールドが開園した。 宮氏が仮に多忙で疲れているとしても、彼はそんな素振りをまったく見せない。スーパー・ニンテンドー・ワールドのグッズがいっぱい置かれたプライベートラウンジで、宮氏は前傾姿勢でソファに座る。彼は手の指を交差させ、思慮深く眉をひそめる顔、おなじみのニヤリとした笑顔と2種類の表情を行き来する。服装は、スーパー・ニンテンドー・ワールドのTシャツの上に黒のブレザーを着た形だ。少し不思議な印象を醸し出すと同時に、冷静で保守的なビジネスマンとしての印

    宮本茂が語る、スーパー・ニンテンドー・ワールドと任天堂の未来
  • スナフキンとともに自然と自由を取り戻すため趣味の悪い公園を破壊していくアドベンチャーゲーム『スナフキン:ムーミン谷のメロディ』試遊レポート

    フィンランドの画家・作家であるトーベ・ヤンソン氏著のムーミンシリーズは、時代を超えて今もなお愛されている名作だ。作品の魅力として、可愛らしい個性あるキャラクターとムーミン谷を包む牧歌的な雰囲気、そして心に深く残る名言が挙げられる。かくいう筆者もムーミンのファンであり、特にスナフキンというキャラクターの自由で柔軟性がありながらも「自分」という芯を持った考え方にはとても憧れている。そんなスナフキンが主人公となっているゲーム、『スナフキン:ムーミン谷のメロディ』がTGS2022のNorwegian Games(ノルウェーゲームズ)ブースにて出展されていた。日初のプレイアブル出展となる貴重な機会に、試遊することができたので紹介する。 作はムーミン谷を舞台としたアドベンチャーゲームだ。プレイヤーはスナフキンとなり、ムーミン谷にいくつも作られた趣味の悪い公園を破壊して、ムーミン谷の調和のとれた自然

    スナフキンとともに自然と自由を取り戻すため趣味の悪い公園を破壊していくアドベンチャーゲーム『スナフキン:ムーミン谷のメロディ』試遊レポート
  • 『Nintendo Switch Sports』は「カジュアルなオンライン対戦ゲームの理想形」、単なるパーティーゲームと侮ってはいけない

    4月29日に『Nintendo Switch Sports』が発売されたが、作のことを「カジュアルに遊ぶファミリー層のためだけのゲーム」だとは思っていないだろうか? もちろん気軽に遊ぶゲームであることは間違いないのだが、しかしそれだけに留まらない作品なのである。 いくつかのメディアで作の発売前レビュー記事が出ているが、それでは一番重要なオンライン要素に触れられていない。もちろん、その部分は体験できないので致し方ないのだが、しかしオンライン要素は無視するのがあまりにも勿体ないほど優れているのだ。 正直、『Nintendo Switch Sports』は「カジュアルに遊ぶオンライン対戦ゲームの理想形」といえるだろう。これを見るためだけでも作を体験する価値がある。 複数の競技があるゲームでの理想的なマッチング 『Nintendo Switch Sports』は、『Wii Sports』から

    『Nintendo Switch Sports』は「カジュアルなオンライン対戦ゲームの理想形」、単なるパーティーゲームと侮ってはいけない
  • SIE JAPAN Studioの再編が明らかに Team ASOBIを中心に再統合が行われるも、事実上の縮小か

    関係者の退職が続いていた、SIE JAPAN Studioの再編が明らかになった。IGN JAPANでSIE広報に確認し、以下のような回答を得ている。 SIEは、事業運営のさらなる強化を図るため、4月1日付でPlayStation Studios JAPAN Studioを新組織に再編することを決定いたしました。 JAPANスタジオは、「Astro's PLAYROOM」のクリエイティブチームである「Team ASOBI」に再統合し、ご好評いただいている「Astro's PLAYROOM」を中心に、ひとつのビジョンに向かってチームを集約いたします。 今後、JAPAN Studioタイトルの外部制作、ソフトウェアのローカライズおよびIPマネジメントなどの役割は、PlayStation Studiosのグローバル機能が担います。 SIE JAPAN Studioは東京に拠点を置く、開発スタジオ

