他のものはともかくとして、記録媒体については形のある所有をすることの価値はこの十年で完全に下落したと思う。コンテンツを所有することはなしにウェブを通してサーバから好きな時に好きなものを引き出していると、データをダウンロードして端末に所持するということさえ古くさく思えてくる。 じゃあ人々が所有の後、何に価値を置いているのかというと、おそらくそれは経験の共有で、今はかつてないほど個人がある経験を持つことがステイタスになっている。単純にこのことを要素に分解すると「経験」の「共有」となるのだが、じゃあ世間ではどちらに比重が置かれているのかというと、たぶん圧倒的に「経験」よりも「共有」に寄っていると思う。もはや経験そのものは共有の下位に存在するもので、共有されやすい経験にこそもっとも価値があるということになる。あとはもう共有の先着順と解像度と拡散の広さを競っているだけだ。 それでも共有されない記憶と
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く