イタコ経済学史、原田意外本(勝手な略称)と一緒に購入。名著と評判なのにネット書店では軒並み在庫切れで、歯ぎしりしていたのだけれども、たまたま文庫版を発見したのだ。喜び勇んだのはいうまでもない。 フィッシャーのリフレ論とシュンペーターの清算主義を紹介しながら、日本の不況を読み解いていく結構は、評判にたがわず、すばらしいの一言。後半、銀行についての説明は私には難しくて、ぶっちゃけ細部までは理解できない。そこはまあ強引に噛み砕きながら読んだ。 ハードカバー版は2002年、文庫版は2007年の刊行。素人が生意気を申し上げると、日本経済をめぐる議論は、いまだに本書の射程からほとんど出ていないようにみえる。よみがえった経済論戦は、じつはまだ二階にいるのです、というオチだ。さすがに真正面から清算主義をとなえる論者は、一部をのぞけばあまりみられないけれども、金融政策軽視、財政規律重視という空気は、政界でも