    SIE JAPAN Studioの再編が明らかに Team ASOBIを中心に再統合が行われるも、事実上の縮小か
  • スイッチ版『スーパーマリオ 3Dワールド』から学ぶ「約7年前のゲームをおもしろくする職人芸」―― あるいは「文章化しにくいおもしろさの問題」

    「ほとんど同じゲームを遊んだはずなのに、得られた体験がかなり違う」という経験をしたことはあるだろうか。私の場合、2021年2月12日にNintendo Switchで発売された『スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド』がそれにあたる。 作は2013年11月にWii Uで発売された『スーパーマリオ 3Dワールド』に新モード「フューリーワールド」などの要素を追加して移植した作品だ。にも関わらず軒並み高評価で(IGNでは7点だが9点以上をつけるメディアも多い)、約7年前のゲームなのに受け入れられている。 古いゲームなのに陳腐化しない理由は複数あり、ひとつは作が特殊な作品かつ後継作が出ていないから。そしてもうひとつ重要なのが、Switch版には実は職人芸ともいえる小さな差が仕込まれており、それが大きなおもしろさを生んでいるのだ。 Wii U版は投げ出したのに、なぜか楽しくクリアで

    スイッチ版『スーパーマリオ 3Dワールド』から学ぶ「約7年前のゲームをおもしろくする職人芸」―― あるいは「文章化しにくいおもしろさの問題」
  • PS VRはPS5では後方互換でのみ使用可能

    UploadVRは、発表された際にPS VRモードがセールスポイントだった『HITMAN 3』を例にあげている。ソニーのコメントによると、PS VRモードで『HITMAN 3』をプレイしたい場合、PS4バージョンを購入しなければならないという。さらに、PS VRを次世代コンソールで使用するには純正のPS5 PSVRアダプターと旧モデルのPlayStation Cameraも必要となる。 Hello Gamesの『No Man’s Sky』をPS5でプレイする際も同様。これについては、PlayStation Blogの投稿に、「後方互換機能があるため、『No Man’s Sky』はPS5で完全にプレイできる」と記されている。 PS4バージョンの『HITMAN 3』と『No Man’s Sky』はどちらも、次世代バージョンへの無償アップグレードの対象となるというのは良いニュースだ。VRとよりク

    PS VRはPS5では後方互換でのみ使用可能
  • 『ピクミン3』の魅力とは? RTSの「任天堂化」、考えさせれる設定、そして美味いジュース

    『ピクミン3』は任天堂ファンにとって特別なゲームだ。2013年7月13日に発売された作は、Wii U初期のタイトルだ。同機は2012年12月に発売し、『ピクミン3』以前の任天堂開発ゲームは『Nintendo Land』や『New スーパーマリオブラザーズ U』くらいしかない。前者はパーティーゲームだし、後者は2D横スクロールなのでビジュアル面では「次世代機感」があまりなかったようにと思う。なので、『ピクミン3』は任天堂が開発したWii U初のフル3Dソロプレイタイトルであり、同社のゲームがHDグラフィックスを採用したほぼ最初のタイトルだ。 2013年頃はPCや他のゲーム機でHDグラフィックスが前々から標準的なビジュアルになっていたが、Wii Uの到来で任天堂のゲームもついに、より鮮明な解像度で楽しめるようになった。そして、その最初が『ピクミン3』だったわけだ。『ピクミン3』のグラフィック

    『ピクミン3』の魅力とは? RTSの「任天堂化」、考えさせれる設定、そして美味いジュース
  • 『スーパーマリオ64』にルイージ、開発中止となったポケモンMMO、「ニンテンドー・ギガリーク」と呼ばれる大規模なリークでお蔵入りとなった企画が判明

    機密情報だった任天堂製ゲーム内のコードとドキュメントがインターネットに流出する、2つの大規模なリークがあった。通称、「ニンテンドー・ギガリーク」だ。任天堂の開発中止となったゲーム、試作段階のゲーム、ソースコード、開発ツール、社内で行われた連絡といったさまざまな情報が流出した。これは、今までに起こったビデオゲーム業界の情報流出の中で最大規模のものとなるだろう。 先週末にかけて、大量の流出したファイルが人々の手に渡り、観察され、これらのファイルが持つ意味が調べられていき、新事実が続々と判明していった。我々はこれらの情報を整理し、現時点でギガリークから判明している情報をこの記事で解説していく。 「ニンテンドー・ギガリーク」とは? ギガリークは、主に4Chanの2つの投稿から始まった複数回にわたる情報流出のことだ。この2つの投稿には、任天堂社内のプロジェクト由来の数ギガバイトものファイルやドキュメ

