タグ

小説と書評に関するturu_craneのブックマーク (4)

  • 宇宙生物学の研究者の父親とADHDやアスペルガーだと診断された息子が織りなす、多様な個性と惑星についての物語──『惑う星』 - 基本読書

    惑う星 作者:リチャード・パワーズ新潮社Amazonこの『惑う星』は、『舞踏会へ向かう三人の農夫』、『われらが歌う時』などでしられるリチャード・パワーズの最新作だ。近年、パワーズの著作は、危機に瀕した地球の生態系を救うために動き出した、特異な才能を持った9人の人生を描き出す『オーバーストーリー』を筆頭に、SF的なテーマへと果敢に挑んできた。 それに続く作『惑う星』は、宇宙生物学に関する研究者の父親シーオと、医師から自閉症スペクトラム障害、ADHD、強迫性障害など様々な可能性を示唆された息子ロビンの行末を描き出していく長篇小説だ。母親は動物愛護を訴える活動家だったが、数年前に事故死。残された父はこの宇宙にどれほどの生命がいる可能性があるのかをロビンに語って聞かせ、ロビンも父親に無数の質問をして、対話を続けている。 たとえば、この宇宙に惑星の数はいくつあるのかとロビンは問う。父親はおそらくど

    宇宙生物学の研究者の父親とADHDやアスペルガーだと診断された息子が織りなす、多様な個性と惑星についての物語──『惑う星』 - 基本読書
  • 予知能力を持った一人の女性の人生を2043年まで描きあげた『クラウド・アトラス』著者による幻想文学──『ボーン・クロックス』 - 基本読書

    ボーン・クロックス 作者:デイヴィッド ミッチェル発売日: 2020/08/20メディア: Kindle版この『ボーン・クロックス』は、19世紀から第二次世界大戦前、1970年代に現代ロンドンと幅広い年代&場所&職業の人間を通して一枚の複雑な絵を描きあげた『クラウド・アトラス』で知られるデイヴィッド・ミッチェルの6作目の小説である。これまでの作品と同じく、複数の時代や特殊能力を持つ人間を語り手に据えながら、パズルが組み上がっていくように大きな世界を築き上げてみせる、壮大な幻想文学だ。 最初の舞台になるのは1984年、イギリスのケント州で暮らす当時15歳のホリー・サイクスだ。親に年上の彼氏との交際に反対されたことから思春期らしい反抗性で家出を決意。その直後信じていた恋人に浮気が発覚して裏切られ、親を少し懲らしめてやるためにも、頼れる人がいない中数日間なんとか一人で生きていこうと四苦八苦するの

    予知能力を持った一人の女性の人生を2043年まで描きあげた『クラウド・アトラス』著者による幻想文学──『ボーン・クロックス』 - 基本読書
  • 連続殺人鬼の娘は、サイコパスなのか?──『善いミリー、悪いアニー』 - 基本読書

    善いミリー、悪いアニー (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者: アリランド,国弘喜美代出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/01/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見る九人の児童を殺害した連続殺人鬼、ルース・トンプソンはその娘の告発によって逮捕された。告発した娘であるアニーは、ミリーという新しい名前を与えられ、優しい夫婦と一人のいじわるな娘で構成されたニューモント家へと引き取られるのだが──、一家は知らなかった、それがもう一つの波乱の幕開けになるのだということを。 そんな感じの導入ではじまる書は、少女の内面を奥底までえぐり出す心理サスペンス、心理スリラーである。悪夢のような母親の元から逃れ、優しい一家に迎えられ、歳の近いフィービとも『若草物語』のように仲睦まじい姉妹としての関係性をつむげるのではないかと期待してやまないほんわかした導入から一転、ミリーはクラスの中心的な存在で

    連続殺人鬼の娘は、サイコパスなのか?──『善いミリー、悪いアニー』 - 基本読書
  • 標、ついに見ゆ - 中途書評 - 天冥の標 I-VI : 404 Blog Not Found

    2013年01月26日00:30 カテゴリ書評/画評/品評 標、ついに見ゆ - 中途書評 - 天冥の標 I-VI 小川一水、とてつもない子。 天冥の標 現在VI巻part3。X巻予定 小川一水 初出2010.07.10 (III巻現在); 2011.05.19 IV巻追加 2011.11.27 V巻追加 2012.05.11 VI巻part1追加 2012.08.25 VI巻part2追加 2013.01.26 VI巻part3追加 まいった。これは紹介せざるを得ない。献いただいたからではもちろんない(II以降はそうしていただいている。Iは購入)。 まだ物語そのものどころか「どんな話」さえわからないのに。 私は無神論者なのに、何かに祈りたい気持ちでいっぱいだ。 どうか、この物語を完結させることなく作者の命を奪ったりしませんように。 そして、その読者である私たちのそれも。 作「天冥の標」

    標、ついに見ゆ - 中途書評 - 天冥の標 I-VI : 404 Blog Not Found
  • 1