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くるまの娘に関するsoitanのブックマーク (4)

  • 正しさでは間に合わない他者に、うなずくことができるか…ある家族の「地獄」を描いた物語 | 文春オンライン

    『くるまの娘』(宇佐見りん 著)河出書房新社 私は家族制度を否定している。否定しなければあの狭い家では生きていけなかった。私を育てた善良な人たちと、家族という名のもとにおかしくなった距離感を別のものとして捉えるためには、私とあの人たちが共に暮らす構造そのものを批判しなければならなかった。あの人たちが悪いのではない。構造が悪い。そう言ってやることであの人たちを憎まないようにしたかった。だがこの構造を拒む姿勢は、自分も含め、数多の個を取りこぼす傲慢さなのかもしれないとも思う。宇佐見りん『くるまの娘』を読んだ後では、私は何も言えない。 『くるまの娘』はある家族の地獄を描いた物語である。普段は穏やかだが、ひとたび火がつけば暴力をふるう父、脳梗塞の後遺症とアルコール依存に苦しみしばしば錯乱する母とともに、主人公かんこは暮らしている。兄も弟も家を出て行った。かんこだけが残される。一家は祖母の葬儀のため

    正しさでは間に合わない他者に、うなずくことができるか…ある家族の「地獄」を描いた物語 | 文春オンライン
  • 「くるまの娘」書評 小説だけが書ける愚かさと救い|好書好日

    「くるまの娘」 [著]宇佐見りん 重い濃霧が立ち込め、湿気のあまり息ができず、酸欠で手足は思うように動かせない、そんな重苦しさが淡々と描かれた小説だ。 高校生のかんこは両親と三人で暮らしている。兄は家を出て結婚し、弟は今年の春から祖父母の家に住むようになった。脳梗塞(こうそく)の後遺症により、アルコール依存症を発症し情緒不安定になった母と、母にも子供達(たち)にもモラハラを繰り返す成熟しきっていない父。かんこには気だるさ、朝起きられない、などのうつ)の症状が出ているが、誰にも救いの手は求めない。 父方の祖母が亡くなり、子供達が小さい頃一家でよくした車中泊を経て、三人は車で実家に向かう。実家に到着すると兄と弟も揃(そろ)い五人家族が集合するが、微笑(ほほえ)ましいやりとりがあったと思ったら、すぐに不穏な空気が立ち込め破綻(はたん)、を繰り返す。「助けるなら全員を救ってくれ、丸ごと、救って

    「くるまの娘」書評 小説だけが書ける愚かさと救い|好書好日
  • 「終わらない苦しみもある」。宇佐見りんが語る、『くるまの娘』で描いた「家族のかたち」 | CINRA

    「家族」というつながりは独特な関係性だ。自らの意志に関係なく、否が応でも暮らしや考え方に影響を与えてくる。それなのに「家族」は簡単にやめることができない。喜びや幸せだった記憶と、苦しみや悲しみの歴史をごちゃ混ぜにしたまま続いていってしまうのが家族である。 父、母、子どもの3人という一見ステレオタイプな構成の家族にも、外からは見えない多面的な苦しさやその家庭固有の問題が存在する。そんな現実を見出し、描き出したのが、小説『くるまの娘』だ。 物語の主人公は17歳の女性、かんこ。真面目なのにときどき家族に暴力を振るったり暴言を吐いたりしてしまう父、脳梗塞で倒れてから感情のコントロールが利かなくなった母との3人暮らしだ。兄と弟は、そんな家庭に嫌気がさし、気がついたら家から出ていっていた。そんな家族が父方の祖母の死をきっかけに久しぶりに集まる。父の実家への長い道中、車中泊で旅をするのだが……。 作者は

    「終わらない苦しみもある」。宇佐見りんが語る、『くるまの娘』で描いた「家族のかたち」 | CINRA
  • 芥川賞受賞後第一作『くるまの娘』宇佐見りんインタビュー!「人生って…取り戻せるものなんて、どこにも、ない」 | ダ・ヴィンチWeb

    発行部数52万部を超えた芥川賞受賞の話題作『推し、燃ゆ』から約1年半。宇佐見りんさん待望の新作長編『くるまの娘』が刊行された。『文藝』掲載時から大きな反響を呼び、著者最高傑作との声も……。新たな衝撃作を生み出した宇佐見さんに、新作、そして小説を巡って、お話を伺った。 (取材・文=立花もも 写真=石田真澄) 〈「しんじゅうする。こんなんなったら、もう、それしかない」 叫びは、喉ばかりでなく、見ひらかれた目から、両耳から、髪の毛先から、ほとばしった。〉――唾液や洟水、涙で濡れたハンドルを震える手でつかんで、家族の乗る車を暴走させる母。 〈「なんで生きてきちゃったんだろうな」〉――娘を助手席に乗せ、やはり震えるこぶしでハンドルを握りしめながら、誰にも言えなかった想いを吐露する父。 家族の話を書こう、と思った宇佐見さんの脳裏に浮かんだのは、そんな、車中の場面だった。 「その2つの場面は、かなり初期

    芥川賞受賞後第一作『くるまの娘』宇佐見りんインタビュー!「人生って…取り戻せるものなんて、どこにも、ない」 | ダ・ヴィンチWeb
    soitan
    soitan 2022/06/07
    “なぜとりかえしがつかないのか、という絶望を重ねながら”
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