    『スーパーマリオ64』にルイージ、開発中止となったポケモンMMO、「ニンテンドー・ギガリーク」と呼ばれる大規模なリークでお蔵入りとなった企画が判明
  • 任天堂がモバイルゲーム事業から手を引き始めていると報道

    Bloombergの報道では、任天堂のモバイルゲーム事業の業績は期待外れなものとなっている。『あつまれどうぶつの森』(このゲームは任天堂の株価が過去12年間で最高水準となった理由の1つでもある)といったタイトルが大きな成功を収めてからは、自社のゲーム機であるSwtich向けのゲーム開発に専念する方針を取り始めたようだ。 アナリストのSerkan Totoは、「『マリオカートツアー』が2019年秋にリリースされて以来、任天堂のモバイルゲームの供給は途絶えています」とBloombergで伝えた。Switchの大成功によって、任天堂がモバイルゲーム市場で成功する必要性は薄まり、そのことを要求される圧力も減ったとアナリストは付け加えた。 過去に任天堂は、『マリオカートツアー』、『どうぶつの森 ポケットキャンプ』といった現在売り出しているモバイル向けゲームに専念すると語っていた。任天堂がモバイルゲー

    任天堂がモバイルゲーム事業から手を引き始めていると報道
  • 『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』レビュー 人を選ぶ大傑作

    エンディングまでその手を止めることなく没入する 諸君らに自覚を促すために特に伝える。ACE7は20年以上続くフライトシューティングゲーム「エースコンバット」シリーズの最新作。なんと12年ぶりのナンバリングタイトルだ。プレイヤーは実在のものをはじめとするさまざまな戦闘機を操り、戦場に繰り出すことで友軍を勝利へと導くエースパイロットとして躍進する。 これまでのシリーズと同様に、大規模な制圧戦、一筋縄ではいかないライバル機との交戦、戦況とともに変化する戦場など、ゲームプレイを盛り上げるための要素はさまざま。それらがストーリーや演出と一体となって怒涛のように押し寄せるため、エンディングまでその手を止めることなく没入することができるだろう。 大空を飛翔する快感は歴代最高 ただし今世代機初のエースコンバットといっても、ACE7の基的なゲームの流れは過去作と大きな違いがない。各ミッションは、物語を進め

    『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』レビュー 人を選ぶ大傑作
  • ビデオゲームへの偏見とそれへの批判:東洋経済オンライン『スプラトゥーン』の「中毒性」ついて

    東洋経済オンラインに「『スプラトゥーン』の中毒性が極端に高い理由」という記事が掲載されている。このような記事は相手にしないほうがいいと言われるかもしれないが、ゲーマーでない人からあらぬ誤解を受ける可能性がある。ゆえに誰かが一度きちんと否定する必要があると考え、この原稿を書くことにした。 その記事では、任天堂が展開しているNintendo Switch向け対戦アクションゲームスプラトゥーン2』が「家族の絆をも壊すゲーム設計を採用している」と書かれている。毎日遊ばせたくなるような仕掛けがあり、中には「ギア」というガチャのようなシステムがあって、それのせいでやめられないのだ……、と。しかし、これは明らかに間違っている。いや、間違っているだけならまだマシで、問題は“読者の不安を煽るような記事”にしかなっていないところだ。 ゲームを正確に捉えられていないゲーマーとしての失望 『スプラトゥーン2』(

    ビデオゲームへの偏見とそれへの批判:東洋経済オンライン『スプラトゥーン』の「中毒性」ついて
  • 『メトロイドプライム4』における任天堂の誠実さはゲーム業界に重要な基準を打ち立てた

