わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日本近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 荒木浩さん『古典の中の地球儀』(NTT出版、2022年3月)が刊行されました。 すでに川平敏文さんが、ブログで的確な書評を書いておられます。100%同感なので、何も言うことはないのですが、かつての同僚(私の研究室のお隣の研究室だった)である荒木さんの研究の進化(あるいは深化)と拡がりに感嘆している者として、「研究者荒木浩」について思うところを述べてみたく思います。 荒木さんの論文を拝読していると必ず驚くような自在な展開があります。その連想力、繋げる力は、もちろん該博な知識
日本古典籍研究国際コンソーシアムの設立について 日本古典籍研究国際コンソーシアム事務局・山本嘉孝(やまもとよしたか) 2020年11月1日,国内外58機関(国内28,海外30)の参加を得て,日本古典籍(19世紀までの日本で作られた書物の総称)を対象とした世界初のコンソーシアムである「日本古典籍研究国際コンソーシアム」(英名Global Consortium for Japanese Textual Scholarship)が設立された。 日本古典籍の内容は,狭義の「文学」に限定されず,歴史・思想・宗教・美術から,医学・兵学・天文学・和算・農業まで,あらゆる分野にわたっている。所蔵先も日本国内にとどまらず,世界各地に広く分布している。そのため,日本古典籍の保存と研究には,組織,国・地域,専門分野をまたいだ協力が必要となる。 これまでも,様々な形で,日本古典籍の保存と研究のために国際的な連携が
つい先日、法政大学の国際日本学研究所主催で「日韓連帯文学フォーラム」というシンポジウムを開催した。昨今の日韓関係を懸念した教員たちが、文学研究や作家たちの交流を思い起こし、さらに深めることを目的に開催したのである。他大学からも韓国や東アジアの文化に関心ある研究者たちが集まった。江戸文学の研究者が多かった。東アジアの知識なしには研究できないからだ。 最初に参加者にあいさつをするのが私の役目であった。江戸時代の朝鮮通信使のことを語っているうちに、今年の終戦記念日に書いた総長メッセージを思い出した。日露戦争後の米国で差別を受けた在米日本人のことから始まり、今の日韓関係も戦争と支配に端を発していることを書いた。それと関連して、今年は、小池百合子東京都知事が断ったという、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典へのメッセージを寄せたことも思い出した。2016…
開催報告 「日本文学が世界遺産だとすれば−現在を過去に繋げる古典、記憶、アイデンティティ」 2019年4月6日、エドアルド・ジェルリーニ氏による講演会「日本文学が世界遺産だとすれば−現在を過去に繋げる古典、記憶、アイデンティティ」が開催された。本講演会は、欧州連合委員会 Horizon 2020「マリ=キュリー・フェローシップ」プログラムにより、2018年6月から2年間の予定で文学学術院に訪問学者として滞在しているジェルリーニ氏に、そのプロジェクト「世界遺産と東アジア文学 文学遺産としての日本漢文」の研究内容についてご講演いただくとともに、コメンテーターによるコメント、ディスカッションを通して、文学と文化遺産学との学際的な対話の開拓を目指したものである。講演には学内外から60名を超える聴衆が集まった。 ジェルリーニ氏は、まず昨今話題にされている「人文学の危機」、とりわけ「古典の危機」に応え
わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日本近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 『日本文学研究ジャーナル』が3月に創刊された。日本文学関係の雑誌が次々に休刊に追い込まれている中で、明るいニュースである。青簡舎の大貫祥子さんが編集に参加され、山口守義さんの古典ライブラリーから刊行された。古典ライブラリーは、『国歌大観』をはじめとする日本文学研究の必須ツールを、WEBで提供している。この学術誌も、WEBジャーナルとしても展開してゆくところに新しさがある。 日本文学に関する良質な学術論文を集めるオーソドックスな学術誌として、大いに期待したい(などと他人事の
わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日本近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 昨日、高麗大日語日文科の先生お二方、学生さん三名が、大阪大学文学研究科日本文学研究室を訪問され、研究交流などを目的とするワークショップが開催された。 高麗大から3名、阪大から3名、それぞれ大学院生が20分の枠で発表。活発に質疑応答が交わされた。 高麗大側の発表は、時代・ジャンル・研究領域を超える発想のものばかりであり、日本文学研究側は、細部の実証的手続きを踏まえながら大きなテーマへの飛翔を模索するものであった。ここでは高麗大の発表について記す。 高麗大側の発表は、①『平家
伝統的な文楽人形と、最新の音声合成技術ボーカロイドが共演するオペラ映画が29日、発表された。「源氏物語」の「葵」の巻を下敷きにした能「葵上」を基に、機械の歌声と人間の歌手の間の激しい葛藤を、テクノを基調とする濃密な音楽と文楽人形の繊細な演技で描く。7月25日からロンドンで開かれる日本文化紹介イベント「ハイパージャパン」で初上映される。 ストーリーは、ボーカロイドを使った楽曲によって世に認められた人気作曲家ヒカル、ヒカルとコンビを組んでいる売れっ子歌手アオイ、そしてヒカルが世に出るきっかけになったボーカロイド・ミドリを軸に進む。「源氏物語」の光源氏がヒカル、葵の上がアオイ、六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)がミドリに当たる。 人気絶頂のアオイがある日突然、自殺を図る。病床に駆けつけた彼女のマネージャーと精神科医の前で、アオイは何ものかに取りつかれたかのように狂おしく歌を歌い始める。それは
eoblogは 2017年3月31日(金)15:00 をもってサービスを終了いたしました。 長年にわたりご愛顧いただき誠にありがとうございました。
This bibliography covers texts written in Japan before the year 1600. The focus is on literary prose and poetry, but the bibliography also attempts to cover writings of importance for the study of Japanese religion, history, or culture generally. It began as a database of translations into English and other Western languages, but now includes entries for works not yet translated as well as some in
昨日に続いて、ということになってしまうが、たまたま本日、稲賀繁美編著『東洋意識 夢想と現実のあいだ』(ミネルヴァ書房、2012年4月)を見ることができた。これは日文研の稲賀主催の研究会の報告書論文集で、木下長宏、小田部胤久、佐野真由子、李建志、金田晋、古田島洋介、劉岸偉といった人たちの、1887年から1957年までの比較文化的な論文を集めたもので、美術・美学関係が多い。みな優れた論文であろうと思う。だが最後に、平川祐弘の「『源氏物語』の評価と日本文化の評価‐西洋文明至上主義者チェンバレンとウェイリーの隠微な論争」というのが載っていて、これが良くない。これは2008年に行われた平川の講演録だが、内容的には、既に平川の『アーサー・ウェイリー』に載っていることと同じである。 バジル・ホール・チェンバレンは、ラフカディオ・ハーンと同年だが、長く生きた英国の日本学者で、東大で教えて名誉外国人教師とな
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