    今朝、『メトロイドプライム4』について予想外の急展開があった。任天堂はこれまでに開発されていたバージョンを中止し、作が「メトロイドプライム」シリーズのオリジナル開発元である米国のレトロスタジオのもとで一から開発し直されることを発表したのだ。このことを正直に打ち明けたことが多くの人を驚かせている。 任天堂の高橋伸也企画制作部長は、「大変心苦しいのですが、私たちが『メトロイドプライム』シリーズの続編となるこのタイトルに求める品質には届ていないという現状をお伝えせざるをえなくなりました』と発表した。 今回の発表はファンに好感を持たせる劇的な改善と方向転換である。 以前から新作のリリースを待望しているファンにとっては残念なニュースだが、任天堂の姿勢を評価する声は圧倒的である。1月26日17時現在、この報せを伝えるYouTube動画の字幕版には、約3300件の低評価――残念な内容の動画としては大

    『メトロイドプライム4』における任天堂の誠実さはゲーム業界に重要な基準を打ち立てた
  • 『ドラガリアロスト』試遊レポート:全方位にハイレベル+老舗の味

    サイゲームスは『グランブルーファンタジー』や『シャドウバース』『プリンセスコネクト!Re:Dive』などハイクオリティな基無料スマホゲームを作り続けている、同ジャンル内ではトップクラスの人気を誇るメーカーだ。オリジナリティの強い家庭用ゲームを作り続けている任天堂とは対極に位置しており、例えるならばサイゲームスは「任天堂の君臨している山とは別の山で頂上に立った会社」というイメージだ。そんな両者が共同開発をする『ドラガリアロスト』に筆者は強い興味を持った。 筆者はどちらかというと家庭用ゲームの方が好きなタイプで、ソーシャルゲームは話題作をいくつか手を出してみるものの、作業感を感じてしまい長続きせず挫折してしまうことが多い。ただ、今回のドラガリアロストは任天堂が開発に関わっているということで「ゲームとしてしっかり楽しめる作品に仕上がっているのでは」という期待感があった。 試遊時間は2時間半程度

    『ドラガリアロスト』試遊レポート:全方位にハイレベル+老舗の味
  • 対戦に乗り気だった人もそうでない人にもオススメのシングルプレイDLC『スプラトゥーン2 オクト・エキスパンション』レビュー

    スプラトゥーン2』をさらなる高みに連れていく もちろんこの『オクト』を遊べばブキやギアといった新たなアイテムが手に入る。とはいえメインは、全80ステージの実験施設を攻略していくという部分だ。そもそも『スプラトゥーン2』にはヒーローモードというチュートリアルを兼ねたシングルプレイがあるというのに、なぜ今になって新たに『オクト』を出そうとしたのだろうか? プレイする前の私は、上記の理由でこの追加コンテンツに対して懐疑的であった。しかし実際にプレイしてみると意見はまったく変わってしまう。なぜかって? はっきりいってこの追加コンテンツは、『スプラトゥーン2』をさらなる高みに連れていく要素のひとつだからだ。 イカではなくタコ、そしてシューターよりは3Dアクションに近いゲーム内容 『オクト』の主人公は名前からわかるようにタコ(正式名称はオクタリアン)である。実験体No.10008(通称8号)と呼ばれ

    対戦に乗り気だった人もそうでない人にもオススメのシングルプレイDLC『スプラトゥーン2 オクト・エキスパンション』レビュー
  • 【SF史に残る(べき)ゲームたち】第0回 ゲームを正当に評価するために

    ゲームは、現代を代表する表現形式である。疑うならば、電車に乗れば良い。子どもも大人も、スマホを開き、ゲームに興じている。 これだけの大勢が日常的に接しているメディアである。人々の感性や認識に影響を与えないわけはない。しかし、そうであるにも関わらず、これまで、批評・研究は、正当な目を注いで来なかった。その理由は、人類が手に入れた新しい表現形式・メディア・芸術であるゲームの正当な価値を見誤ってきたからでもあるし、既存の方法論ではゲームを論じることが困難であった、という理由にも拠るだろう。 ゲームは、少なくとも映画が払われてきたのと同じぐらいには、注目され、論じられてしかるべき表現である。映画も生まれてまだ一〇〇年ちょっとしか経っていない新しいメディアであり表現形式であり、最初は単なる見世物であり神経を刺激するだけのものと考えられてきたが、二〇世紀における映画・映像が、単なる娯楽に留まらず、人々

    【SF史に残る(べき)ゲームたち】第0回 ゲームを正当に評価するために
    popup-desktop
    popup-desktop 2018/02/13
    「日本SF大賞をゲームが受賞できないのは問題ではないかと思い、事情を調べたりシステムの改善を提案したが、世代的な問題で「そもそもゲームをプレイできない」という原因が横たわっていた」
  • 8歳の息子とNintendo Laboを体験!ハンズオンプレビュー

    任天堂を代表するフランチャイズ(ゼルダ、マリオ、ポケモン)と同様、Nintendo Laboと“Toy-Con”は大いに注目に値する。 私と8歳の息子キーガンは任天堂が主催するニューヨークのイベントで、バラエティキットに含まれる5種類のToy-Con――リモコンカー、つり、おうち、バイク、ピアノ――と、非常に洗練されたロボットキットを試す機会に恵まれた。Labo用の名札を手作りした後、キーガンと私はToy-Conをデコるためのカラフルなマーカー、色鉛筆、シールが用意された工作エリアに通された。 つくる、あそぶ、わかるをテーマにしたNintendo Laboの短い説明を受けた後、私達は最初のToy-Conセットを渡された――リモコンカーだ。2枚のダンボールシートにはミシン目がついていて、どこを切り取れば良いのかすぐにわかるようになっている。ミシン目とNintendo Laboのオシャレなロゴ

    8歳の息子とNintendo Laboを体験!ハンズオンプレビュー
    popup-desktop
    popup-desktop 2018/02/05
    「しかし、息子と2人で実際に「つくる、あそぶ、わかる」を体験した経験から言うと、悪い体験ではなかった。それどころか、これは素晴らしく革新的で、今までになかったようなユニークなゲーム体験だ」
  • グリッチ表現で2Dシューティングの異次元を突破した怪作「Rym 9000」プレビュー

    「枯れた技術の水平思考」と言えば、ゲーマーおなじみの横井軍平のデザイン哲学だが、同様のことはゲームジャンルにも言えるのではないだろうか。「枯れたジャンルの水平思考」とでも呼ぶべきだろうか、そのゲームデザイン哲学は既に確立したジャンルにおいて、その基システムを維持しながらも、その概念を新しい角度から眺めて革新的なゲームを作り上げる。実際にジャンルのお約束を守りつつ、レベルデザインや細かい調整、もしくはサウンドやアートを刷新することで、そのジャンルに新たな風を送り込むゲームはこれまでも多数存在している。 最古のゲームジャンルであるシューティングゲーム(以下、STG)はその歴史の古さやゲームデザインとしての単純さから言って、自他共認める「枯れたジャンル」と言える。もちろん今後、何かの大きなイノベーションもありうるとは思うが、おそらくそこから生まれるものは我々の知るSTGとは別のものになるだろう

    グリッチ表現で2Dシューティングの異次元を突破した怪作「Rym 9000」プレビュー
  • FF、DQの躍進からニーアの思わぬヒットーーRPG老舗としての存在感を取り戻しつつあるスクウェア・エニックス

    2017年は任天堂の年だと頻繁に耳するようになった。Nintendo Switchという新しいゲーム機を出すだけでなく、同じ年に「ゼルダの伝説」、「スプラトゥーン」、「メトロイド」、「マリオ」といった人気シリーズの新作を出し、さらに「ARMS」や「いっしょにチョキッと スニッパーズ」といった新規IPも好評だ。Wii Uで危機に晒された同社だが、2017年に入ってから一気に盛り返しているのは紛れもない事実と言えるだろう。Nintendo Switchが3月に発売してから在庫切れが続く中でも、世界での販売台数が7月26日時点ですでに500万台に近い台数に達していたことがわかっている。目玉タイトルの「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」は海外のレビュー集積サイトmetacriticでは歴代最も高評価のゲームのひとつとなっている。 任天堂だけでなく、日ゲーム業界全体が盛り返している動きが

    FF、DQの躍進からニーアの思わぬヒットーーRPG老舗としての存在感を取り戻しつつあるスクウェア・エニックス